年金で「豊かな」暮らし
――不必要なものはそぎ落とし、自然に囲まれ、見守られながらも自由な老後
都心で仕事を続けてこられた佐々木敏子さんは、60歳でゆいま~る那須をご契約。
すぐには住まいを移しませんでしたが、2016年4月に引越し、終のすみかとして暮らし始めました。ゆいま~る那須にいくつかある部会の1つ「農部会」に所属し、畑仕事に精を出しておられます。「私が望んでいた豊かな暮らしって、これかな」と那須での暮らしを満喫。そんな佐々木さんの日常について伺いました。
ゆいま~る那須
佐々木敏子さん(64)の場合
入居2016年4月
↓佐々木敏子さん。ただいま、開墾中♪
■新鮮で面白い! 畑仕事にはまった!
暮らし始めて半年になりますね。
60歳の時に契約したのですが、数年間は別荘のようにGWや夏休みに使っていました。今年4月に本格的に引っ越しし、入居しました。
今、とても豊かな充実した時間を過ごしています。
毎朝、太陽が昇り始めるころに起きて、お天気ならば徒歩10分の「農部会」の畑に行くのが日課なんです。
↓畑に行くまでの道も気持ちいい!
ゆいま~る那須では、入居者が自発的にはじめた「会」がいろいろあって、その1つが農部会。
全部で12区画ほどあり、50㎡一区画の畑を二区画、耕しています。自然農法、無農薬栽培にこだわって、自然菜園で著名な竹内孝功さんの本を読んで独学ではじめました。草を刈ってビニールのマルチシート代わりにするとか、初めて知ることが多く、自由気ままに、楽しみながらチャレンジしています。
夏は5時半には畑につくようにしていますね。暑い時期は日が高くなる前に作業を終えるのがコツ。体力と相談しながら、やり過ぎないようにスマホのタイマーをセットして、7時くらいまでに終わるようにします。太陽のもと、長時間いると体力が消耗するので、これくらいの作業時間がベストなんです。最初のころは、7時くらいに畑に向かうと、作業を終えて帰ってくる人と会うので不思議に思っていたのですが、これも畑を始めてわかったことです。
ほぼ毎日の畑仕事で体力もつき、体重も3キロ減り、すっかり健康体になりました。
今、農部会のリーダーをしていますが、農地管理者と話し合って、さらに隣の原っぱを開墾してもいいということになりました。60代の入居者たちと開墾し、「冬から春にかけて玉ねぎを植えてみよう」とか、いろいろ相談しているところです。こういうことがとても新鮮で面白い。
■不出来な野菜でも大切に食べる
これまでは都市部に住んでいて、完全に「消費者」でした。買い過ぎて食材を腐らせたり、在庫を忘れて新しいものを買ってしまったり……。生産する側になって、どんなに不出来なものでも大切に食べるようになりました。ここへきて価値観が変わりましたね。
農作物を差しあげる楽しみも知りました。始めたばかりのころ、青菜の種をいっぺんに蒔いてしまったんです。そうしたらワーッとたくさん採れすぎてしまって。近くの入居者に配りました。反対に、畑の仲間から、キュウリやゴーヤをいただいたりもしました。とても楽しい経験ができます。
↓手に持っているのは隣の畑の方からいただいたコンニャク芋。
たくさん採れた里芋とサツマイモを保存します
■ゆいま~るブランドのジャムができるかも
農部会のほかに「花と緑の部会」にも属しています。マンションで暮らしていたので、ベランダで果樹の苗を育てていたのですが、それをゆいま~る那須に持ってきて植え、その世話もしています。月二回、打ち合わせと作業があり、共用通路の草取りや、花を植えたりしています。果樹が実ったら、果実でジャムを作ってみたいですね。ゆいま~るブランドのジャムとかできたらいいですね。夢は膨らみます。
もともと保存食作りは好きで、梅干、らっきょう、しそジュース、にんにくのオリーブオイル漬け等も作りました。辰巳芳子さんの本のとおりに作ったぶどうジュースがとてもおいしくできたんです。このあたりは果物がすごく安いので、たくさん作れるし、いろいろ試してみることができるのがうれしい。
でも、毎日の食事づくりは苦手で、料理上手な入居者の友人宅でご飯を一緒に食べています。畑で採ってきた野菜を渡して使ってもらいます。土曜の夜はちょっぴり気分を変えるため、ゆいま~る食堂の「居酒屋」を利用しています。ビール200円、お刺身500円などなど。お手軽価格でゆっくり楽しめるのが魅力です。
↓野菜いっぱいのヘルシーな食卓です
■先細りする年金で「豊か」に暮らす
予想していた年金額がおもいのほか少なかった。収入が増えることはないし、年金も先細る。食糧難の時代が来るのではないか、と先のことを考えると不安だらけでした。そんな時友人から、「米、塩、みそ」「何かあったとき相談できるシステム」さえあれば、暮らしていけると言われ、「あっ! そうだ」と思ったんです。それで、那須での暮らしを決めました。
交通が不便では、と言う人もいますが、病院やショッピングゾーン、駅、町役場、そして温泉などをめぐる「ゆいま~る号」(バス)が1日4便出ています。使いこなせばとても便利。すぐ近くにお店がある都心部では、無駄なものもつい買ってしまっていたのですが、こちらでは生協も使って計画的に暮らしています。近くの店にないものは、ネットで購入しています。
こうした暮らしを「豊か」ととらえるか、「不便」ととらえるか。
不必要なものはそぎ落とし、自然に囲まれ、ハウスのスタッフに見守られながらも自由に暮らす老後か、高い家賃でお金の心配をしながら貯金を切りくずす老後か。私は、前者を選びました。
これまで転勤族だったので、隣近所とのつきあいはありませんでした。那須には友人もいるし、見守りシステムも充実、緊急のときはスタッフが対応してくれるので、心強い。その安心感は大きいですね。
ずっと仕事だけで趣味の仲間もいないので、暇な時間ができてしまうのが不安でしたが、ここでの生活は毎日忙しくて、心配は杞憂にかわりました。入居者がアイディアを出し合って、いろいろなことができるのもゆいま~る那須の魅力。数人の入居者と、「ショップ」を担当しようと計画しています。どうなるか、今から、わくわくしています。
自然環境にこだわる人、農に関心のある人は、一見の価値あり。お元気なうちに、ぜひゆいま~る那須を見学していただきたいですね。