ゆいま~るお役立ちセミナー「お金から考える 高齢者住宅の入居」が行われました!

ゆいま~るシリーズの各ハウスでは、入居者の皆さんや、高齢者住宅に入居をお考えの方へ向けて役に立つセミナーを随時開催しております。

大阪のサービス付き高齢者住宅「ゆいま~る福」では、セミナー「お金から考える 高齢者住宅の入居」を開催。高齢者住宅入居を考えるときに切り離せないお金の問題を、どのように考えていけばよいのか。シニアライフSOS副代表の川添登巳雄さんがわかりやすくお話くださいました。好評だったセミナーを記事にまとめましたので、ぜひお読みください。

お金から考える 高齢者住宅の入居①

お金から考える 高齢者住宅の入居②

お金から考える 高齢者住宅の入居③

 

ゆいま~るお役立ちセミナー「 お金から考える 高齢者住宅の入居」③

※引き続き、シニアライフSOS副代表の川添登巳雄さんのセミナー3回目報告です。

※3回にわたって、ご紹介します。
1回目…失敗しないお金の使い方とは、その心構えなど。

2回目…正確なデータとそうでないデータの見分け方、エンディングノートの書き方など。
3回目…計画表の作り方、後見問題についてなど。

計画表のつくり方

まず、座標作り、自分の年齢を5年ごとに入れていきます。100歳くらいまで入れてみましょう。
次に計画表をつくります。「叶えたいこと」「イベント」「具体的な年金額」「家族の年齢」「予算付け」を書いてみて、これも座標に加えます。
たとえば、息子が30歳で結婚するとか、夫が86歳で亡くなるとか、仮に書いてみます。姪がいるから安心と思っていても、30年経つといい年になっています。その状況を想像してみます。75歳まで自分で決めるとすると、姪は50歳。そのときいきなり頼むのではなくて、いまから付き合いを大事にしていこうという考え方です。望めないならプロに頼む。姪に委任状書いてもらって、あとはプロが動くようにするとか。
そして、縦ラインを決めていきます。
お子さんがいる方は、成長に合わせて引いていきます。ここまで家にいる、孫が大学でお金がかかる、というようにです。
おひとりさまの場合は、公的年金がいつから発生するかとか、高齢者住宅を選ぶリミットなどを縦ラインにしていきます。僕の実感ですが、リミットは75歳くらいだと思います。同じように、85歳から介護リスクがあがる、また金融機関が慎重になってくる「金融の壁」などがある、ここまでに遺言を書くなど、縦ラインを決めるとブロックが出来きてきます。そこに予算を入れていきます。ブロックで、だいたい使うお金を描く。どうしたら合理的で自分らしい生活が出来るか、ここから考えていきましょう。(図27)

つまりコストのプロット化をします。
性格がよく自立した娘がいて、お金の管理をしてくれる、もしくはお金持ちならばいいかもしれませんが、そうでない場合は「自分年金」を作る。ある時期から何もしなくてもお金が入ってくる仕組みを一緒につくってあげます。金融機関はリスク商品を進めがちです。でもその前の選択肢を探るのです。そしてある年齢になったら、自分で考えるのが嫌になりがちです。
だから娘に代わる装置を法的、金銭的、環境的に作るのです。今、後期に平準的にお金が入るしくみを考えましょう。

