利用1日目から表情がイキイキしたんです。

松沢三千夫さん
(矢野信子さんのパートナー・66歳)

矢野信子さん(76歳)は20年以上前、脳出血で倒れて左片麻痺に。その後がんを発症して入退院を繰り返し、ここ数年は入院生活が続き、すっかり足腰が弱り、ベッドでの生活になってしまわれたそうです。長年ともに暮らす松沢さんは、矢野さんがせめて自力でトイレに行けるようにとリハビリ病院への転院を申請。
しかし行きたい病院は待機待ちの状態。その間の短期入所先として「中沢」を利用されました。病院生活が長かった矢野さんにとって、病院ではないもう一つのケアの場である「中沢」は、新しい大切な環境だったのかもしれません。
松沢さんと矢野さんからショートステイ利用の感想を聞かせていただきました。

Q:「ゆいま〜る中沢」をご利用になるきっかけを教えて下さい。

松沢 うちのは脳出血から子宮頸がんになって、放射線治療で治ったと言われたのですが、その後も貧血のような状態だったのか、具合が悪くてここ1年ぐらいはほとんど寝たきりでした。
総合病院に入院して治療してもらい、担当の主治医に「普段の生活には支障がない状態まで回復している」と言われて退院となったのですが、自分でせめてトイレに行けるぐらいの状態にならないと、家での暮らしは難しい。だからリハビリができる病院への転院をということでAリハビリ病院に入院しました。

ところが血液の数値が悪く、元の総合病院に再入院になってしまった。ようやく数値が安定したので、またAリハビリ病院に戻りたかったのですが、病状が安定しないという理由で、八王子にあるBリハビリ病院に入院することになりました。もっともBリハビリ病院は3ヶ月の待機待ちという話で、その間どうするかということになって、総合病院のソーシャルワーカーさんが、「中沢」のショートステイを紹介してくれたんです。

Q:ここを利用される前、いろいろ不安な部分も多かったのではないですか?

松沢 不安はあまり感じなかったですね、なるようになれ、という感じで。たとえ深刻な事態であっても、深刻には考えないようにすべてにおいてしているんです。私は仕事もしなくてはいけませんし。

Q:お仕事は何をなさっているのですか?

松沢 調理師で日本料理が専門です。雇われて働かせてもらっています。まだ働かざるをえないってことかな。入院費用もありますからね。
うちのとは、かつては結婚していましたが、離婚をしたので、今は籍は入っていないんですよ。だから戸籍上は夫婦ではないんだけれど、また面倒をみているというのか、一緒に住んでいます。いろいろな形があっていいかなって、私はいちいち気にしないですからね。

Q:「中沢」のショートステイを利用されて、いかがでしたでしょうか?

松沢 顔の輝きが病院にいる時と違ったんじゃないの? ここで生活している時、なんかイキイキしてきたような気がするんだよね。病院だけだと顔に生気がないというか、そういうところがあったんだけど、ここに来て、皆さんと話なんかできて、元気が出てきたような感じがしますね。
最初、ここ(「中沢」)に移るとき、本人は、また病院から別の病院に移るんじゃないかと思っていたんじゃないですか。これまでにそういうことを何回も経験してきているから。ところが病院じゃないここに来て、皆さんがよくしてくれて、と感激していました。

Q:どんなふうにおっしゃっていたのですか?

松沢 言葉というより、顔に表れていました。最初はうれしくて半泣きだったのかな。ここは病院ではなく、普段の生活に近いですよね。たとえば入院していた病院のベッドは、手すりがガタガタしていて、それを持っても自分の力で起き上がることができなかった。ところがここではベッドの手すりがしっかりしている。本人がある程度力を出して、起きよう、立とうという意欲を見せられるじゃないですか。それをスタッフの皆さんも親切に見ていてくれる。そういうことだけでもだいぶ違ったと思うんですよ。

あと、私がびっくりしたのはテレビのことです。病院のテレビはカードを買って、それを入れて観るんですが、「テレビ、観るか?」と言っても、「観たい」と言ったことが一度もなかったんですよ。むしろ観るのを嫌がっていたんです。ところがここに来て、テレビを観ていたから驚きました。ここでご飯を食べる時に、テレビを観ていたから、あれ? テレビを観るんだなあ……とびっくり。

