仲の良かった夫を亡くし、60代で住み替えを決意!! ~自由と広さと安心が決め手でした~
「今までと変わらない暮らしができる」のが気に入って、ゆいま~る福に住み替えられたAさん。
趣味を楽しみ、仕事も続けるお元気でお若い60代ですが、「困りごと」が起きたときは「スタッフが近くにいてくれるので心強い」とおっしゃいます。
60代で入居を決めた理由や、今のお暮らしについて伺いました。
主人と二人、仲良く京都で暮らしていました
――ゆいま~る福にいらっしゃる前の暮らしについて教えていただけますか。
「私は大阪、主人は神戸育ち。主人は、老後は京都に住みたいということで京都の一戸建てで30年暮らしていました。私は、大学で音楽の非常勤講師の仕事をしていましたので、忙しく、ご近所とはあいさつ程度。深い付き合いはなかったのです。その分、主人と仲良く楽しく暮らしていました。
主人は、会社勤めをしながら尺八の師匠もしていました。私も結婚してから、箏や三味線を習い始めて師匠免許を取り、一緒に演奏会を開くなど活動していました。
ふたりとも着物が好きで、着る機会も多かったですね。京都では、着物を着ていくとホテルのランチが半額になるサービスなどもあって、2人で着物を着てよくランチに出かけていました。
私は、若い時にイタリアに留学していたので、結婚してから主人と一緒にイタリアに出掛けて街を案内したりね。30年間、本当に楽しく過ごしてきました」
――理想のご夫妻ですね。住み替えのきっかけは何だったのでしょうか。
「2年前に主人が突然亡くなったのです。それも病気ではなく、お風呂で突然亡くなってしまったのです。さっきまでは元気でいたのに、突然いなくなってしまって、パニックになりました。私たちには子どもがいませんでしたから、まったくの一人になってしまいました。兄弟が心配して来てくれましたが、寂しくて寂しくて、1日中泣いていました。こんなによく泣けるというくらい泣いて暮らしていました。
夜も寝られない、家事もできない。テーブルの上がゴミ屋敷のようになってしまって、精神的に危なくなっていたと思います。まわりの友人たちから、外へ出るようにすすめられました。そうしたら、今度は毎日デパートに行くようになり、馴染みの店員さんに話しかけてはまた泣いたりする日々。友人たちもランチに誘い出してくれましたが、人といるときはいいんですけど、家に帰って一人になると寂しい。
ふと、私はこれから毎日こういうふうにして生きていくのだろうか、自分を見失っているのではないだろうか、と思うようになったんです。
昨年、大型台風が来て、心細くて弟夫婦のところへ泊めてもらったとき、『私は一人では住めない』『弟夫婦の近くに引っ越そう』と決めたのです」
ゆいま~る福に巡り合うまで
――高齢者住宅に住み替えようと思ったのですか。
「はじめは、普通の一戸建てやマンションを見にいきました。しかし、築年数が古いとか、お隣にどういう人が住んでいるかとか、なかなか難しい。見学に行ったマンションで、偶然隣の部屋から若い男性が出てきたんですが、見た感じ、無理かなあと……。
高齢者住宅ならスタッフがいるので心強いし、そこも視野に入れて見学に行ってみました。そうしたら、今度は病院みたいで、部屋も狭いし、ベッドと家具一つ置いたらいっぱいになってしまう。要介護の方も多かったので、こういうところも違うなあと……。
あきらめていたら、あるお友だちが、『テレビでゆいま~る福を見た』『こういうところもあるよ』と教えてくださったのです。すぐにパソコンで検索してみたら、ゆいま~るのコンセプトが『施設ではなく住まいを目指す』『以前と変わりない暮らしができる』『お元気なうちに住み替えを』とあって、写真を見たら普通のマンションと変わりありません。
これだ、とすぐに電話をしたら、ちょうど『2日後に食事付きの見学会があるのでいらしてください』と言われて見学に行ったのです」
――ゆいま~る福に入居を決めた理由を教えてください。
「福駅に降りたら、大きな病院、大きなスーパー、ユニクロなどがあって便利そうだし、ゆいま~る福までは徒歩5分くらいと近い。建物も明るくて中庭があって、すぐにいいなあと思いました。部屋も、1、2、3階をそれぞれ見せてもらいましたが、広くてびっくりしました。バリアフリーのフローリングで、木のぬくもりも感じられます。
その後、スタッフと話をしていて、『引っ越しするならグランドピアノとアップライトピアノを処分しなくてはならない』と言ったら、『ゆいま~る食堂に置きますから持ってきてください』と言われたのです。結局、グランドピアノはスペース上無理でしたが、アップライトピアノは寄贈しました。住み替えても、ピアノも歌の練習もできるなんて、夢のようでした。
また、ほかのゆいま~るでお仕事をしながら住まわれている方もいらっしゃると聞いていたのですが、と言ったら、ちょうど福でも食堂のパート募集をしていて、『ぜひ働いてください』と言っていただきました。
