「施設」ではなく、「引っ越して」今までどおりの暮らし
ゆいま~る福
菅谷千枝子さん(75歳)
大阪市内のマンションで一人暮らしをしています。生涯暮らすつもりで、60歳の時には車いすでも暮らせるように、廊下を広くしたり、トイレやお風呂を使いやすくしたり、家をリフォームしたんです。でも、ボランティア活動で特別養護老人ホームを訪問するうち、何かあった時はどうしようと不安になりました。独り身ですし、姉妹が近くに暮らしていますが、迷惑をかけられません。高齢者住宅や施設へ入ることを考え始めたんです。
働けるうちは仕事を続けたいので、大阪南部への移動が便利な場所を探していたら、奈良の有料老人ホームにたどり着きました。3度ほど見学に行き、入居者の話も聞いて、利便性も雰囲気もよかったので「入居するならここ」と思ったものの、100歳まで生きることを想定して、今後の必要経費を計算すると生活に余裕を持てそうにありません。決めかねていたところに、高齢者住宅情報センターから「ゆいま〜る福」を教えてもらい、説明会に参加しました。今後の必要経費を計算しても十分に生活が成り立ちますし、何より「施設に入る」ではなくて、ここに「引っ越してくる」だけで、これまで通りの生活が維持できることに魅かれました。
「サービス付き高齢者向け住宅に入る」と話すと、友人から「どんなサービスが付くの?」と聞かれます。「元気な時は今と同じ。ただ何かあった時に支援してもらえるのよ」と話します。万が一の時はもちろん、普段の生活での困り事も助けていただけるのでありがたいですね。ここでの生活が始まった、友人を招待して、こんな選択肢もあるということを知ってもらえたらいいなあと思っています。
(「福町通信」10号より転載)