コストを考える上での肝は住環境

さきほどから申している通り、よくできた娘がいない場合、士業に頼らなくてはならなくなります。肝心の士業はそこに対して決して大歓迎というわけではありません。資金が潤沢でない自宅でがんばっておられる高齢者の後見を引き受けると、何かあったときに連絡が行くわけで、一日中拘束されることになり、負担が大きくなります。また、依頼人の資産から士業への報酬を決めますので、正直、よほど資産がある方以外、事業として成り立ちにくいのです。
「身元保証します」「後見します」という団体もありますが、注意が必要です。倒産や、初期費用の問題もあります。しかし、高齢者住宅に入っている方なら、住宅に入っていることが士業にとってひとつの安心になります。連絡もご本人と士業の間にスタッフが入ることになるので、士業の負担もかなり和らぎます。実は高齢者住宅に入居されている方なら後見を引き受け易い。あまり言いたくありませんがそれが実態なのです。
自分の判断が危うくなって、結局叔母さまの様に大変なお金を残して亡くなったり、狭くてベッドを置くのがいっぱいいっぱいな高齢者住宅に他人に入れられてしまう場合が多いのです。どうせなら、動けるうちに先を見越して、いろいろと見学して、納得のいくところを自分で決めることです。シニア分譲マンション、有料老人ホーム、サ高住、いろんなメリット・デメリット知っておく。「自由に出来るところがいい」、「持病が心配だからケアが万全なところがいい」など、優先順位は人によって違います。自分が大切にしていること、自分に合っているところをぜひ選んでほしいです。
あまり一般的ではありませんが助けてくれる側に「住環境の壁」があることをどうか知ってください。自分に合った高齢者住宅に入ることは、老後の生活が有意義になるのです。

後見も早めに対策を

あとは、後見ですね。先ほどの叔母さまのような状況で、認知症になると、法定後見が作動します。自分のことが出来なくなると、だれかが頭の代わりをしなければならない。申し立てする人が必要です。配偶者、四親等以内の親族、三親等以外の姻族。だれもいなければ市町村などです。
一般的に家庭裁判所は、被後見人の財産を積極的に解約、売却しようとしません。認知症になった方の親族が、土地を売ってこうしようと思っていたのに、売れないということになります。資産を現金化できないのは、悲劇です。
あとは、任意後見です。判断能力があるうちに将来を托せる人と契約をする。公証役場に行って明文化する。公式な文書にする。認知症になってはじめて生きるわけで、ならなければ紙くずですけど、これは是非勉強して欲しいです。
相続手続きですが、遺言書が無く亡くなった場合はどうなるか。法定相続人の決定からスタートですから、原戸籍から集めることになります。親族で話し合う必要が出てきて、介護をしたとか面倒を見たのにということはあまり考慮されません。
遺言は全文を自筆で書いて、日付、サイン、押印すれば有効ですが、不備があれば機能しません。見つからない場合も多いのです。トラブルが多いので公正証書遺言書をお勧めします。

まとめ

必要資金は予測できます。自分がどうしたいか、自分の幸せとはなにか。資産がわかれば、ある程度組み立てが可能です。どうしたいかの優先順位によって異なりますので、優先順位は自分で判断ください。
また、失敗する方の例として、12年前にお会いして高齢者住宅に入るといってまだ探している人がいます。しくみも住宅についてもよく知っているけど、決められない。まさに宝の持ち腐れです。繰り返しですが、そんなに勉強をする必要はありません。大事なのは判断がつく所までかみ砕いて情報を提供してもらうこと。これまでの見識があれば十分判断がつくはずです。自分が大事なものが一番大事なのです。
ふつう一番は安全ですから、病気や介護にかかるお金は先行データから金額が予測可能です。老後資金は、本ではなく実態、現状を探るところからスタートしましょう。
いつの自分に高齢後期をゆだねるか。今でしょ(笑)。時間を区切って、決めていきましょう。高齢者住宅選びも、結構インスピレーションで決めている方が多く、案外外れることはないようです。これまで培ってきたご自身の経験から、ご自分の判断、直感を信じていいのです。

<了>

ゆいま~るお役立ちセミナー「 お金から考える 高齢者住宅の入居」②

※引き続き、シニアライフSOS副代表の川添登巳雄さんのセミナー報告2回目です。

※3回にわたって、ご紹介しています。
1回目…失敗しないお金の使い方とは、その心構えなど。

2回目…正確なデータとそうでないデータの見分け方、エンディングノートの書き方など。
3回目…計画表の作り方、後見問題についてなど。

2.将来のライフプランの作り方

正確なデータに基づいて計画を

では、具体的にどうすればいいのか。将来のライフプランを作っていくのですが、その前に、まず世間に流通するデータを疑うことからはじめます。
正確なデータとそうでないデータとがあります。たとえば、女性の死亡率のピークは、91歳です(図10)。つぎに92歳、90歳、93歳と続きますね。ですが、テレビや雑誌などでは、たいてい85~86歳までの資金を計算しています。91歳がピークなら、少し先の100歳までの計算をするのが安心だと思いませんか。

