ゆいま~る大曽根ブログ

人生100年時代の「お金の守り方」セミナーが開かれました


ゆいま~るセミナー

「おひとりさまの老後マネーの守り方

 ~ポイントは身元保証と任意後見人~ 」

講師: シニア総合サポートセンター名古屋支部 天野敬人さん

場所: ソーネホール(1階「ソーネおおぞね」内)

 

人生100年時代、いずれ誰でも「おひとりさま」になります。もし自分で判断が出来なくなったとき、あなたは誰に自分の意志を託しますか? 介護が必要になっても、認知症になっても、自分らしく暮らすために、自分の意志を実現してくれる人が必要となります。一般社団法人シニア総合サポートセンターの天野敬人さん(行政書士・社会福祉士)に、わかりやすくお話いただきました。

現在、100歳以上は7万人!

日本の高齢者人口は伸び、最新データでの平均寿命は、男性81歳、女性87歳。まさに、人生100年時代です。100歳以上の方、どのくらいいらっしゃると思いますか? 1963年には153人でしたが、1980年代に入ると1000人を超えます。ちょうど、「きんさん、ぎんさん」ブームのころです。最新データでは、なんと7万人。人口1億人の中の7万人ってすごいと思いませんか?

さらに、90歳まで生きる確率は、男性25.8パーセントで4人に1人、女性50.2パーセントで2人に1人。今、90歳の方の平均余命は、男性4.25歳、女性5.61歳で、まだ5~6歳存命するわけです。自分が100歳まで生きないというわけにはいかない時代なのです。

そこで問題になってくるのが、認知症です。現在認知症予備軍と言われている人は、高齢者3500万人のうち、700万人(2013年)。65歳以上の方で5人に1人は認知症といわれています。100歳まで医学・環境の変化で生きる時代だけれども、認知症になる確率も高くなっているのです。

自分が何歳まで生きるのか――自分のことは自分で決めておかないと難しい時代です。昔は、三世代同居が当たり前でした。私も祖母がいて、親がいて、きょうだいがいて、という暮らしでした。しかし今は、子どもが遠くで働いているとか、海外にいる場合もあります。最後まで自分らしい人生を送るために、自分の意思を実現してくれる人は誰か。ざっくりですけれど、たとえば、「ゆいま~る」のような高齢者住宅に住み替える、介護を受ける、入院する……と人生が終わるまでを考えると、いろいろな人と関わらざるを得なくなるかなと思います。

 

身元保証人を頼まれたAさん

私たちが支援をさせていだいた方の事例を追いながらご説明します。仮にAさんとします。定年退職後、すぐに自立型の高齢者向け住宅に入居されたおひとり様の女性です。海外旅行をしたり、本が好きな方で文化的な暮らしを楽しまれていました。しかし、だんだん年を取ってきて、身元保証人が先に亡くなってしまったということで、Aさんの施設からの紹介で2年前にお会いし、私どものセンターが身元保証人になりました。お会いした時は人に対して拒否も強く、コミュニケーションとるのが難しい方という印象でした。施設からヒアリングした結果、現金管理は出来ているとのこと。何回か訪問させてもらった感じでは、お財布にはきちんと並んでお札が入っているし、お買物もできている。この時は、印鑑登録手帳、実印、通帳の保管場所確認をさせていただきました。

約半年後、ヘルパーさん、宅配の方など、いろいろな方が出入りされるので、ふだん鍵がかかっていない状態で不安だと相談がありました。通帳と印鑑が同じ場所に入っているのが怖いということで、実印、通帳、印鑑登録手帳をお預かりさせていただくという契約をしました。そのうち、1万円で支払ったおつりが出しっぱなしになっていることが見られるようになりました。

そして、ヘルパーさんからの情報によると、どうも食事をとられていないのではないかというのです。冷蔵庫にヘルパーさんが買ってきたものや、宅配のものがそのまま入っていると。これまでは要支援2の認定を受けていました。週2回のヘルパー、デイサービスを利用して生活してきていたのですが、これではお一人の生活は難しいと判断し、介護認定を見直したところ要介護2となりました。ご本人の希望は、ここでずっと暮らしたいということでしたので、ヘルパーさんが毎日朝夕2回、入るようになりました。

 

本人が忘れていた貯金を見つける

このころ、Aさんからの依頼で「任意後見契約」を締結しました。だんだん、Aさんに認知症の進行が見られるようになり、私たちは、将来的に自立型の施設での生活は限界があると考え、Aさんに合った施設を並行して探していました。そして、去年の8月、Aさんは介助中に尿失禁を繰り返してしまったのです。施設の方もびっくりして、お盆シーズンで人手も手薄だし、このままでは困ると連絡を受けました。急きょ入居先を探し、緊急で5日間だけ預かってもらえることになりました。