スタッフの話 矢野さんには、「家にいる時と同じように過ごしてください。たとえばお部屋ではなく、リビングでテレビが観たかったら観てくださっていいですし、消灯時間は一応21時と決まっていますが、そのあとも、リビングにいていただいても結構です。ご自分の自由になさってください」とお伝えしました。矢野さまは、「自由にやっていいの?」と驚かれた様子で確認をされていました。ですから「どうぞ」と申しました。そうしましたら、「トイレに行きたいのだけど、手伝ってくれるの?」とご質問がありました。病院ではトイレもベッドの上だったのですね。

松沢 病院ではオムツでしたから。トイレに行きたかったのだと思います。
それと、病院とここでは食事や食べるところの雰囲気が明らかに違うというのもあったのかな。食べることの楽しみがあったというか。「うまいものを食べたい」という気持ちはあったんじゃないかな。ずっと病院食でしたから。病院の食事は私も味見をしたけれど、やっぱり3食これだと、他の違ったもの、変わったものを食べたくなる気持ちはわからなくはないですよね。ここでの食事も、顔がイキイキしちゃった理由かもしれません。

Q:リハビリ病院の待機期間が3ヶ月程度ということで、その間、ショートステイを利用されることになりましたが、病院のベッドの空きができて転院されました。今回のリハビリはどのような目標なのですか?

松沢 脳出血から子宮頸がんになったんですが、がんになる前、脳出血になった段階で左片麻痺になり、かなりの重症で、自分で立って歩くことができなくなりました。車椅子生活になり、自分でベッドから車椅子に移れる、自分の足で車椅子を漕げる。退院した自宅では、車椅子で台所に行って、食器をなんとか洗える、そのぐらいのことしかできなかったんですが、また具合が悪くなって入院したらもう立てない。ここ1年はほとんど寝たきりでした。

リハビリ病院へ転院させた私の希望は、自分でベッドから起きて、車椅子に移り、自分で漕いでトイレに行き、用を済ますことができる。そして車椅子でベッドに戻って、寢ることができる。そういう動作ができるようになることが目標です。脳出血後も、がんになる前は普通にできていましたから。そこまで回復してくれたらいいなと思っているんですけれどね。

リハビリ病院を退院したら、自宅で生活するわけですが、私は仕事に行っているから、昼間は誰もいない。とくに私の仕事は、朝から夜までほとんど家を空けている時間が長いので、1人でやれるようになってもらわないと。
以前、自宅で転倒して動けなくなったことが何度かあるんです。トイレもそうです。車椅子に移動する時に失敗してしまって、倒れて何時間も動けないとか。近くに電話がある時には這って行って、隣県にある実家から家族が来て助けてくれたこともありました。そういうことが4〜5回ではきかないんじゃないかな。車椅子から落っこちたら最後、もう動くことができないから。

Q:介護認定は受けていらっしゃいますか?

松沢 要介護4です。

Q:ということは、訪問介護など介護保険のサービスを利用することによって、ケアを受けることができますね。

松沢 そうなんですが、(訪問介護は)使っていないんです。本人が嫌がるので。なんでしょうね、他人が家に入ってくることが嫌なのですね。マッサージなんかも、訪問のサービスがあるから利用するように何度か言ったのですが、本人が嫌がって使ったことがありません。(通所介護の)デイサービスだけはかつて1週間に2回程度、何年か通ったことがあるのですが。

次に退院して自宅に戻ることができたら、本人が嫌がらなければ、ぜひとも訪問介護は利用したいですね。そうすれば定期的に入ってもらえるから、不慮の事故があった場合に、なんとか対応ができるんだけれども。ただ、そういうのも本人次第だと思いますが。

リハビリをしたからって、すぐに良くなるというわけではないと思うけれど、せめて寝たきりになってしまう前の、車椅子や手すりを使って動ける状態になってくれれば十分です。自分らしくやっていく、そういう気持ちが一番大事だなと思います。
病院から「中沢」へ。一瞬で自宅に戻ったように感じたのです。

松沢三千夫さんのパートナー矢野信子さん ミニインタビュー


Q:リハビリ病院に入院中の矢野さんに、「中沢」のショートステイを利用された時のご感想をうかがいました。
一番印象的だったことを教えていただけますか?