ここで問題なのは介護です。85歳を過ぎると急激に増加します(図11)。75~80歳では14パーセント、80~85歳では5人に1人。85歳以上では6割です。100歳まで生きると仮定し、85歳で介護が急増する。これは注目すべきです。実際には85歳以上の人たちがこれだけいるにも関わらずまとめられているのも問題ですが、カーブの角度は置いておいても急上昇するのは間違いありません。それも含めて住宅の問題を考える必要があります。

もうひとつ正確なデータは、近い将来日本で起こる「晩婚」です。
私は晩婚ではなかったのですが、現在51歳、結婚18年目で子どもを授かり、子どもは1歳です。世の中的に高齢で子どもを生む方が多くなっています。親の介護が必要になるとき、まだ子育てをしている。親子仲が良くて、いくら介護をしてくれるといっても頼るのは難しいでしょう。しかも、晩婚化のうえに少子化なので、ひとりの妻の肩に4人の高齢者がのっかるわけです。昔みたいに大勢の子どもが親を支えるという訳にはいきません。しかも子どもの教育費はかかるし、夫の稼ぎは少ない。耳が痛いですけれど……(苦笑)。子どもを大学に行かせるか、親の面倒を見るか。僕らの世代でも50代で仕事を辞めている方はたくさんいます。社会問題化しつつあるのです。子ども達にそのような選択させるわけにはいかないので、早いうちから対策をしたほうが良いでしょう。

ウソのデータを見極める

では、正確でないデータとは何か。よく、老後の暮らしには3000万円必要といわれます。先程の叔母さまも3000万円タンス預金していました。このデータのよりどころは突き詰めれば総務省の家計調査年表(図13)からきています。

モデルはサラリーマン、もしくは公務員をしていて、子どもは独立、夫婦で年金暮らしという設定になっています。自営業の方、おひとりさま、また収入がある現役の方も入っていません。いろいろな方が入っていない玉ねぎの芯みたいな話で、正確かどうかはわかりません。家計調査年表にはおひとりさまのパターンも発表されていますが、二次情報に反映されるのはモデル世帯なのです。
こういうデータをそのまま信じるのではなく、自分が今いくら使っているかを確認することが大事です。今だけでなくて、3年間くらいのお金のデータを洗い出しましょう。今年は海外旅行に行ったけれど、去年は特に何もしなかった、今は元気だけど、今後は病気をするかもしれない、と先のことも考えてきちんと把握します。
もし夫が亡くなっても、食費も光熱費もそんなに変わりません。しかし、年金はずいぶんと減らされてしまいます。80歳になったら旅行にも行かないし、支出が減ると考えている方がいらっしゃいますが、介護費など増えるものもありますので、あまり変わらないと考えておきましょう。
生命保険文化センターによる「ゆとりある老後の生活費」のアンケートですが、その回答は長い間変わらず、月35~36万と答えています。しかも、10~80代、みんな同じ答えです。日本人はこの20年間、月35万あれば夫婦で暮らしていけると思っている。しかし、これも当然個人の状況によってまったく異なります。
医療費についても、現在なら保険診療なら高額医療費を適用できます。しかし、60代の方が高齢後期を迎えるころには一体どうなっているのか想像は不可能です。この先医療が進歩して先進医療が受けられるようになったり、逆に極端な話TPPの導入で健康保険制度にメスが入り、国民皆保険でなくなり、高額な医療費がかかるかもしれません。そう考えるとお金はあったほうがいいかもしれませんが、普通の病気はあまり気にする必要はないと思います。これも人によって違うので一概には言えませんが……。
むしろ自分がいくら使っているかの算出が大事なのです。データに惑わされないようにしましょう。

