こんにちは。
看護師の村尾です。
今回のお話は「フットケア」
フットケアというと、リラクゼーションのイメージが浮かびますが
ここでお話しするのは病気とのつながりから見る「フットケア」です。
従来、糖尿病性の足病変の患者のほとんどは欧米を中心にみられていました。
しかし、近年は日本でも糖尿病などに起因する足病変に悩む患者が多くなり
フットケアの重要性も増しています。
すなわち、糖尿病や椎間板ヘルニアなどの「神経疾患」、閉塞性動脈硬化症や
リンパ節炎などの「脈管疾患」、
外反母趾や変形性足関節症などの「骨・関節・筋肉・腱などの疾患」、
細菌やウイルス感染による「皮膚疾患」など、
全身疾患の一部としても足病変はおこっています。
閉塞性動脈硬化症・糖尿病性末しょう神経障がい・腫瘍などでは、
夜になるとしびれや疼痛が増してくるのが特徴です。
名促成静脈硬化症では、歩くと症状が悪化するのに対し、糖尿病性末梢神経障がいでは
歩くことで症状が改善されることもあるなど、疾患によって異なっていきます。
また、長距離の歩行でおきる足の疼痛には、
足底筋(腱)膜炎、偏平足、種子骨傷害などがあります。
爪の病気の中で一番多いのは「爪白癬」いわゆる爪の水虫で、
日本人では10人に 一人がかかっているといわれています。
爪白癬は、爪の中に白癬菌という水虫の原因菌(かび)がすみついて起こる感染症です。
患者の男女比は男性が6割、女性が4割と言われています。
爪白癬の症状で最も多くみられる初期症状は、「爪の一部が白や黄色っぽく濁っている事」です。
また時間がたつにつれて濁った部分が拡がって、爪が厚くなっていくのですが、
厚くなった爪はもろくてボロボロと崩れ落ちるようになります。
爪そのものには神経が通っていないため、爪のかゆみや痛みは感じません。
むしろ爪の周りが痒くなることがあります。
爪白癬の場合は、爪が厚く変形してくることで、靴を履いた時に痛みが生じたり、
ひどい場合は痛くて歩けなくなったりすることもあります。
大きな問題は、大切な人にうつしてしまうことです。
痛みや痒みがないからと、放っておいて、
バスマットやスリッパ等を介して家族や友人にうつしてしまった。
という事がよくあります。
切った爪やボロボロと崩れ落ちた詰めの中でも白癬菌は
ケラチンを栄養にしてしぶとく生き続けているのです。
以上のことから、フットケアの大切さがわかると思いますが、足の血行をよくして
清潔に保つことが大切で、その為に毎日足浴をして足の手入れをすることが重要です。
また巻き詰にも注意して、足の両端を深く切り込まないことです。
肥厚した爪を切るのは大変です。
傷つけたりすると化膿して菌が入りやすくなるので、注意しましょう。
また、糖尿病などによる足指の変色は、
放っておくと指が壊死してしまうこともあるのでケアが必要です。
意外とおろそかにしがちな足の様子。
本人も、介護をしているご家族も、注目してみてはいかがでしょうか。