スタッフとしてオープン前から関わりながら、今は入居者であり同時に食堂責任者

「ゆいま~る那須」の食堂で毎日2食、健康に気を配りながら食事を作り、毎週土曜には食堂で「居酒屋ゆいま~る家」まで開く篠崎美砂子は、「ゆいま~る那須」を運営する株式会社コミュニティネットの社員であり食堂の責任者である。オープン・キッチンに立って働く篠崎は、入居している方々が何かにつけて相談を持ちかける身近な存在でもある。また篠崎自身も、入居者の一人である。58歳のときに、一般社団法人コミュニティネットワーク協会の一員として、ゆいま~る那須の開発検討にかかわり始めた。

ゆいま~る那須
篠崎美砂子(65歳、食堂責任者であり、同時に入居者でもある)の場合

(入居:2010年11月)

Q:ゆいま~る那須の構想が始まったきっかけは?

篠崎:
ゆいま~る那須が開設したのは1期工事のD棟が2010年11月、2期工事のA棟B棟C棟E棟は2012年1月です。構想のきっかけは、2007年にさかのぼります。ある別荘管理会社から一般社団法人コミュニティネットワーク協会に相談が持ち込まれました。「別荘の持ち主の高齢化が進んで、運転ができなくなったり一人暮らしになって、別荘をたたんで都会に戻ってしまう例が多くなっている。どうにかならないか」という内容でした。これがきっかけになって、2007年7月に「那須プロジェクト実行委員会」ができました。これ以降のエポックメイキングな出来事は、「ゆいま~る那須のあゆみ」という資料にまとめられています。

「那須プロジェクト実行委員会」には、コミュニティネットワーク協会だけでなく、NPO法人ふるさと回帰支援センターや、グリーンツーリズムや田舎暮らしの関連団体なども入って、月に1回のペースで検討しました。私もコミュニティネットワーク協会のメンバーとして、当時から関わりました。58歳のときでした。

2008年3月には、コミュニティネットワーク協会のスタッフ2人が那須に住み込んで、現地調査を開始しました。同年6月には、那須の構想を広く伝える『那須通信』を発行し始めました(末尾の資料一覧参照)。発行者は「那須で100年コミュニティをつくる会」。この会の主催は企画と構想を担うコミュニティネットワーク協会でした。翌月の7月には、現地見学会をスタートしました。当時はまだ現地と言っても山があるだけでした。

でもこの頃、施設設計コンペの審査が進行中でした。2008年8月、選考結果を発表しました。このとき、今のゆいま~る那須の建物の基本イメージが決まったわけです。84件の応募作品から選ばれたのは、まだ30歳代の若き建築家コンビ、それも高校時代は同級生だった2人でした(+ニューオフィス 瀬戸健似さんと近藤創順さん注1)。彼らの提案は「高層でない方がよい」という方針で、平屋・木造はほかの提案にはありませんでした。住んでからのコミュニティつくりを考えて、たとえば玄関スペースは広くとってあります。日本家屋の縁側や土間を想起させるつくりにしてコミュニケーションをとりやすくし、ここを“エンガワドマ”と呼んでいます。これを中庭に面する向きにして、お互いの気配が伝わることを意図しています。人に会いたくなったら外に出たり食堂に行くことをイメージしたものでした。このお二人には、その後も「ゆいま~る多摩平の森」や「ゆいま~る厚沢部」、「ゆいま~る高島平」の設計をお願いしています。
注1)この設計はいろいろな賞をいただいた。「ゆいま~る那須受賞歴」を参照。

2009年2月からは、月に1回、「那須での暮らしを考える会」を開催しました。入居を決めたわけでないが関心はかなり高いという方に集まっていただき、勉強会のようなことを行いました。同年7月には宿泊付き現地見学会を開催しました。ゆいま~る那須に隣接する森林ノ牧場のカフェがこの月にオープンしていて、牛乳やアイスクリームを楽しみました。

Q:事前にどのように皆さんの声を聞いて仕様に反映したのでしょうか?

篠崎:
2009年9月には、実際に那須に住みたいという方に改めて集まっていただき、「ゆいま~る那須友の会」をスタートさせました。そしてこの月に、皆さんの意見を聞くために設計部会、食部会、送迎部会など五つの部会注2)を作りました。それぞれの部会に分かれて要望を聞きながら、でもコストも意識して話し合いをしました。
入居の経費は、入居時に約1000万円、入居してからは月々12万円で暮らせることを目指しました。月々の経費12万円は、当時の働く女性の年金額をイメージしたものです。

注2)「部会」は、開発段階だけでなく現在も続いている。現時点(2016年3月)では「農部会」「花と緑の部会」「図書部会」「温泉部会」「完成期医療福祉部会」「イベント部会」の6部会が活動している。