自分の幸せをもとに作成する「3つの事」

では、自分が幸せになるためにお金を使うにはどうしたらよいか。
実は自分が望んでいることは自分の頭の中にしかありません。ただ、一人で整理するのは難しいので、できれば一対一で誰かと話しながら、が良いです。エンディングノートを書きながら、こんなふうに生活できたら幸せで、それが実現できるような計画は何かを考えて書いていきましょう。それにはお金がどうしてもからんできます。
もし、先程の叔母さまに、20年前に私が直接アドバイスできたとしたら、叔母さま自身がどうしたら幸せかをまず問います。その幸せを実現するためにはどんな暮らしが自分らしいのか。そしてその暮らしを実現する手段として、どんな住まいを考えることが叔母さまにとってふさわしいのか、幸せかで安心かということを問います。なぜ唐突に「住まい」か、と言えば高齢期のお金のなかで一番ウェートを占め、計画するうえで重要なのはどこで誰と住むかにかかるからです。
高齢期の資産計画をするとき、どこに住むかはとても重要です。今のまま住んだらというプラン、75歳や80歳のときに住み替えを行ったと仮定したプラン、今住み替えたらというプラン、最低でも三つ作りましょう。それにどれくらいコストがかかるのか当てはめてみて、どれが自分にふさわしいかを判断します。
なにがあるかわからないので決められない、というのはもうやめておきましょう(笑)。幸せの形を「今」ここできちんと考える。①家計図、②エンディングノート、③計画表を作りましょう。計画表は3プラン以上作成する事をお勧めします。家計図を作ることによって、将来的なリスクを俯瞰、エンディングノートを書くこと自分の頭をノック、一回きちんとコストを当ててみて計画してみましょう。
先程の叔母さまと20年前に一緒に老後の問題を考えることができたら、はじめに任意代理契約について考えてみます。これはおひとりさまである叔母さまの頭の整理には有効です。これを考えて計画表に入れておきます。自分のことが出来なくなったとき、どんなしくみがあなたを救うのか。甥・姪に頼めない人、子どもに頼みたくない人は、どうしても士業にお願いすることになります。それで、高齢期に知っておかなければいけない最低限の項目の例がこういうものです(図20)。

こういうことを知った上で、いつやるか。今出来るものもあれば出来ないものもあります。出来なくてもいいので、いつやるかを決めておきましょう。
家計図というのは、さきほどの山田さんの家計図くらいでいいので、自分の相続人、友だちも含めて書いていきます。そして、5年後、10年後、15年後、20年後と何枚も書いていくと、この人がいるから安心という妹が自分が90歳のときに88歳だったりするわけで、とても頼めない。おかれた環境によって、優先順位が変わってくることが実感できるのです。
子ども世代の問題も考えてみましょう。年金がどうなるか。夫が亡くなった後、専業主婦だった場合、短い期間しか働いていない場合。年金種類によっては引き継げないものや、少なくなります。晩婚化の問題で教育資金は後に来る。私は、娘が20歳の時70歳です。教育資金もローンも、低金利なので長く組む傾向にあります。子どもたちの状況もありますが、夫が亡くなったときに、妻が受け取る年金はかなり減る、ここを考えることが大切です。年金がどうなるかは、社会保険庁に聞けばすぐに教えてくれます。
一番いい対策は、夫を殺さないこと。健康で長生きしてもらうことです(笑)。

