ゆいま~る花の木ブログ

あなたは曳(ひ)く派?見る派?感じる派?「秩父夜祭」の楽しみ方


2019年12月2・3日、秩父市では秩父夜祭が開催されました。ユネスコ無形文化遺産に登録された歴史ある祭りであり、秩父最大のイベントを、「ゆいま~る花の木」の入居者や周辺の人は、どのように楽しんだのでしょうか。

曳(ひ)く・見る・感じる、秩父で暮らすからこそ可能な秩父夜祭3つの楽しみ方を、ご紹介します。

秩父夜祭2019
3日夜、ゴールの御旅所に屋台が集合するクライマックス

日本三大曳山祭、ユネスコ無形文化遺産「秩父夜祭」とは

「秩父夜祭」は、曜日に関係なく、毎年12月2日(宵宮)・3日(大祭)の2日間にわたり開催される祭りです。日本三大曳山祭のひとつに数えられており、2016 年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

特徴的なのが、「屋台(やたい)」や「笠鉾(かさほこ)」と呼ばれる、いずれも高さ6~7m、重さ10~20tにもなる巨大な山車です。

町会が所有する屋台あるいは笠鉾が、約200名の隊列で町の大通りを行き交います。移動する屋台の舞台の上では祭囃子が轟き、囃し手の高らかな声とワッショイが響き渡ります。町会が所有する屋台あるいは笠鉾が、それぞれの町の曳き手たちによって曳行(えいこう)され、町の大通りを行き交います。移動する屋台の舞台の上では、祭囃子が鳴り響き、途切れず演奏されます。

ゆいま~る花の木があるのは、祭屋台を持つ「上町(かみまち)」。ゆいま~る花の木から5分も歩けば、屋台が収められている「収納屋台庫」、そして屋台が巡行する「上町通り」です。

2日は曇って少し雨がぱらついたものの、3日は晴れ上がり、日中15℃まで気温が上がって、気持ちのいい祭日和となりました。

秩父夜祭2019
屋台の中で演奏される「屋台囃子」。耳にすれば気分もあがる

「(屋台を)曳く派」の冨塚さんに聞きました。祭りは寒い中で熱気と高揚にもまれてこそ!

夜祭の2日間は、年に一度の地域の最大のイベントです。それぞれ特色を持つ屋台では、屋号の入った鉢巻きと半纏の揃いの祭スタイルをきめて、大勢の仲間たちとワッショイと声を合わせて曳く。これこそ、地元に住む者の醍醐味です。

「秩父夜祭の真の魅力は、地域の仲間とともに半纏を着て屋台を引き、熱気と高揚にもまれてこそ味わえます!」と熱く語るのは、秩父市役所で移住促進の業務に就き、ゆいま~る花の木にも入居者を紹介している冨塚秀行さんです。今年2度目の「(屋台を)曳く派」で12月2日・3日の丸2日間、夜祭に参加しました。

秩父夜祭2019
上町屋台と冨塚さん(右)

印象的だったのは、2日の午後に虹が出たことです。

「朝から雨が予想されていたが、降ってきたのは午後1時ころから。3時前には上がり、空にきれいな虹のアーチが! 長老に聞けば、『70年見てきたが初めて』とのこと。伝統ある祭の中の歴史的なこの瞬間、超ハッピーでした」

秩父夜祭2019
2日、上町のシンボル矢尾百貨店前で虹が出た!

祭本番は、3日の夜です。秩父神社前に祭屋台4台と笠鉾2台の全6台が集合し、御旅所(おたびしょ/市役所のある秩父公園がゴール)を目指し奉曵(ほうえい)されます。

秩父夜祭2019
秩父神社前集合、夜7時半上町屋台いよいよ出発!

「町会の人から『祭を楽しむのなら参加するのが一番』と言われて、昨年今年と2回曳かせていただきました。祭が好きで体力に自信のある人には本当にお勧めです。やってみればわかります」

秩父夜祭2019
団子坂(到着地寸前の傾斜25度の坂)、力を合わせて上町ONE TEAM!