たとえば私は食部会を担当しました。毎月12万円の生活費とすると、3食とも食堂を利用した場合の食費は月に3万5000円にするのが妥当ということになります。でも、3万5000円、4万円、4万5000円の食費を想定して実際に食事を作り、食部会で試食会を開きました。3万5000円パターンの朝食ではメザシ一匹、4万5000円パターンでは鮭の切り身となります。参加者から「メザシ一匹ではさみしい!鮭の切り身にしてください」という声が上がってみんなで大笑いし、4万5000円に決まりました。1日4回程度走るハウス送迎車の送迎ルートも、送迎部会のみんなで話し合って決めました。

2009年12月には、現地に原寸大のモックアップを作りました。水まわりの部分を除いた、居間の部分です。ここに入ってみなさんの意見を聞き、窓の大きさや高さなどが変更されました。2010年に入ってからは、ゆいま~る那須の建材とした八溝杉の伐採場所を見学しに行って45度の急斜面をみなさんと登ったりしました。また、協力医のお一人になっていただいた那須温泉診療所見川医院の見川泰岳院長を講師に招き、先生の人となりが分かるセミナーを開き、入居する前に皆さんと接する機会を作りました。2010年10月には、「ゆいま~る那須 コンセプトブック」として、それまでの検討のエッセンスをまとめた小冊子も作りました(2011年2月に第2版発行)。

こうして、2010年11月に、D棟が完成して入居が始まりました。食堂は出来ていないので、自由室で食べていただいていました。そうこうするうちに、2011年3月11日です。東日本大震災が来ました。ここは福島県との県境近くですから、かなり揺れました。でも、建物自体に被害はありませんでした。相当に深くくい打ちをしていたおかげだと思います。それでも、新幹線が動き始めた3月15日に、全員で神戸市にある「ゆいま~る伊川谷」に一時避難しました。このときのことは、『100年コミュニティ通信vol.10』(2011年6月1日発行)に書かれています。

そして2012年1月、2期工事が終了してA棟B棟C棟E棟もオープンしました。八溝杉は震災前にすべて手当てしていたので、2期工事のスケジュールを変更せずに済みました。

オープンに漕ぎ着けるまでに、大きなセミナーも都合3回開きました。最初は2008年9月の『「おひとりさまの老後」を支えるしくみづくり』フォーラムです。講師は上野千鶴子さん(当時:東京大学院人文社会系研究科教授)、浅川澄一さん(当時:日本経済新聞社編集委員)に講師をお願いしました。ここで参加者のニーズ調査をしました。2009年5月には、『これで解決!「ひとりの老後」』セミナーを開きました。講師は松原惇子さん(NPO法人SSSネットワーク代表/ノンフィクション作家)。ここへの参加者からも、何人か那須に住みたいとおっしゃる方が「ゆいま~る那須友の会」に参加しました。そして第1期工事終了の10カ月前(2010年1月)には樋口恵子さん(NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長/高齢社会NGO連携協議会代表など)を講師に招いて『どう生きる、人生百年社会へ』フォーラムを開きました。フォーラムには350人程度の方に参加していただきました。そして全棟が完成した2012年1月にスタートをきることができました。


―――資料一覧―――
ゆいま~る那須のあゆみ
■『那須通信』
Vol. 1(2008年6月)
Vol. 2(2008年7月)
Vol. 3(2008年8月)
Vol. 4(2008年9月)
Vol. 5(2008年10月)
Vol. 6(2009年1月)
Vol. 8(2009年4月)
ゆいま~る那須受賞歴
■『「ゆいま~る那須 コンセプトブック」』
■『100年コミュニティ通信vol.10』(2011年6月1日発行)

ゆいま~るで働いて

ゆいま~る中沢で働き始めて、3ヶ月が過ぎました。
仕事は初めての事ばかりで先輩スタッフの指導のもと、
勉強しながらの日々です。
屋上には花壇があり、菜園なども行っています。
また、朝はラジオ体操が行われています。

エントランスには、居住者の方が季節にあったお花を生けてくださり
いつも華やかでとても素敵です。
お花を囲んでコミュニケーションの輪も広がります。

元気がとりえの私ですが、居住者の大先輩方とお会いして、
パワーや元気を逆に頂き、
「もっと頑張らなくては、もっともっと頑張りたい」
という気持ちになりました。

居住者の方々お一人おひとり、
ゆいま~る中沢で最期まで自分らしい暮らしをしていただけるよう
 全力でサポートしていくとともに、
居住者の皆様方の指導を賜りながら、
楽しく仕事ができることに喜びを感じています。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

NHK特報首都圏「“団地”ルネサンス」(ゆいま~る高島平)

7月8日(金)放送のNHK特報首都圏にて、「ゆいま~る高島平」の取り組みが放映されます。

タイトル:「“団地”ルネサンス」

新たなまちづくりの現場の最前線に密着し、変わりゆく首都圏の“住まい”事情を伝える。
ゆいま~る高島平フロントの様子、入居者への密着取材、理念等について弊社社長インタビューなど