エンディングノートはエンピツで

エンディングノートですが、書店で購入して、だいたいは見て30分書いたら嫌になり、家に二冊も三冊もあったと言う方が多いです。人生途中であり、当然変化するということを意識してくだい。お葬式だとか墓石だとか、気が滅入ってきますので、それにはあまり付き合わず心配なことをあぶりだすアイテムだと考えてみるといいでしょう。遊びだと思ってください。誰かがそのノートを開いて、と仮定してその人とその状況をイメージしてみる。例えば自分が意識不明になって、遠方に住む長男がそのノートを開く。などです。まず連絡して欲しい人を書く。一回エンピツで書いてみる。次に連絡しなくてもいい人、ここでは大雑把に「私の嫌いな人ベスト10」で十分です。エンピツで薄く書きます。自分の気持ちを棚卸しするだけでいいのです。
ボールペンで強く書くと、本当に亡くなったとき困ります。書いたときはうちのお母さんの面倒を見なかった長男の嫁が憎かったけど、あとで「ごめんなさい、あのとき、自分の父母が大変だった、私もリュウマチだった」とか言われたら許しますよね。エンピツで薄く書くと消せる。今の気持ちを明らかにするのが大事です。書けない項目は飛ばしておきます。ただ、85歳までに決めるとか、自分との約束をしていくことをおすすめします。
自分にとって一番幸せな形、人間関係も含めてこんなふうに過ごしたいと決まったら、計画表でつくっていきます。
A3くらいの大き目の紙に書いて、コストも落とし込んでいきます。本当に叶えたいことを実現させるために高齢後期の資金をどうするか、どんなしくみで守ってもらうのか。今作りましょう。今作らずに動けなくなったとき、介護状態になったとき、住み替えるとき、妻が認知症になったときに作る、そのような状態ではよくものも考えられません。今の自分がやるしかないのです。経験もたくさん積んでこられて、今の自分がピークに近いのではないでしょうか。見識もある、噛み砕いて提供されれば自分で判断して選択できる、自分で考えて自分に託す。困ったときの自分を今の自分に託すのです。今計画表をつくりましょう。
どこに住むのか、だれと住むのか、どんな環境に住むのか、それによっていろいろなことが決まります。住まいは高齢後期を過ごす「肝」になってきます。そして答えはいつも自分の心の中にあります。

<つづく>

 

ゆいま~るお役立ちセミナー「お金から考える高齢者住宅の入居」①

老後の生活が心配。病気になったら、認知症になったら……。
今の家で最期まで暮らせるか、それとも高齢者住宅に移るのがいいのか。
「老後に3000万円必要」って言うけど、本当なの?
高齢者になったら誰でもかかえるこれらの心配も、まずは「自分」の現状を見つめること、そしてそれに必要なお金の計画を立てることで解決すると語る川添先生が、「ゆいま~る福」でお話してくださいました。

※3回にわたって、ご紹介します。
1回目…失敗しないお金の使い方とは、その心構えなど。

2回目…正確なデータとそうでないデータの見分け方、エンディングノートの書き方など。
3回目…計画表の作り方、後見問題についてなど。

講師 川添登巳雄さん
ファイナンシャルプランナー。行政や高齢者住宅のセミナーなどでも活躍。弁護士、税理士、司法書士など「士業」と民間企業の実務担当者等で構成される高齢者問題の専門家集団「シニアライフSOS」に参加。現在、副代表を務める。

1.だれにも迷惑をかけたくないと思ったら

高齢者の心配の中身

高齢期をどこでどう過ごすのかを考えるとき、人によって関心の度合い、心配の中身が違うというところからの整理が必要になります。いろいろな本も出ていますが、個々人によって抱えている問題は違いますので、それだけを読んでもあまり有意義とはいえません。
まず、自分は「何が心配か」を理解しましょう。
たとえば、自立できなかったお子様をお持ちの方。こういう方は、自分が死んだ後も子どもが暮らしていけるようにお金を残さなければなりません。それを第一に考えて対策を練っていくことになります。
また、自身の死後に子どもたちの仲たがいが心配である、先祖代々の土地をどうするか、会社をどうするか、税金が心配……など、それぞれ何が一番心配なのかを中心に対策を考えることが必要です。
そして、誰にも迷惑をかけたくないという方が最も多いのですが、その中でも、おひとりさま(結婚していない、離婚して一人)の場合、夫婦2人でお子さんがいない場合、子どもはいるけど遠方に住んでいてなるべく迷惑をかけたくない場合と、それぞれ潜在する問題と内包する心配事が違うのです。だから、その方々に合った対策をすることが最も大切なのです。

