ゆいま~る多摩平の森 暮らす人々の声

健康の秘訣は「あえて不便な暮らし方」


インタビュー時につけていた手作りマスクがとても素敵だったTKさん。「なければ作ればいい」の精神で、東日本大震災のときも、納豆が手に入らなくなり手作りされたと言います。あえて不便な暮らし方をすることで、健康を保っているTKさんの日常をご紹介します。

散歩を楽しむTKさん

TKさん(女性・78歳) 2012年4月入居

――ゆいま~る多摩平の森がオープンして半年後からこちらにお住まいになっていらっしゃるTKさんですが、気に入っているところはどこですか。

「環境がいいところです。空が広い、緑がいっぱい。便利な立地で、どこにでも出歩けるところが気に入っています」

――毎日をどのように過ごされているのでしょうか。

「私の願いは、健康でいたいということです。なので、コロナ前は、すぐそばにあるスポーツジムに通うのが日課でした。ジム通いを中心とした生活で、週3~4日は通い、その日によりますが、5時間くらいトレーニングをしていました。プログラムがあって、それを消化しつつ、個人で筋トレをしたり、有酸素運動をしたりと組み合わせていると、結構時間がかかるのです。
通い始めて、体脂肪は半分に減りました。筋肉が増えたのです。年を取っても鍛えると筋肉って増えるのですね。インストラクターの人も喜んじゃって。私も、いろいろ数値が出てくると、もっとがんばろうと励みになりました」

――コロナが流行してからは、ジムには通えなくなりましたか。

「そうです。やることが無くなってしまいました。
そこで、ジム通いのかわりに、散歩をよくするようになりました。人のいないところを歩けば感染の危険がないわけですから。
3月、4月ごろは、日中10キロ近く歩いていました。近くに散歩コースはたくさんあるんですよ。日野市が発行している『ウォーキングマップ』を利用していますが、これまで知らなかったスポットなど新しい発見があります。
コロナ流行前にも散歩はしていましたが、ジムに行けなくなってからは、ますます歩くようになりました。最近は暑いので、朝ではなく、夕方以降、涼しくなってから歩いています」

日野市内の散歩コースが楽しめる。日野市発行のマップ

――夕方の散歩まではどのように過ごされていますか?

「コロナ禍になって、新聞を非常によく読み込むようになりました。以前は、見出しを追っていくくらいだったのですが。
読書時間も増えましたね。マスクを作ってみたりもしました」

「なければ作ればいい」素敵なマスクたち

――手作りですか? (インタビュー時に着けているマスクを見て)とても素敵ですね。

「マスク不足になったとき、行列をしてまで買うこともない、ないなら作ろうと思ったのです。もともと、ないなら作ればいいと考える質。
東日本大震災で、納豆が全然手に入らなかったとき、私は納豆がかかせなかったものですから、ないなら作ろうと自分で作りました。
納豆菌を通販で分けてくれるところを見つけて、手に入れました。大豆を煮て、納豆菌をまぶして、『ホカロン』みたいな簡易カイロで温めて、手作りしました。味はそんなにおいしくはなかったけれど、ちゃんとネバネバと糸を引く納豆が出来ましたよ」

――食生活も気を付けておられるようですね。

「食にも気を遣いますね。出来ているものは買わないです。どこの何を使って作っているのか、非常に疑い深いので、自分で材料を買って作るのが安心なのです。
朝からしっかり、ご飯を食べます。朝が一番多いくらいです。満腹だとよく寝られないので、夜はあまり食べないですね」

――健康的な過ごし方ですね。畑作業もしていらっしゃると聞きました。

「始めて4年になります。
もともと、ハウスの北側の土地が荒れ放題になっていたのですが、耕してくれた方がいて(その方は退去されましたが)、残してくれた後、何人かで畑を作り始めたのです。自己流で、知っている人に教えてもらいながら、トマト、ナス、ピーマン、ニラ、シソなどを育てています。ジャガイモを植えた人もいます。できた野菜は、自分で使ったり、皆さんにもらってもらったりしています。
けれど、今年はだめでしたね。
7月の長雨がたたりました。花が咲いて実がなるころにずっと雨でしたから。毎年、いっぱい収穫できて、ほかの居住者の方におわけしたり、フロントにもっていったりしていたのですが、今年はそういうチャンスはほとんどなかったですね。ちょっと残念でした。シソだけは、わりとよくできましたが」

自分で作る野菜は新鮮で安心

――暮らしの中で、工夫していらっしゃることはありますか?

「コロナ禍で出かけることが少なくなったので、家の中でいかに体を動かすかを考えていました。
その結果、不便な生活をしようと思ったのです。例えば、ふたつの動作をしないと成立しないことは、バラバラにする。メモ帳が左にあったらペンは立っていかないといけないところに置くとか、テレビのリモコンはテレビのそばに置くとか、わざと離れたところに置くわけです。
鍋と蓋は別のところに置く。鍋を下の棚に置いたら、蓋は手の届かない天袋に置く。わざわざ踏み台を出さないと取れないところに置くのです。そうすると、鍋を使う時には必ず下にしゃがむ動作と、手を伸ばす動作をしなければならなくなります。そうすれば、家の中にいても、ちょっとですけど、体を動かすことになるかなと思いました。
あと、物忘れもありますから、『ここだよな』って思ったところにない、『あれ、こっちかな』というように探し回る。それもいいことだなあと思っています。
意識して、ひと手間かけることをする。ずっと座りっぱなしの生活をしないですむ方法を考えたら、下にかがむ動作、上に伸びる動作をする工夫をすればいいと思いつきました。せめてもの抵抗かな。
若い時は、なるべく手間を省いて合理的な家事を目指していたのですが、今は時間があるので、健康のためにもひと手間かけることを心掛けています」

――今は十分お元気ですが、今後の不安はありますか。

「自分はまだ見守りが必要な立場になっていないので、自分がそうなった場合にどうしてほしいのか実感としてはないけれど、周りの居住者の方々に対するスタッフの支援を見ていると、自分も必要になった時そうしてもらえのかな、という安心感はありますね」

――高齢者向け住宅に入居されるときのポイントは何でしょう。

「高齢者住宅といっても、いろいろな分類があります。介護型とか、ゆいま~る多摩平の森のように自立型とか。それの違いを知ることと、自分はどういう生活を送りたいかということをきっちり持つことが大事だと思います。あいまいなまま決めてしまうと、後悔してしまいます。
いずれにしろ、自分が判断できるうちに見極めて入るのがおすすめですね」

――これから楽しみにしていることを教えてください。

「出歩けるようになった、少し遠出をしたいですね。高尾山とか奥多摩のほうとか、登山に行きたいです。皆さんとも、『ここに行こう』『あそこに行こう』と話しています」

※いかに楽に、便利に暮らすかを考えている自分を大きく反省!!  不便な暮らし方をあえて習慣づけていくことで、自然と健康が保たれる……目から鱗のTKさんの暮らしでした。

   (2020/9/2インタビュー)

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