テレビ朝日ビートたけしのTVタックル(ゆいま~る那須)

7月17日(日)放送のビートたけしTVタックルで、「ゆいま~る那須」の取り組みが放映されます。

企画:「気になる賛否なニュース」

賛否なニュースのなかでCCRC問題を取り上げます。
CCRCがどのようなものかを紹介するなかで、自治体の取り組み、先進モデルとしてゆいま〜る那須が紹介されます。

BSジャパン「まちづくりマスター~切り拓くものたち~」(ゆいま~る那須)

7月25日(月)放送のBSジャパンの番組にて、Cネットの地方創生の取り組みが紹介されます。
「ゆいま~る那須」の様子と弊社社長のインタビューが放映されます。

企画:「地方人×人×ビジネス」が、日本経済にもたらす成長の道筋を探る。
「地方の持つ資産・資源」+「活躍・交流する人々」+「持続的な成長を可能にするビジネススキーム」がかみ合ったプロジェクトのキーパーソンに焦点を当て、地域創生・日本経済再興のヒントを得る。

訪問歯科診療

 訪問歯科診療というのをご存知ですか?

多摩市 乞田の「新井歯科医院」では受診に通うのが難しい方の

居宅に訪問し、歯科診療をして下さいます。

ゆいま~る聖ヶ丘のグループハウスでも何名か利用されています。

 

洗面所に椅子や車椅子を置き、診察台になります。治療に必要なものはすべて

持ってきて下さいます。医師、歯科衛生士、歯科助手とチームで来られます。

 

 

歯の治療はもとより、口腔ケア全般に相談に応じ、対応してくださいます。

 

車で次の訪問先に向かいます。

訪問して下さることによって、治療が可能になった方がいらっしゃいます。

付き添うご家族の負担も少なくなりました。

「本当にありがたいわね。」との利用者の言葉です。

受診が難しくなったからと、諦めることの無いよう

私たちは様々な医療機関と連絡をとり、お手伝いいたします。

「奇跡が起こりそう!」

「奇跡が起こりそう!」

ゆいま~る高島平がオープンしてお祝いに頂いた胡蝶蘭。

立派な花を咲かせ皆さんを楽しませていたようです。

花も終わり根を休ませていましたが、色々と調べてみると

専門業者以外の家庭で二度目を咲かせることは

難しく「蕾が付き、咲いたら奇跡です!」

と書いてあるではありませんか!

まるちゃんと名前を付け、スタッフや居住者が可愛がり、

居住者のMさんはノートに記録を取りながら

気を使いお世話をしてくださいました。

そして今年、なんと、なんと

芽をつけました、蕾が9個!

奇跡が起こりそうです。

まるちゃんから名前を姫様に改名し7月なので織姫様としました。

これから大切に開花まで見守ります。

開花のお知らせも楽しみにしていて下さい♪

 

もう一つ、素敵なお話。

最近入居されましたUさん、お部屋にお邪魔した時に

かわいらしい二人を紹介してくださいました。

こちらはUさんの手作りの陶器です!

声も出ないほどびっくりしました。

手作りとは思えないほど繊細な作りで、是非皆さんに見て頂きたいと

思い紹介させていただきました。

 

7月に入りゆいま~る高島平では、新しいスタッフが仲間入り♪

顔を見にお気軽にフロントへ遊びに来てください!

どうぞ宜しくお願いいたします!

 

 

青空の下での「消火訓練」

 

春に行われた「防災訓練」の中で予定していた消火訓練。

生憎の悪天候で出来ずに終わったのですが、再度消防署に

ご協力をいただき、お隣のグループホームさんと一緒に

消火器の使い方を学びました。

 

良い機会なので、居住者の皆さんにも見学していただき、

爽やかな初夏の青空の下、ハウスの玄関前で行いました。

いつも訓練を指導してくださる消防署のMさんから、

 

①最初は少し遠くから始めて、徐々に火元に近付きながら

確実に消火しましょう。

②消火は途中で止めずに、消火器の粉を使い切りましょう。

③クッションや布団類に火が移った場合は、鎮火したと思っても

中で燻っている場合があるので、火が落ち着いても水を

掛けるなどして、確実に消火しましょう。

 

等の説明を受けて、改めて気持ちが引き締まりました。

 

説明を受けたあとは、実際に消火器を使ってみます。

ハウスのアイドル♪ 2名の新人スタッフも怖々ながら挑戦です。

腰が引けちゃってますね~(笑)

見守る皆さんも苦笑いです。

 

もちろん!火災が起こらないに越したことはありませんが

万が一の時には、慌てずに対処する事こそが大切です。

これからも、防災意識を高めるような研修や勉強会を行って

いきたいと思います。