矢野 長期入院した病院を退院した時、車で迎えに来てくれた家族に、「次はどこに行くの?」と聞けなかったんです。きっと遠い施設に連れていかれるのだろうな。車に何時間ぐらい乗るのかな。次の転院先にはどのくらいの期間いるのだろう……。いろいろ聞きたいことはあったんですが、何も聞かず、車の中でただただ不安で仕方なかったことを覚えています。

ところが遠いところへ行くと覚悟していたのに、自宅のある多摩市の見慣れた景色が見えて、車に乗ってすぐというくらいに目的地へ到着。「えっ? こんなに近くに療養できる場所があったの?」と驚きました。それまでの不安は薄れて、むしろ嬉しくなったのです。着いた先の「ゆいま〜る中沢」は病院ではなく、生活ができる場所でした。廊下やエレベーター、いろいろなところに手すりがあり、車椅子でも動きやすい。とてもいい環境で感動しました。病院から「中沢」へ。その一瞬で、まるで自宅に戻ったように感じたんです。

病院ではリハビリの時間以外は何もかもがベッドの上でした。治療する病院だから仕方ないのですが、動ける環境がなく、自由がないように思いました。「中沢」のショートステイを利用する時、まずスタッフの人に言われたのは、「ここでは自由にしてください」という一言でした。自分が自由に動ける環境があり、スタッフの人も「自由に」と言ってくださる。その言葉がとても嬉しかったし、愛をいただいたように思いました。愛が嬉しい気持ちになり、やる気に変わり、頑張りたいなという思いが私の中でどんどん大きくなったのです。

ここにいて病院とは違う生活をすれば、いつかは自宅に帰れると思いました。そんな矢先に、また別のリハビリ病院への転院が決まったという話を聞きました。本当は行きたくなかった。しばらく「中沢」で生活したかった。これが本音です。でも、自宅に帰るためにはリハビリをしなければなりません。「中沢」のスタッフの方から、「リハビリの専門家の指導を受けて、また元気な姿を見せてほしいです」と言われて、頑張ろうと思いました。

病院への転院に際して、スタッフの方は「さようなら」ではなく、「行ってらっしゃい!」と見送ってくださいました。その時、もっともっと頑張ろう、元気になって今度は「中沢」に遊びに行こうと思ったんです。いつか自宅に戻り、人の手を借りなくてもトイレや身の回りのことが何とか一人でできるように頑張ろう。そんな日のために私は専門病院に行くことを決断しました。

はなまるマーケットに取材されました!

9月16日(月)、TBSはなまるマーケットがゆいま~る那須に取材に来られました!

この日はちょうど台風18号が上陸し、早朝からの激しい雨と風。無事に取材クルーの方が到着するか心配をしていましたが、無事に到着され、一安心。

今回、はなまるマーケットの「将来の住まいを考える・最新住宅事情特集!」のコーナーの中の「進化するサービス付き高齢者住宅」にゆいま~る那須が紹介されます。“働く”にスポットが当てられます。

Kさんの蕎麦打ち、インタビューの撮影。力強くリズミカルに蕎麦を打つ姿に、取材クルーも感心されていました。

美容師のTさんは、居住者の髪をカットしている様子を撮影されました。

髪を切っていただいていた居住者のWさんは、レポーターから感想を求められると、「髪を切った後にデイサービスに行くと、みんなに褒められるの。髪を切ってもらうことは、Tさんとの心の交流でもあります。」と。心の交流という言葉が出てきたことに、スタッフも取材クルーもびっくり。

この日は、自由室でコロコロ積み木の作業もしており、3名の方が積み木用の木を磨いていました。3種類のヤスリを使って丁寧に磨いていきます。

磨き終わった木は、しっとりすべすべでいつまでも触っていたいようなさわり心地です。作業されている皆さんは、仲間と楽しく話をしながら、仕事をされています。

コロコロ積み木のお仕事は、まだスタートしたばかりですが、子どもたちが木のぬくもりを感じ、安心して楽しく遊べる、そして自然に思いを馳せられる…そんな存在に育っていけば嬉しいです。

