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「ゆいま~る神南」で最期まで暮らしたら―――介護や葬儀も含めて総経費をシミュレーションしてみた


たとえば79歳で「ゆいま~る神南」に入居し、96歳で亡くなるまで暮らしたとき、総経費はいくらかかるでしょうか。2020年6月30日に開催したゆいま~るセミナー「あなたの老後資金は大丈夫? みんなで考える生活設計」で、講師の朽木瑛浩さん(一般社団法人 いきいきライフ協会 名古屋 代表理事)がシミュレーション結果を見せてくださいました。87歳で要介護度3の認定を受けて介護サービスを利用し、身元保証等は親族ではなくいきいきライフ協会に依頼し、葬送支援(葬儀や納骨、法要等)も同協会に委託するとしました。その結果やいかに!

講師の朽木瑛浩(くつき あきひろ)さん。一般社団法人 いきいきライフ協会 名古屋 代表理事。

人生100年時代、最期を迎えるまでに、いくらかかるのか。現在の資産や年金等の収入で足りるのだろうか―――気になるが、なかなか計算できないものです…。

2020年6月30日に「ゆいま~るステーション名古屋」で開催したセミナー「あなたの老後資金は大丈夫? みんなで考える生活設計」では、講師に一般社団法人 いきいきライフ協会 名古屋 代表理事の朽木瑛浩(くつき あきひろ)さんを迎え、セミナーの後半では具体的な条件を仮定して収支シミュレーションを行った結果を紹介していただきました。いわゆるライフプラン、ライフシミュレーションです。ここでは朽木さんのご了解をいただいて、そのシミュレーションの前提と結果を再掲します。

※セミナー当日のシミュレーションとは一部の条件や表記を変更しています。たとえば生活費は月額5万円ではなく10万円とし、「ゆいま~る神南」の家賃は一括前払いではなく月額の支払いとしました。

 

シミュレーションの前提

岡林サチさん(仮名)は79歳で2020年に「ゆいま~る神南」に単身で入居。預金は2000万円、それまでに住んでいた一軒家は解体して土地は売却します。年金は月額14万円。未来の想定として入居から10年後の89歳で要介護度3となりますが介護型の高齢者住宅に転居することなく、外部の介護サービスを利用しながら96歳で亡くなるまで「ゆいま~る神南」で暮らすとします。また、子どもなど親族のサポートはなしとし、亡くなったあとのサポートまでをいきいきライフ協会 名古屋に委託するものとしました(前提条件の詳細は下掲)。

※一般社団法人 いきいきライフ協会 名古屋は、施設入居時・入院時に必要な「身元保証サポート」や、緊急駆けつけ・入院支援などの「緊急サポート」、葬儀・納骨・遺品整理などの「死後事務サポート」を請け負う。サポートの内容はちら<<リンク>>、料金表はこちら<<>>。

シミュレーションの前提は下表の通りです(拡大図のダウンロードはこちら)。それぞれの項目ごとに説明します

①現金預貯金
預金は2000万円です。

②その他資産
転居の翌年2021年に、これまで住んでいた一軒家は解体し、土地は売却します。土地は1000万円で売れますが、仲介手数料が36万円、家の解体費用として200万円がかかり、土地売却によって差し引き764万円が預貯金に加わります。

③年金
年金は月額14万円、年額168万円。シミュレーションでは、これが年に0.1%減額されるとしました。

④収入
年金以外の収入はゼロです。

⑤支出
生活費は、月に10万円としました。ここでの生活費は、⑥~⑨の経費は除いたものです。食費や光熱費、交通費、税金、医療費、交際費などです。

⑥ライフイベント
生活費とは別に、86歳までは毎年国内旅行の経費として10万円を見込みました。

⑦高齢者住宅(ゆいま~る神南)
「ゆいま~る神南」の家賃は部屋によって違いますが、ここでは月額家賃を7万7700円の部屋と仮定しました。共益費と生活サポート費はそれぞれ5000円と3万3000円です。

⑧介護
入居して8年目の87歳のときに、要介護3になると仮定しました。「ゆいま~る神南」では介護サービスは提供しませんが、外部の事業者の介護サービスを利用して住み続けることは可能です。介護サービスの経費は月に21万4990円(年間257万9880円)ですが、介護保険の自己負担割合は1割として、支出は月に2万1499円(年間25万7988円)となります。

⑨終活(いきいきライフ協会 名古屋に依頼)
子どもなどの親族に頼ることなく、身元保証や死後の事務サポートはいきいきライフ協会 名古屋に依頼する契約を結ぶことにしました。「ゆいま~る神南」入居時に契約し、初年度は契約時にかかる経費83万4000円と定期訪問(年間3回)1万5000円を合わせて84万9000円かかります。身元保証料4万8000円と定期訪問1万5000円は毎年必要となり、さらに5年ごとに更新料が20万円かかります。96歳で亡くなるとし、葬儀・納骨・法要等に165万円、この年にちょうど更新料20万円もかかるので、最終年の終活費は191万3000円となりました。

※上記の終活経費は、あくまで一例です。実際には相談しながら個々のメニューを決めていきます。一般社団法人 いきいきライフ協会 名古屋では初回の相談は無料で受けているとのことです。

 

シミュレーションの結果

結果は、下表のようになりました(拡大図のダウンロードはこちら)。

「ゆいま~る神南」入居2年目の80歳のときに自宅の土地を売却して預金が2590万円程度になって、年金月額14万円程度の収入で暮らします。そして96歳で亡くなり、葬儀も納骨も終えたところで、預金通帳には458万円が残るという結果でした。計算上は、まだ3.7年を暮らせる金額です。おそらく100歳を迎えることも可能だった資産を残したことになります。

なお今回のセミナーでは最後に、高齢者が漠然とした不安を解消して後顧の憂いなく暮らしを楽しむには、こうしたライフプランの作成に加えて、「認知症などで判断能力が低下する場合に備えて、後見人になってくれる人を探しておく」、「身元保証人になってくれる人を探しておく」、「終末期医療について考える」、「遺言書を作成する」、「死後事務を頼める人を探しておく」といった対処が必要ですというお話をいただいてセミナーを終了しました。

 


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