失敗するパターンとは

だれにも迷惑をかけたくないと思っている人が一番多いのですが、よくよく話をしてみると、その様に計画をしている方は本当に少ないのです。そして、多くのセミナー、個別相談を通して、うまくいかないパターンがだんだんわかってきました。
はじめに多くの人に共通するお金の誤解の話ですが、老後を過ごすのに、たとえばこの株を現金化してとか、この土地を売って、ここまでは投資信託で生活して……とやりくりを考えている人がいます。しかし、ある時期を越えると、そういうことができなくなるということを想定していない人がほとんどなのです。個人差が大きい中で少し乱暴に言うと、おおよそ80歳位までというのが、私の感想です。80歳になると、金融機関が高齢者扱いをして、大きなお金を下ろすことにとても慎重になります。私のお客さんは80代でも皆さんしゃんとしているのですが、金融機関は厳しくなる。ですから、80歳前までに、なんらかの対策が必要です。
あと、失敗する方の特徴として、せっかちで人の話を聞かない方。自分の聞きたいことだけ聞いたら、さっさと帰ってしまう方です。一人の心配は、住宅だけ、お金だけ、法律だけ、では解決しません。これらが円になった総合的な対策でないと解決できないのです。私はファイナンシャルプランナーですけれど、自分自身がいい高齢者住宅を知っていなければなりません。こういうことがわかっていないとどこかで失敗してしまいます。
また、情緒的な方。誰かに反対されて、すぐ萎えてしまう人です。たとえば、学生時代に優秀だった友だちに反対されると、それに引っ張られてしまう様な方です。
よくある話として、高齢者住宅を購入しようとしたら、子ども、きょうだい、友人達が反対するケースが多いです。友人から「まだ早い」といって反対される場合、その友人には夫がいて、お子さんがいて、二世帯住宅に住んでいるかもしれません。でも自分自身はおひとりさまだったり、子どもがいなかったりと、人によって環境や問題が違うにも関わらず、良かれと思って反対するのです。反対してくれる人は自分にとって大切な人であり、本気で心配してくれる人でもあるので状況変化に後ろ向きなのかもしれません。
しかし多くの場合、友達もきょうだいも先の事よりも反射的に反対してしまいがちです。近所に住む、夫と二人暮らしの姉から反対された人がいました。でも突き詰めると自分が心細いからという理由での反対です。「高齢者住宅に行ったら、私は一人になっちゃうじゃない、ここにいたら私が面倒見るのに」というわけです。しかし、面倒が見られるのは今です。たとえば10年、15年したら、どちらが面倒を見るかわからないですよね。
子どもの反対は、たちが悪いです。とくに息子。自分を例に出しますと、私は51歳で、父が80代、母がもうすぐ80代になります。この仕事するまでは「僕が面倒見るから!」「大丈夫だから、慌てないで!」と軽く言っていました。具体的には、玄関横の六畳間を空けておくというくらいで、介護は妻がするんだろうくらいに思っていました。確かにその時おふくろは喜んでいたと思います。でも、それでは解決しません。自戒もこめて、子ども側がどんな情報もっているか、疑ってみたほうがいい。びっくりするかもしれませんが、大抵は高齢者住宅=養老院というイメージしかもっていません。車イスで、みんなで輪になって「結んで開いて」をやっているようなイメージしかないのです。
子どもだから、きょうだいだから、友人だからと言って、情報も持っていない人の反対を真に受けてはだめです。まずは、どうしたら自分が幸せになるかを考えていくのが大事です。「自分が幸せになるために、自分の資産を使う」。
失敗しないためには、ここからはずれないように考えていきましょう。

山田さん(仮)きょうだいの場合

ここで、失敗事例について紹介します。
山田さんは、60代で、3人きょうだいの長女で、夫と独立している独身の娘さんがいます(図3)。弟夫婦は、お父さんが亡くなった後、膝の悪いお母さんと同居中。8歳下の妹さんは結婚が遅く子どもがまだ中学生で、教育費のためにフルタイムのパートをしています。仲も普通の3きょうだいです。