悪天候の中、約1日をかけて行われた撮影もなんとか無事に終了。

取材クルーの方たちには「イキイキとしたみなさんの顔を見れて、取材してよかった!と実感です!」とのお言葉をいただきました。

私たちにとっては、当たり前の日常風景が、多くのメディアに注目されています。「自分たちが望む暮らし」を実現できる場が、ゆいま~るの暮らしです。

夕方には台風も過ぎ去り、とても美しい夕暮れが見えました。那須は、これでグッと秋が深まっていきます。

 

週刊朝日9/27号にゆいま〜る中沢が紹介されました

「今日発売の『週刊朝日』9/27号に、ゆいま〜る中沢が出てる!」と電話をもらい、台風が迫るなかですが、駅の売店まで走りました。

表紙に「ひとりで死ぬ準備 話題の『サ高住』って?」

ページをめくると、ありました! ゆいま〜る中沢にお住まいの方のお話とともに、ゆいま〜る中沢の写真(写真の右端)も掲載されています。取材を受けたのは8月のことでした。

サービス付き高齢者住宅が注目を集めていますが、私たちは「住まい」を提供するだけでなく、「住まい方」「暮らし方」を大切にしてきました。元気なときも、介護が必要になったときも、「自分らしい暮らし方」をして、「自分ができること」を続け、社会とかかわっていきたい。そんな思いを大切にしていきたいと思っています。

病気になったり、介護が必要となったときのために、地元の病院や診療所と連携して「切れ目のない」医療介護サービスが受けられる仕組みも整えてきました。

また、ゆいま〜る中沢に暮らす方だけでなく、在宅で最期まで暮らしつづけたいという思いを受け止めた仕組みにも力を入れています。ゆいま〜る中沢の中にある「介護保険外ショートステイ」はたとえば、「自宅で転んで骨折した。病院は3日で退院といわれた。このまま家に帰って生活するのは無理。看護や介護の見守りのある場所でリハビリを受けながら在宅復帰を目指したい」「要介護認定を受けていないが、体調が不安なので見守りのある暮らしをしたい」など、在宅で暮らしたいという様々な「希望」を受け止める居場所を目指しています。

多摩市初のサービス付き高齢者向け住宅のことを記事にとりあげていただき、少しで多くの方にゆいま〜る中沢を知っていただき、悩んでいる方のお役に立ちたい。そのように思っています。

ゆいま〜る中沢

〒206-0036東京都多摩市中沢2-5-3

フリーダイヤル 0800-800-7037

上野千鶴子さんと居住者との本音トーク

ベストセラー『おひとりさまの老後』の著者で社会学者の上野千鶴子さんが9月4日(水)、ゆいま~る中沢に来訪されました。

午後0時30分、ゆいま〜る中沢に到着後、上野さんはゆいま~る食堂へ。居住者のみなさんに「上野千鶴子さんとランチをご一緒しませんか」と事前に声をかけていたのですが、「上野さんのお話を聴きたい!」と14名の方がご参加されました。

この日の能戸シェフ自慢の「カロリーランチ」は、チキンの煮込み、ビジソワーズ、総菜にごはんとデザート。おいしい! そこで上野千鶴子さん

「ねえねえ、みなさん、今日のランチは特別メニューだったりする?」といきなりの突っ込み。

「毎日メニューは変わりますが、今日が特別ってことはないですよ」と居住者のAさん。ランチタイムは笑いからスタートしました。

上野さんの話を聞こうと集まったみなさんですが、上野さんの居住者への逆インタビューが始まり……。最初は、少し緊張した面持ちでしたが、インタビュー名手の上野さんの質問に、「ゆいま~る中沢の入居を決めた経緯」「ここでの暮らしの様子」などをどんどんお話をされていました。上野さんはそれぞれに、

「ねえ、ゆいま〜る中沢にきて、よかったと思ってる? 本音を聞かせて……」と。

その頃には場の雰囲気もすっかりやわらぎ、

「ほんとによかった。父は自分らしさを取り戻し、生気が蘇った」

「家を処分してきたので、最初の2週間は寂しくて泣いていた」

「マンションで一人暮らしでしたが、ここに来てからの方が活発。旅行が好きなのですが、生活コーディネーターがいるので安心して留守にできる」

「ペットと住めるというのが魅力だった」と話された方に、上野さんは「じゃあ、ペットと住めるなら、ゆいま〜る中沢でなくてもよかったの?」と質問。その方は「はい、そうです」と(笑)

