ゆいま~る福ブログ

開設記念式典① 株式会社VANS社長 木村よしひろさんのお話「ゆるやかな大家族のような空間」


2016年11月1日、ゆいま~る福の開設記念式典が行われました。

設計を担当してくださったのは、株式会社VANSの木村よしひろ社長。開設準備時期から、「ゆいま~る福をつくる会(*)」に参加し、入居予定者の皆さんの要望をていねいに聞きながら、いっしょに「福」をつくりあげてきた1人です。記念式典でお話された木村さんのご挨拶を中心にご紹介します。

 皆さんと話し合いながら

設計を担当しましたVANSの木村です。

「ゆいま~る福をつくる会」に参加させていただきながら、入居予定の皆さんとともにどういう建物にしていこうかと話し合い、一緒につくらせていただきました。

この建物には、ふたつの大きな軸があります。1つは、出来上がったものを「どうぞお使いください」ではなくて、皆さんが自分の住まいをつくるという意識の中で、入居に向けて一緒につくっていくということ。もう1つは、地域とつながっていく建物にするにはどのような設計にするかということです。

 3棟の真ん中に「中庭」をつくって「つながる」場に

具体的に、どのように工夫したか、お話したいと思います。

全体図をご覧ください。

中庭を囲んで、A棟、B棟、C棟と3つの建物が囲んでいるのが特徴です。このような設計が可能なのは、南側は公園、東側は小学校、西側は大野川緑陰道路と、北側以外はすべて開放的になっているから。この好立地を最大限に生かすということで、周辺の緑をお借りし、室内に取り込むような形にしたいと考えました。

そして、真ん中にあいた空間で、中庭を作り、その空間で皆さんが集える場所にしていこうというのが、大きなポイントになっています。

この中庭は、「木(き)っかけの庭」と命名しました。季節ごとにいろいろな花が咲いたり、実がなったり、年間を通じてここの植物をきっかけに、入居者の皆さんや地域の方々とのコミュニティが広がっていけたら、という願いが込められています。

また、A棟にある「ゆいま~る食堂」も地域に開放して、ここを拠点に周辺住民の皆さんとのつながりを強めていけたらなあと思っています。

 ぬくもりのある木造家屋で、お手ごろ価格

ゆいま~る福は、木造の3階建て。一般的には耐火建築構造にしなければならないのですが、ここは周辺に空きをたくさん作れる敷地条件なので、準耐火構造と木質感が残せる防火構造でつくることが可能でした。断熱性・通気性がよく、軽いので地震エネルギーを受けにくい上、コストも抑えられ、手ごろな価格設定にできたのも大きなポイントになっています。

内部に関しては、なるべく木そのものを使って木質感を重視しました。フローリングは無垢のカラマツを使用していますが、一般のフローリングも可能です。入居者のご要望に応える形です。

また、キッチンの流しの高さを調節したり、壁紙の色も変えたりと、個別スタイルにしています。入居者の方のいろいろな要望に応えて、それぞれ個人に合わせたお部屋となっています。

入居者の方との「つくる会」の中で、うれしかった言葉があります。それは、だんだん出来上がって建物を一緒に見たとき、「ゆるやかな大家族のような空間ができたね」と言われたことです。非常にうれしかった。

ゆいま~る福が、福町の地域の拠点となるといいなあと思っています。

 

(*)ゆいま~る福をつくる会:入居予定者、地域住民、スタッフ、設計士など、かかわる人たちすべてが、どのような住居にするか・どういうコミュニティをつくっていくか、意見を出しあう会。すべてのゆいま~るシリーズでおこなわれている。主催は一般社団法人コミュニティネットワーク協会。

 

(2016/11/1 「ゆいま~る福」記念式典でのあいさつより抜粋。一部「福町通信」より抜粋)

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