ところが叔母さんの件で大変もめました。叔母さんは85歳で、お父さんの妹さんです。離婚しておひとりさま、子どもはいません。働いていたので、お金はあると思っていたのですが、山田さんがお会いしたときにはすごく質素な暮らしをしていたといいます。なぜ山田さんがお会いしたのかというと、叔母さんが入院することになり、全身麻酔を打つので病院に提出する書類にサインが必要だからです。親戚の一筆が必要だからと言われたのですが、そのうち入退院を繰り返し介護状態になりました。そのままデイサービスなどを活用していたのですが、最後は自宅で亡くなりました。山田さんは、2年近く、叔母さんが認知症になるまでほとんど一人で付き合いました。弟は、自分はまだ働いているうえ弟の妻が同居の母との折り合いが悪いのでとても頼めないと言い、妹も仕事をしているからと手伝ってはくれませんでした。はじめは、叔母さんが支払い等全部自分でしていたのですが、そのうち認知症かどうかも確認できないまま、結果的に山田さんがお金を立て替えることに。その上、「あなた、私の財産目当てに来ているんでしょう」と言われて泣いたりしたそうです。
この暮らしぶりだから、お金はないだろうと思って亡くなった後に荷物整理をしていたら、脱衣所に「ガーゼ」と書かれた洋菓子の缶があった。テープが張ってあったので、取ってみたらガーゼが入っていて、その下に通帳と印鑑が入っていたというのです。通帳を見ると結構なお金があって、このお金があったら高齢者住宅への入居も可能だったのではないかと思ったそうです。立て替えた分も戻ってくるし良かったと思って、整理を進めていると、タンスの中に紙包みがあって、あけてみると3000万円の現金がドンとあったのです。
結果、きょうだい3人が遺産をめぐってもめました。叔母さん、山田さん、弟、妹、誰も幸せになってない。叔母さんは迷惑をかけた上に、姪たちを不幸にしてしまったという事例です。
私はこの叔母さまにお会いしてないのですけど、何を考えていたかは手に取るようにわかります。自分がどうなるか見据えて、対策をしていたのだと思います。きっと不安で、不安で仕方がなかった。誰にも迷惑をかけないで老後を送ろうと思っていたはずなのです。そのための節約ですし、在宅で死ぬまで過ごすという選択したのでしょう。
老後で必要なお金はいくらか、よく新聞・雑誌等で言われるのは3000万円です。3000万円もっていたおばさんは、老後に備えていたのでしょう。でも年を取るたびに不安感が増します。60代より70代、70代より80代、どんどん不安感が増して、結局お金を使えないまま亡くなってしまったのだと思います。
家も旧耐震の古い家、住み替えもしていない、情報を仕入れた形跡もない……。叔母さまに限らず実はお金を使えなかったという人は結構います。しかしとくに子どもがいない方、おひとりさま、子どもに迷惑をかけたくないという方は、まず自分のためにお金を使わなければいけないのです。それがなかなか難しいのですね。

偏見をなくすこと

どうしたら、自分のためにお金を使えるのか。
まずは、偏見をなくすことです。自分が幸せになるために、どう考えたらいいのかを偏見をなくして自分に問うてください。次にその問題に優先順位をつけましょう。
問題の中身は人によってちがうけれど、心配の中身は似ています。病気、介護、年金、事故、住み替え。なにが最優先か、トータルでどのくらい必要か、自分で試算してみましょう。なにがあるかわからないから、とりあえずお金を持っておこうという人が多いのですが、ここから脱却しないと幸せになれません。先ほどの叔母さまがそうでした。
そして、本を読むより、自分の経験と見識を信じたほうがいいです。難しい言葉が出てきても、噛み砕けは判断できます。判断がつけば、自分で選択が出来る。選択は、今までの経験と見識で十分です。今から弁護士になるわけではないので、新たに勉強する必要ではあまりありません。高齢後期を幸せに過ごすために、今すぐにとりかかりましょう。

<つづく>

ネイルサロン

梅雨明けもし、いよいよ猛暑といわれる暑い暑い季節となりますが、
いかがお過ごしでしょうか。
先日グループハウス中沢では出張ネイルサロンがありました。
最初は遠慮がちだった方も「少しだけやってもらおうかな」と興味を持って頂き…気がつくと順番待ちの列。

「初めてだから控えめにして」「次はキラキラにしてもらうかな」と施術中も話に花が咲き笑顔いっぱいの素敵な時間。
ネイルが完成すると「素敵でしょ?」とご満悦の皆さん。

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色やデザインは居住者それぞれ違い、とても良くお似合いでした。