「秩父にいて夜祭に関われる境遇はハッピーだと思います。共感者を増やしていきたいと思います」と、冨塚さんは、来年も曳き手として参加する意欲満々です。

【参考】「秩父」に暮らしたらもう都心に戻りたくない! 水と野菜がおいしくて気持ちいい町。秩父市役所 移住相談センターの職員が実際に暮らして感じた「秩父の魅力」

秩父夜祭2019
団子坂を上る屋台に加勢するように花火が上がる

「見る派」のSさんに聞きました。夕食後に町に出て冬の花火を歩きながら楽しむ

歴史ある大祭を「一度は見てみたい」と思う人は多いでしょう。祭りの熱気を肌で感じたいなら、「見」て楽しむのが基本です。観光客にも大人気の秩父夜祭、主催者によると、祭りが最高潮の3日の人出は、約21万2千人だったそうです(秩父市の人口は約6.2万人です!)。

入居者のSさん(男性76歳)は、夫妻で11月に「ゆいま~る花の木」に入居したばかり。秩父夜祭を楽しみにしていました。

3日の夜、地元の利を活かして、夕食をゆいま~る花の木の自室で食べたあと19時頃から町に出ました。この時、秩父の気温は6.6℃。屋台の巡行があるメインストリートは、すでに人でいっぱいでした。

「混んでいたんで、屋台は2台ほど目にしたぐらいです。それも、人のすきまから見るので、上の方は見えるけれど、下で何をしているのかよくわからなかった(笑)」

夜に出かけたSさんのお目当ては、秩父夜祭でも人気の花火です。2日も上がりますが、より規模が大きく盛り上がるのが3日の夜。ゆいま~る花の木から徒歩30分の羊山公園で、19:30頃から22:00頃までたっぷり2時間半かけて、約6千発の花火が打ち上げられます。高台での打ち上げなので、木や建物に邪魔されなければ、広い範囲で自由に見ることができます。

花火といえば「夏」の印象が強いものですが、秩父夜祭の「冬の花火」は、空気の澄んだ冬だからこそ近く大きく見えるうえ、クライマックスには尺玉が上がり、その迫力、壮麗さは類を見ないということです。

「花火は寒いから、ずーっと歩いて、動きまわりながら見たんです。結構歩いたよ。だって、どこも人でいっぱいだし、休むところがないからね。人に押されて立ち止まることもできない。交差点で通行止めにあったら、今度は15分ぐらいはそこにいる感じ」

寒くなったので終わりを待たず、21時ごろに部屋に戻ってきたそうですが、なんと戻ってきてから花火の迫力を実感することになったそうです。

「本当にすごかったのは、そこからだったんだ。尺玉をぼんぼん上げているのが、部屋の中でもわかったよ。響くような割れるような音で、本当にすごかった」

複数の屋台が行きかう見せ場をゆっくり見たいなら、有料の桟敷席を予約する方法もありますが、「あそこはあそこで寒そうだよね」とSさんは言います。

「人混みの中、出店で買ったものを食べながらブラブラ歩いて、神社行ってお参りして……地元からの参加なら、そんな感じがいいんじゃないですかね」

「来年は、妻を一緒に連れていって、花火を中心に見たい。あの人出だと、屋台の人気の見せ場は、なかなか近づけないからね」と笑うSさん。しっかり防寒対策をしたうえで、花火がよく見えるポイントを探すのも楽しそうです。

秩父夜祭2019
10時フィナーレの花火

「感じる派」の嶋田さんに聞きました。祭囃子と花火の響きに季節を感じる

長く秩父で暮らす人にとって、夜祭は毎年やってくる季節のイベント。混雑を避けて、それでも祭りを「感じる」楽しみ方もあります。

嶋田敏美さんはゆいま~る花の木のスタッフ。11月からゆいま~る花の木がオープンし、入居者を迎えて忙しい毎日を送っています。

秩父市で生まれ育った嶋田さんにとって、夜祭は子どもの頃、楽しみにしていた地元のお祭りでした。親になってからは、今度は自分が子どもを連れていった思い出があります。今年は、祭りの両日もゆいま~る花の木で仕事をしていました。