などなどトークが続き、ふと居住者のおひとりがこう一言。

「上野さん、写真で見るより実物の方がかわいい!」

その場がどっとわいたことは言うまでもありません(笑)。とても素敵なお食事会となりました。

↑その後、ゆいま〜る中沢の1階にある「あいクリニック中沢」をご見学。院長の亀谷学医師が出迎えてくださり、上野さんは、

「あら、先生、こんにちは。その節はどうも」と(8月2日にパルテノン多摩で開催されたフォーラムで、お二人はご一緒されたばかり)。亀谷先生も笑顔。あいクリニック中沢は外来診療に加え、訪問診療で在宅を支えることにも力を入れ、体制を整備されていることに、上野さんは興味をもたれ、いろいろ質問されていました。

↑ゆいま〜る中沢のハウス内もたっぷりご見学いただきました。居室、共用スペース、介護保険外ショートステイなどを見学。古賀ハウス長(写真右)からゆいま~る中沢の暮らしの様子、サービス付き高齢者向け住宅の仕組みなどをご説明させていただきました。

↑また、在宅を支えるための「介護保険外ショートステイ」では、ランチに参加されていた方のご両親のお部屋を訪ね、

「こんにちは。さきほど、娘さんとお話しました。すてきな娘さんですね」と上野さん。

ご両親は「よくいらっしゃいました」としばし会話を楽しまれていました。

上野千鶴子さんの来訪は、昨年のゆいま〜る那須(栃木県那須町)、ゆいま〜る聖ヶ丘(多摩市)、ゆいま〜る多摩平の森(日野市)、ゆいま〜る伊川谷(神戸)に続き5つめです。

それぞれのゆいま〜るで、居住者がそれぞれ自分らしく、仕事をしたり、趣味を楽しんだりする参加型の暮らしをご覧いただいてきましたが、ゆいま〜る中沢では、在宅を支えるための仕組み(介護保険外ショートステイ)も見ていただくことができました。

上野さんの優しい眼差しと楽しい会話にハウススタッフ一同、たくさんの元気をいただきました。

 

 

ようこそグループハウスへ!歓迎会開催

妻が入院され、ひとり暮らしになってしまったKさんがグループハウスを体験利用をされました。

体験利用というのは、グループハウスでの生活が、どのようなものか、実際に宿泊し知ってもらい、また、ハウス側としては、どのようなサポートが必要か見極めるためのものです。

他の居住者の方々への紹介を兼ねて、食事会を開きました。Kさんと娘さんを囲み、趣味や故郷の話、関東大震災の経験(!)のお話もあり、あっという間に2時間が過ぎました。Kさんや娘さんもハウスにお住まいの方たちが、ご自分のペースで楽しそうに暮らしている様子を見て、聞いて、「良かったわ。お部屋のドアを開ければ、誰かがいてくれる。その安心感がいいですね。」とおっしゃっていました。

グループハウスは、若者の間でも流行りのシェアハウスのようなところです。

ご自分の部屋があり、また共有スペースには24時間スタッフがいて、必要に応じてサポートします。居住者の方たちの交流も、その日、その方のペースでされています。「たまには、ガヤガヤ賑やかに食事をするのもいいわね。次の企画が楽しみね。」と声掛け合っていました。

Kさんは、そのまま本契約となり、新生活も軌道に乗りつつお過ごしいただいています。

ゆいま〜る食堂と草むらの会「畑deきっちん」

ゆいま〜る中沢がオープンしてからまもなく半年を迎えます。私たちは、地域に暮らす方々の「居場所」「拠点」を目指し、1階にある「ゆいま〜る食堂」は地域の方々にもご利用いただいているところですが、ひとつ残念なお知らせがあります。

オープン以来、ゆいま〜る食堂の運営を担ってこられた「NPO法人多摩草むらの会」さんがこの7月末日をもって運営を辞退されました(ゆいま〜る食堂は現在、弊社スタッフを中心に、通常通り営業しています)。

9月3日、代表理事の風間美代子さんとお会いしていろいろお話しました。私たちは、地域で障がい者の就労支援に取り組んでこられた草むらの会さんの存在を大切に思っていること、「支え・支えられ」の連携が十分にできなかった課題を今後に生かしたいといった思いをお伝えしました。