ピアノコンサート

6月27日、ゆらリズムでは「ピアノコンサート」を開催しました。

今回ピアノを演奏してくださったのは、ピアニストの村田庸子さん。八王子市にお住まいで、ボランティアで来てくださいました。

今回のコンサートもゆらリズムの利用者の他、団地にお住まいの方も参加されいました。

♪「リンゴの唄」「故郷」など10曲ほど演奏していただき、その伴奏に合わせて壁に映し出された歌詞を見て歌いました。

ピアノの演奏もさることながら、皆さんの歌声もとても素晴らしく、とても素敵な合唱になりました。

村田さんはお話もとてもお上手で、一つ一つ演奏前に曲の説明をしてくれ、曲をイメージしながら歌うことができました。

最後に、リクエストでベートーベンの「エリーゼのために」と、ショパンの「ノクターン」を演奏してくださいました。

ピアノの音色はとても美しく、時間を忘れてしまうほど癒されたひと時でした。

 

七夕まつり

7月4日、七夕まつりを開催しました。

今回は、ボランティアの玉置さん、小坂さんに来ていただきました。

地域住民の方もたくさんお越しいただきました。

まずはマジックショー。

次々に花が出てきたり、コップに入った牛乳が突然消えたり、みなさんの歓声と拍手が沸き起こりました。

 

利用者も舞台に上がらせていただき、一緒に参加させていただきました。

空っぽの帽子の中にハンカチを1枚ずつ入れていき、魔法をかけて引っ張ると、なぜかハンカチが結ばれてでてくるマジック。

舞台でハンカチを入れていった利用者Mさんも、目の前で見たマジックにとても驚いていました。

次は南京たますだれを披露してくださいました。

まずは、たますだれの説明をしていただき、利用者も体験させていただきました。

すだれを変化させ伸ばしたのですが、元に戻るのが大変苦戦し、たますだれの難しさを教えていただきました。

その後、南京たますだれを披露してくださいました。

さて、さて、さてさてさてさて、さては南京玉すだれ…

威勢のいい掛け声と手拍子に合わせ、たますだれを次々に変化させていくたびに拍手がわきました。

マジックにたますだれと芸達者な方々に皆さん驚いていました。

最後にバルーンアートをお土産にプレゼントしてもらい、参加していただいた方も喜んばれ、とても楽しい会になりました。

エレキギターコンサート

7月10日、ゆらリズムで「エレキギターコンサート」を開催しました。

今回、いつも来てくださる菊池さん橋本さんの他に、星さんが初めて来てくださいました。

今回も利用者の他に、地域住民の方もたくさん参加していただきました。

まずは星さんの演奏から。

ソーラン節や花笠音頭など昭和の懐かしい民謡をアレンジして演奏してくださいました。

初めて間近でエレキギターの演奏を聞く方が多く、とても興味深く聞いていらっしゃいました。

続いて、菊池さんの伴奏で昭和の歌姫(?)の橋本さんが「愛燦々」や「真っ赤な太陽」を熱唱してくださいました。

橋本さんの歌声はとても艶があり、うっとりと聞き入ってしまいます。

菊池さんはいつもながらの素晴らしいトークや演奏で会場を盛り上げてくださいました。

星さんと菊池さんのセッションもありました。

「思い出の渚」「ブルーシャトウ」では手拍子をしたり手を振り上げたりと、とても盛り上がりました。

コンサートが終わってから、エレキギターをお借りして記念撮影をしました。

「以外に重いのね。」と初めて触れたエレキギターにとても興味をお持ちでした。

今回のコンサートもとても大盛況でした。

【8月見学会】ゆいま~る厚沢部

ご見学・視察については、随時対応させていただきます。

詳しくは、ゆいま~る厚沢部フロントへお気軽にお問合せください。

※視察についてはこちらをご覧ください→「視察申込み
ゆいま~る厚沢部
(フリーダイヤル) 0800-800-1767

 

 

七夕合唱会

7月7日、福の会の皆さんと一緒に七夕合唱会を行いました。
七夕さま、ほたるの宿、見上げてごらん夜の星を、の3曲を披露して頂き、
とても良い歌声が、ぐり~んはぁとに響き渡りました。

ボールしりとりゲームも行われ、皆さん一生懸命、汗だくになりながら
参加されました。

​福の会の皆さん素敵な、ひとときを、ありがとうございました。
皆さんの七夕の願い事が叶います様に‥