「入居者の方や近所の方に、『お祭りなのに仕事じゃ大変だね』と声をかけていただきました。でも、祭を見にくる知人や一緒にいく子どもがいないと、見に出かけたいという気持ちもあまりないものですしね」

それでも、広い地域から見られる花火は、嶋田さんにとって冬の楽しみです。

「花火は自宅の庭からも見えるんです。冬の花火は、本当にきれいですよ。空気が澄んでいて、夏よりもくっきりと近く見られるんです。少し離れているので、迫力は劣るでしょうけれど」

ゆいま~る花の木のスタッフは、休んで祭りに参加する人もいれば、通常通り仕事の人もいます。祭りのために町の中心部のあちこちが通行止になるため、ここが通勤路の職員は、祭りの日を休みにする場合もあるそうです。それでもこの時期、祭りを感じる話題や出来事は、ひょんなタイミングで飛びこんできます。

「秩父出身の入居者のHさん(83歳・女性)は、弟のお孫さんが屋台の上で踊りを奉納するので、午前中明るいうちに、それを見にいかれたようですよ」

「故郷の秩父に戻ってきた入居者のUさん(89歳・男性)は、祭りを懐かしんでいたのですが、あまりの混雑ぶりに、安全をとって今年は行くのをやめたそうです。そうしたら、3日の朝に冨塚さんがお祭りの法被姿で立ち寄ってくれたので、一緒にUさんのお部屋を訪問したら、喜んでくださいましたね」

ゆいま〜る花の木
祭りの朝、部屋を訪問した冨塚さん(左)とUさん(右)

人出の多い秩父夜祭、入居者におすすめの楽しみ方は

高齢の入居者に「おひとりでの夜の外出はあまり勧められない」と嶋田さんはいいます。ユネスコ無形文化遺産に登録されてからは、それ以前に比べて、訪れる人がずっと多くなったと感じています。

「日中はゆいま~る花の木の生活コーディネーターが勤務していますが、夜は職員がいないので、外出時に何かあったら心配です。夜だけでなく、日中もすごいにぎわいなので、注意が必要ですね」

嶋田さんが入居者におすすめしたい夜祭の楽しみ方は、「夜祭をきっかけに家族に来てもらうこと」です。

「ゆいま~る花の木には来客用の駐車場もありますし、自室にご家族に泊まっていただくこともできます。ご家族に来ていただいて、一緒に過ごせたら楽しいのではないでしょうか。夜祭の秩父は、旅館やホテルがなかなかとれないことで有名です。祭りの中心に近い一等地で雑魚寝を楽しみながら、朝ゆっくりお帰りいただくのもいいかもしれません。外出するにも、ご家族と一緒なら安心です」

ゆいま~る花の木があるのは、屋台を持っている町会、上町(かみまち)。歩いてわずか5分で、屋台が巡行する上町通りに出られます。また、徒歩5分のコンビニのローソン前からは、羊山公園で打ち上げられる花火を見ることができます。

部屋にいながらにして祭りの雰囲気を感じることができるのは、ゆいま~る花の木ならでは。窓を開ければ屋台囃子の太鼓の響きが、夜は花火の音が聞こえてきます。

「花火を見るためには、少し開けた場所に出る必要がありますが、ゆいま~る花の木の近くからも花火は見られるはずです。来年は、ゆいま~る花の木近くで花火がよく見えるポイントを探してみたいですね」

秩父夜祭2019
夜祭の翌朝、収蔵庫で解体される屋台。次の出動まで鎮静

歴史ある大祭が年中行事になる「ゆいま~る花の木」

祭に向けて高まる町の熱気、屋台を通してぶつかりあう人と人のエネルギー、凍るような闇夜に輝く冬の花火。“地元”の一大イベントを暮らしの中で感じられるのは、秩父の冬ならではの楽しみです。老若男女が心をひとつにする祭りのパワーは、心に火を灯すように、うねりをもって広がります。

おひとりおひとりが自分なりの距離感で、祭りに自由に気ままに参加できるのもよいですね。ゆいま〜る花の木で「地元民」として秩父夜祭を楽しんでみませんか。

Copyright © Community Net Inc.

TOP
ゆいま~るシリーズ
お問い合わせ