義妹にも来てもらって感想を聞いたら、『うちからも近いし、絶対にいいですよ!』と気に入ってくれました。全体の雰囲気も知りたかったので、体験入居で一泊したら、その部屋の隣の方が出ていらして、『緑豊かで静かで、暮らしやすいですよ』と。見学会の時も、食堂に入居者の方が何人かいらしたのですが、いい感じの方ばかりでした。入居者の方と話せたのはとてもよかったですね。
いいなあと思っても、家賃がかなりお高いところも見てきました。ここならなんとか大丈夫そうだと、すべての条件をクリアし、ゆいま~る福に決めたんです。主人の一周忌から2カ月後に引っ越しでしたが、今思えば勢いで断捨離もできたと思います」
ひとりでない安心を実感して
――ゆいま~る福へ住み替えて約1年。住み心地はいかがですか。
「とてもいいです。ここに来るまでは毎日泣いていたけれど、引っ越してきたとたんに泣かなくなりました。
スタッフが24時間いるので、夜も安心して寝られます。誰かが入ってくるかも、という不安も無くなりました。ある日、買い物に出かけて、帰ってきたら、だいぶ離れたところからスタッフが気づいて手を振ってくれたことがありました。その時、『ここでは私を待っていてくれる人がいるんだ』と、うれしかったですね。
1カ月前にウォーキング中に転んでしまって、左肩を脱臼と骨折をしてしまいました。洋服の脱ぎ着が出来なくなって困ったのですが、スタッフが手伝ってくださって。着替えの時にはとても助かりました。それ以外でも、スタッフの方と会うと『どうですか』と聞いてくださったり、あと入居者の方も『困ったことがあったら言ってね』『お買い物に行きますよ』とか、スイートポテトを作っておすそ分けしてくださったり、あたたかい言葉をかけていただきました」
――ゆいま~る福ではどのように過ごされていますか。
「朝は6時くらいに起きて、中庭を通って安否確認に行きます。中庭を通っていくのがスッキリした気分になれてとても好きなんです。
私は、今日1日何を優先すべきかを考えて動きます。お天気がいいから今日はウォーキング、歌のレッスン前の日だから今日は練習しよう、とか。
ゆいま~る食堂のパートも、日曜から金曜まで週6日間入っていて、それも生活の一部になっています。主人がいなくなってから、誰かに食事を提供することがすごくうれしいんです。楽しく仕事をさせていただいています。
夜はだいたい10時過ぎには就寝しますね」
ゆっくり過ぎていく時間を楽しみながら
――メリハリのある生活ですね。趣味や習い事などはされていますか。
「今はコロナの関係でイベントは中止だけれど、ゆいま~る福のカルチャー教室に参加しています。月2回英語、月1回ヨガ、月2回スポーツ吹き矢です。
歌のレッスンにも月に1度通っています。主人が亡くなった時は声も出なくなってお休みしていたのですが、友だちが誘ってくれて再開しました。ゆいま~る食堂で、歌の練習をさせてもらっているのですが、入居者の皆さんが「すごい」と言ってくださって、聞いてくださる人がいるんだと思ったらうれしくなりました。
箏、三味線のお稽古は、土曜日の午前中、京都まで行っています。午後は、専門家限定のコーラスのレッスンがあり、そのあとはわいわいおしゃべりして帰ってきます」
――充実した毎日をお過ごしですが、気を付けていることがあれば教えてください。
「食事はノートに付けていますね。夜に、その日1日何を食べたか、タンパク質が足りてないなと思ったら、翌日は意識して食べるようにするとか。
万歩計も付けて記録しています。でも、目標は立てずにこれだけ歩いたという記録として付けています。最初のころ、脇の緑陰道を毎日1万歩歩こうと張り切ったら、2日で疲れてしまって。今は、お天気が良ければ歩こうというように、無理しないようになりました。
夜は家計簿を付けるのですが、この商品は英語で何と言うだろう、イタリア語では、とちょっと考えたりしています。英語やイタリア語をやろう!というのではなく、普段の生活に取り入れている感じです」
――無理なく自然に取り入れることで、心身にも頭にもよい影響を及ぼしそうですね。これからやりたいことはありますか。
「今も十分いろいろとできていますが、コロナの影響でイベントができないけれど、来たばかりのころ皆さんと一緒にイベントで歌を歌ったことがありました。またできるようになればいいなと思っています。
ここにきて、今までにはない、ゆっくりと時間が流れていると感じます。淀川まで行って、水面がキラキラしていて、そこで小さな声で歌ったりして。こうした時間がもてることがとても気に入っています」
仲の良いご夫妻だからこそ、おつれあいを失った喪失感は大きかったのだと伝わってきます。ゆいま~る福に住み替えられてからは「泣かなくなった」とおっしゃるAさん。60代での引っ越しだからこそ、これからも福でできることはたくさんありそうです。スタッフやほかの居住者に囲まれながら、これからも趣味や仕事を楽しんでいただきたいと思います。