拒否の強い方だったので、共同生活は不安でしたが、食事もとられて、意外になじんでいました。これまでの自立型高齢者住宅では「このまま住むのは難しいのでないか」と言われていたので、こちらの施設に正式に入居することになりました。

問題はお金です。年金も潤沢ではなく、貯金から崩すしかないと考えました。整理業者に頼む前に、お部屋に入らせて頂きました。Aさんの資産として私たちが把握しているのは通帳2通でしたが、お部屋を整理してみると、趣味で集めた大量の切手や、いわゆるタンス貯金でしょうか、現金が、10万、20万と出てきたのです。ここからお財布に入れていたんだと納得しました。500円玉貯金もしていて、合計30万円程。旧札も4~5万円ありました。ドル、ユーロ、バーツ、ルピーなどあらゆる国のお金や、趣味で集めていた未使用のテレホンカード150枚も出てきました。さらに、預金通帳がカバンから出てきたのですが、記帳してみたら残高が2000万円を超えていました! これだけの資産があれば、十分新しい施設で暮らしていけるということになりました。認知症になると自分にこれだけの資産があることを忘れてしまうのです。あらためて独居の方が認知症になるというリスクを感じました。

今もその施設に入っておられますが、食事は1日3食とられてレクリエーションも楽しまれ、好きな本を読んだりして、頭も体もとても元気になりました。Aさんは、かつて文化センターに通い、趣味も多く、海外旅行を楽しまれ、悠々自適で積極的な人生だったようです。しかし、Aさんの思いとしては、「こんなに長生きするとは思わなかった」「自分が認知症になるなんて思ってもみなかった」というのが正直なところではなかったでしょうか?認知症が進む前に、私どもと任意後見契約を締結しておりましたので、財産管理をAさんに代わって出来る権限を得ることができました。その結果、ご本人も忘れていた通帳など、正式に照会することができ、他にも財産があることがわかったのです。

 

元気なうちに考えたい後見制度

このように、認知症などになって判断能力、お金の管理能力がない、契約を結ぶ能力が不十分の場合、その方の代わりに管理したり契約を結んだりする人を後見人といいます。大きな役割は以下の二つです。

1.財産管理(お金や不動産などの管理)
2.身上監護(質の高い生活の支援)

さらに、後見には二つあります。
1.任意後見(自分で選ぶ)
2.法定後見(裁判所が決める)

1はまだ自分で判断できる段階で、任せたい人を自分で決められます。家族、信頼できる方、私どものような法人など、自分で選ぶことができます。2は認知症などになった時など自分で判断できなくなった場合です。本人が認知症などになった後に判断能力が低下してしまった場合、家族が家庭裁判所に申し立て、家庭裁判所が後見人を決めます。その場合、7割が司法書士や弁護士など専門職の後見人が選ばれます。親族による後見人の選任が減っているのは、親族を後見人にすると、後々相続でもめるケースが多く見られるというのがその理由の一つだと言われています。

ポイントは、自分で判断できるうちに、後見人を決めておいたほうがいいということ。Aさんの場合も、認知症になる前からのお付き合いで、性格や嗜好、たとえばベジタリアンであるとか、喫茶店でコーヒーを飲みながら本を読むのが好きとか、私たちはAさんのことをよく知ることができていました。まったく知らない専門職の人がある日突然後見人になった場合、食事のボリュウムがあってよいとか、新しくてよいという自分の価値観で施設を決めてしまうケースが多いと言われていますで。しかし、それが本当に本人にとって最善の選択なのか疑問が残るところです。

Aさんの場合は、ご本人の希望がわかっていたので、食事はなるべく肉・魚抜きで、大豆や豆腐などを取り入れていただくよう施設の方にお願いしました。今は笑顔も多くなって安心して暮らしています。引き続き、Aさんの意向に沿った生活ができるように支援をさせて頂いています。

終活という言葉があちらこちらで聞かれると思いますが、まだ早い、まだまだ大丈夫という方が多いのが現状です。ただ、私たちが支援していく中で感じるのは、まだ早いかな、というくらいのタイミングがちょうどいい、はじめ時だということ。お元気なうちにぜひ、考えてみてください。

 ※定員30名を上回る参加者で大盛況でした。今後も「ゆいま~るセミナー」では皆さんの関心のあるテーマを取り上げていきます。ホームページの見学会情報でお知らせしていますので、皆さんのご参加をお待ちしております。

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