ゆいま~る大曽根 暮らす人びとの声

60代で転居、団塊の世代が押し寄せる前に決めました


67歳で「ゆいま~る大曽根」に転居されたAさん。この年齢で高齢者住宅に転居したきっかけは、定年を迎える65歳のときに親しい方が孤独死を遂げたことでした。そして、「団塊の世代全体が後期高齢者になって高齢者住宅に押し寄せる前に」という思いにも背中を押されました。今回の転居を機に、自分が亡くなったあとのことまで託せるNPO法人と契約を結んで安心を確保。できるだけ長く元気に自分を律して楽しむ生活を続けたいとおっしゃいます。どのように老いていくのかは未知の世界だけれど、「ゆいま~る大曽根」にいる諸先輩が道しるべになってくれるだろうと期待されています

Aさん(68歳、女性)、2019年12月頃から「ゆいま~る大曽根」中心の生活にシフトした。旅行、カメラ、楽器演奏など趣味は多彩。

■65歳定年前後に、“老い”の問題を身近に感じた
1月生まれなので68歳になったばかりです。「ゆいま~る」の中では若手ですね。昨年(2019年)の夏にカギを受け取りましたが、前のマンションから徐々にものを移して、ここ「ゆいま~る大曽根」中心の生活になったのは昨年12月あたりからです。前のマンションからは瀬戸線に乗れば15分程度で大曽根駅に着く。近いのです。今も、毎日前のマンションに通って片づけています。ついついテレビを見る時間の方が長くなっちゃたりするのですけれど。

前は、老後のことを考えるのは70歳を過ぎてからでもいいだろうと思っていました。でも、定年になる65歳になった頃に、ぐっと身近な問題に感じるようになったのです。親しい人が、いわゆる孤独死、家でひとりで亡くなってしまったのです。私よりひと回りくらい上の方なのですが。その頃、大杉漣さんとか突然亡くなる方の報道が続いたのです。私は、いわゆる親・きょうだいがいない状況なので、そういうのは嫌だなと思いました。そのころNHKや東海テレビで「ゆいま~る大曽根」が報道されて、そんなことから1回のぞいてみようかと思ったのがきっかけですね。

それともう一つ。私は昭和27年の早生まれで、いわば団塊世代のシッポの年代です。団塊の世代が山となっているので、昭和26年生まれで線引きされて制度が変わるようなことを何度も経験し続けてきました。そして間もなく、団塊の世代がまるごと後期高齢者になる。「うかうかしていると、私の行くところがなくなるジャン!」と思ったのも今回の転居のきっかけになっています。

■フロントがあると、出かけるときに「行ってきます!」という感覚になります
前のマンション暮らしは良く言えば独立性が高いのですが、隣は何をする人ぞという感じ。交流があるわけではないから、何かあってもひとに頼みにくい。「ゆいま~る」に住んでからは、フロントとかに顔を出すと、自分より年上のお姉さまがいっぱいいらっしゃる。職場では定年に近くなると年下の人ばかりになってきて、だんだん疲れていきます。でもここでは、しっぽについて楽じゃないですか。

出かけるときには、フロントのあたりを通ります。フロントに入らなくても、向こうにスタッフの方の顔が見えるのはいいなと思います。なんとなく「行ってきます!」という感じになります。それに毎朝、着替えて顔を洗って髪も整えて木札をフロントに届けに行く安否確認は、一日の時間の区切り、メリハリがついていいですよね。

■築45年だし不便なことも
ただ部屋は、なんといっても築45年なので前のマンションと比べるといろいろあります。前と同様にコンロがIHだったらよかったと思います。でも今のアンペア数(30アンペア)では無理ですね。それと、前はオール電化だったので蛇口をひねるとお湯が出てきましたが、今はガスに点火しないといけない。慣れてしまっているのでちょっと不便です。

さらに欲を言えば切りがないのですが、サッシのガラスがちょっと薄い。外でクルマのドアがバターンと大きな音で閉まると、サッシのガラスがビリビリッと音を出したりします。飛行機が1日に2回、朝と晩に飛ぶのも気になっちゃいます。趣味で月に2回、楽器を習いに行っているのですが、どのくらいの音量までなら近隣に迷惑をかけないか分からないので、まだこの部屋では思い存分に弾くところまではしていません。それと、サッシのカギの構造が実家や前のマンションとは違うことも気になります。

■モノがどんどん増えて・・・、実家の片づけは業者に依頼
それにしても暮らしているとものが増えますね。私は、前のマンションに12年か13年住んでいました。その前は一戸建ての実家に父と住んでいたのですが、その父がいよいよで介護付きの高齢者住宅に移ったとき、一人で戸建てに住むのは怖くなってマンションに移りました。そこは3LDKで80平米くらいの広さがあったので、実家にあったものをそのまま持ってきて、さらに新しいものも増えて、もうどうしようかというくらいものが増えてしまいました。これは、もう箱を小さくするしかないなと―――これも今回の転居の動機の一つでした。

モノを片づけるのは、本当に大変ですよね。前のマンションは、まだ片付けが終わっていません。実は実家は、最後は専門の業者に頼んで片づけてもらいました。ある程度、見られたくないものはシュレッダーで処分するなどしてから頼んだのですが、見事にチリ一つ残らない状態にしてくれました。もぬけの殻、まっさらにしてくれました。数10万円の経費はかかりましたが、40数年間住んでいたのですから、仕方ないですね。

■亡くなったあとまで託せるNPO法人と契約しました
一番近い血縁者は今やいとこなのですが、それにしても私が一番年下なのです。順番からすれば、私が一番最後かもしれません。だからといって、いとこの子どもに自分の後始末を頼むわけにもいかないし、今回の転居を機に私が亡くなったあとのことも託せるNPO法人「りすシステム」と契約しました。

こうした業者はいろいろあってどこがよいか分かりにくいので、ゆいま~るの入居相談員にも相談しました。そのうえで自分でインターネットで調べました。そして、「りすシステム」の“契約家族”という考え方に共感しました。契約者に対して、普通なら家族がすること(身元保証や生活補助、死後の始末まで)を本人の必要に応じて提供してくれるサービスと理解しています。

■未知なる「老いの道行」はゆいま~るの諸先輩を道しるべに
これからも、今のペースで生活を維持できたらいいなと思います。学生時代、あるいは仕事に就いているときは、何時にどこに行って、何時に何をして、みたいなことがほとんど決められていて、その通りに動いていけば回っていく生活ですよね。でも今はそういうシバリが全然ないので、自分で自分を律していくしかない。自分の手綱の締め具合でいかようにもできる生活。自分で組み立てて、自由もありという生活を、できるだけ長く続けたい。

ただ、それをいつまで続けられるのかなぁとは思います。私には祖父母の世代といっしょに暮らした経験もなく、ひとがどのように老いていくのか分からない。ここでは、フロントに行けば上の世代がいらっしゃるので、参考にさせていただけるだろうと思います。学校なら教えてくれる先輩がいる。だけれども、どのように老いていくのかは、(今のように寿命が延びた時代の老いは)みんながこれから初めて経験するようなものです。ゆいま~るの先輩を道しるべにさせていただきたいと思います。

 

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