風間さんからは障がい者の就労支援事業にかける熱い思いをうかがいました。

「私たちは障がい者就労支援事業所として、収益性など高いレベルの運営が要求されるA型事業所の登録(最低賃金を保証した労働契約を締結する、週31時間以上勤務)を目指してきました。8月30日に、ココリア多摩センター6階レストラン街に『畑deきっちん』をオープンしたのもその夢の実現のためです」と風間さん。

↓「畑deきっちん」

ココリア多摩センターにオープンした「畑deきっちん」にもうかがいました。直営工場(夢畑)の地場野菜を中心にした食材で作られたお料理、甘味・デザートなどがいっぱい。おいしくいただきました。

「ゆいま〜るの居住者さんたちやスタッフに畑deきっちんのことを伝え、みんなで食べにきますね」と風間さんにお伝えすると、とても喜んでくださいました。

多摩の地で、高齢者も障がい者も子どもも、尊厳を守られ、自分らしく、安心して暮らし続けるまちづくりに向け、形は変われどこれからも共に支え合っていきましょうと手を握り、確認しました。

ココリア多摩センター6階にある「畑deきっちん」にて。代表理事の風間さん(右)。左は、開店のお祝いにお花をもってかけつけた社団法人コミュニティネットワーク協会の近山恵子理事長

「モデルなき挑戦へ」天本宏理事長に聞く

ゆいま〜る中沢は、新天本病院の隣にあります。同病院の創立者で、医療法人財団 天翁会の天本宏理事長にお会いして、「ゆいま〜る中沢への期待と課題」をうかがいました。

 

ゆいま〜る中沢への期待と課題 天本宏理事長からのメッセージ

多摩市中沢エリアは、医療・介護・高齢者の住まいという地域包括ケアシステムへの資源がほぼそろった素晴らしい場所です。そのなかで、ゆいま~る中沢の介護保険外ショートステイはまさに「モデルなき挑戦」を始めています。天翁会とコミュニティネットの「協業」で、共通の理念「高齢者の安心の創造に寄与する」に向かい歩み始めているといっていいでしょう。

今、大事なことは、個別のケースはすべて背景も状況も違うことを念頭におき、1例1例、ケースカンファレンスを重ね、アクションプランをつくり、チャレンジすることです。

私は病院のスタッフにいつも「ハートワーク、ヘッドワーク、フットワーク」が大事だと伝えています。ヘッドワークとは科学性のことです。コミュニティネットともこの考えを共有し、信頼の創造をしていきたいですね。

今、中沢に問われていることは、中沢にある様々な資源を切れ目のない連携、統合化すること。中沢地区には、急性期病院、慢性期病院、老健、リハビリ施設、クリニック、訪問看護、地域密着型サービス、介護保険外ショートステイ、高齢者の住まいが整備されています。これらを一体化し、システム化し、組織化することが必要です。

1つの目標のもとに進めるトレーニングを積み、協働すること、情報を共有化すること、そして、機動力のあるシステムを作り、補完しあうことで、相乗効果が生まれます。情報共有とスピードをめざし、ゆいま~る中沢とコミュニケーションを密にして取り組んでいきたいと思います。

課題は、個人情報の共有化です。利用者の個人情報を守るという立場は理解しつつも、情報が不足していると初期救急対応が後手になりかねません。制度や法律の仕組みがあるから、ダメという態度は改め、患者のため、利用者のため、高齢者のためを第一に考え、どうしたら実現できるかを考えましょう。

制度や法律がニーズや実態に即さないのであれば、それを変えるよう働きかける姿勢を持ち、柔軟に取り組みましょう。

そして、過剰な期待を相互に持たず、それぞれが自立しながら協業していくことです。不信感、不安感をキャッチするアンテナを持つことも欠かせません。

何より大切なことは、ケアの技術の習得。介護現場のスタッフの定着率の低さはどこも共通の課題ですが、利用者からするとスタッフがいつも変わるのは不安です。互いが「見える」関係性を築き、人間関係と信頼関係を構築していきたいと願っています。

 

↓ゆいま〜る中沢オープン記念式典(2013年3月)にて挨拶される天本宏理事長

↓ゆいま〜る中沢にある「介護保険外ショートステイ」。退院後に自宅に戻るまでの間、利用される方や、リハビリを受けながら在宅復帰を目指す方など多様なニーズに応える「居場所」を目指しています。