私の半生はカメラとともにあった
先日、ゆいま~る拝島にて“お金を介さない贈り合いの場”を
コンセプトに開かれたフリーマーケット。
そこでのエピソードをご紹介したいと思います。
当日は食器に家具、家電、衣類や飾り物、ちょっとした便利用品
などなど多数のモノが出揃いました。
その中に置かれていた大きなニコンのカメラ・・・。
それは居住者のMさんが長年愛用し続けていた大切なカメラでした。
しかし最近、Mさんの視力は衰えが進み、カメラを撮ることが難しくなって
きました。
“このニコンのカメラは私の半生の友でした。このカメラを愛して下さる方が
いらしたら、嬉しいです”
想いのこもったメッセージを添えて、今回の贈り合いの場に出品してくださいました。
Mさんは子どもの頃からカメラが好きで、60歳で退職されてからは
一層熱心にカメラにのめり込まれるようになりました。
朝日新聞のカルチャーセンターやニコンのカメラ教室に10年以上所属し、
展覧会を開いたり、写真集を出したりしていたそうです。
「毎年、庭に咲いた福寿草を撮っていましてね・・・福寿草の“勢い”を撮る為に
地べたに腹ばいになって撮ってましたよ」
(ボランティアのかたが演奏を披露してくださいました!)
しかし今は、デジタルカメラが主流で、携帯電話でも写真が撮れる時代。
この素晴らしいフィルムカメラを使いこなせる方はなかなかいないのかもしれません。
フリーマーケットが終盤に差し掛かっても貰い手は現れませんでした。
フリーマーケットが終わったのち、残ったモノを集めていると、
お隣のデイサービスでお手伝いをしていた15歳の男の子が訪ねてきてくれました。
「写真に興味があるの?」と聞くと
「はい。興味あります。」とおっしゃられました。
・・・そして、ニコンのカメラを大切に持って帰って行きました。
「単にきれいなものを撮るのではなく、人間の喜びや悲しみ、
生活感を写してほしい」
Mさんから、男の子へのメッセージです。