ゆいま~る聖ヶ丘 暮らす人々の声

住み慣れた多摩市で、ていねいな暮らしを実践中


「コロナのおかげよね」――今、世の中では、新型コロナウイルスの影響で元気のない方も多いのですが、ゆいま~る聖ヶ丘に暮らす井桁光恵さん(73)はあくまでも前向きです。「コロナのおかげで、近隣を散歩するようになり、足の筋力がついたみたい」「自粛がきっかけで、短歌づくりを始めたの」。もともと合唱が趣味で、複数の合唱団に所属し、毎日のように出かけていたアクティブな井桁さんですが、今の状況でも暮らしをうまく楽しまれています。お手本にしたい「井桁さん流」の暮らしを紹介します。 

お部屋でくつろぐ井桁さん

――ゆいま~る聖ヶ丘に住み替えたきっかけを教えてください。

井桁 多摩市に45年間、夫とふたりで住んでいました。ところが、夫の具合が悪くなり、亡くなってしまったんです。ひとりになって、不安になりまして、多摩市内の高齢者住宅をいろいろと見学に行きました。ずっと多摩市で暮らしていたので、多摩市以外は考えませんでした。住み慣れた地域がいいと思ったからです。

そんな時、ゆいま~る聖ヶ丘の体験キャンペーンがあり、1泊しました。緑に囲まれたまわりの環境がすごくいいなあ、と気に入りました。空気というか、雰囲気というか……。静かだけれど、人の行き来が適度で、風通しがいいんですね。いいなあ、と思っていたら、ちょうど帰りがけにスタッフの方から「お部屋が空きました」と言われて。それでトントン拍子に申し込み、入居が決まりました。「勘」というか、あまり悩まずに決めてしまうタイプなんです。

ゆいま~る聖ヶ丘前の歩道。緑豊かなのが気に入ったそう

――こちらにいらっしゃる前は、どのようなお暮らしだったのでしょうか。

井桁 夫と二人でコーラス三昧でした。もともと夫の趣味だったのですが、私も一緒に始め、ずっと続けていました。夫婦で混声合唱団に入っていましたが、メンバーは30人くらい。年に1度、多摩市のホールで発表会をするため、1年間かけて何曲も練習します。メンバー同士、練習で頻繁に会っていたので横のつながりが深く、一緒に旅行に行ったりしていました。

――こちらにきて、合唱は続けているのですか。

井桁 はい、続けています。ここに来たばかりの時、知り合いもいないし、どこか交流できるところはないかと思っていたら、近くのうどん屋さんに貼ってあったチラシで混声合唱サークルがメンバーを募集しているのを知りました。その指導者の方がたまたま知っている人だったので、連絡をして入ることになりました。

――新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大きな声を出すのも難しいでしょう。

井桁 新型コロナウイルスが流行してからは、家で楽譜を眺めたり、たまに集会室などで声を出したりしています。

お部屋に立てかけてある楽譜
さりげないインテリアとして壁に楽譜が飾られています

コロナ禍前は、合唱三昧の日々でした。地域の合唱団のほかにも、渋谷、千駄ヶ谷、目白など、都心の合唱団や個人レッスンに通っていました。また、父が好きだった影響もあるかもしれませんが、アンティークの家具屋さんなどを見るのも好きで、自由が丘のお店を見に行って、気に入ったアジアンテイストのものがあると購入したり。とにかく、毎日のように、出歩いてばかりでした。

アンティークな置物がお部屋を彩ります

――最近では、どのように過ごされていますか?

井桁 なるべく時間を無駄にしないように、予定を入れてスケジュールを作っています。

都心へは一切出なくなりましたが、その代わり、毎日、近所を散歩するようになりました。夕方、遊歩道を2時間歩いたりしています。このあたりは緑豊かで、公園も多く、毎日歩いても飽きることがありません。毎日ウォーキングしているせいか、足の筋力がつき、ウエスト回りもスッキリしてきたんですよ(笑)。コロナのおかげですね。

近くを散歩する毎日

そういえば、コロナ禍になって、短歌をはじめました。10年くらい続けている方に教えていただきましたが、散歩に行ったときや、ふとした瞬間に思いついて作っています。まだまだですが、短歌の世界もなかなか奥深くおもしろいなあと思っています。これなら、年を取って体が弱っても、続けられますしね。日記代わりに続けています。この時はこういうことがあったなあとか、後になって思い出せるのは楽しいと思うので。

――短歌に、散歩に、コロナ禍でも暮らしを楽しまれていますね。

井桁 朝は5時くらいに起きて、掃除をしています。これまではあまりしませんでしたが、朝掃除をするときれいになって1日がスタート出来るので、気持ちがいいですね。7月からは近くで行われている体操教室が再開したので、通っています。

合唱や散歩以外は、部屋で本を読んだり、音楽を聴いたりして過ごします。テレビはないんですよ。もともと目があまり良くなかったこともありますが、つけっぱなしにしてながら見をするというのが苦手で、情報も必要なことだけわかればいいので、ゆいま~る聖ヶ丘に引っ越してくるときに処分してしまいました。

――暮らし方に井桁さんならではのお考えがありそうですね。

井桁 じつは、テレビだけでなく、電子レンジや炊飯器もないんです。調理器具も鍋くらい。小さな鍋がひとつあれば、ご飯も炊けるし、たいていのものはできますよ。

食事は大事。糖質制限をしていた時がありましたが、今は昼食時に軽くご飯一杯は食べています。栄養バランスを考えながら、朝昼夜と、自分で作ってしっかり食べますね。
朝は、生地にナッツやドライフルーツを練りこんでパンを焼きます。それと山盛りのサラダが定番。残ったパンは切り分けて冷凍保存します。献立は和食というか、野菜中心が多いですね。

昨年、ゆいま~る聖ヶ丘で手作り味噌のイベントに参加したのですが、それがきっかけになって麹にはまり、塩麴やしょうゆ麹をつくってお料理に活用しています。ヨーグルトメーカーに麹を入れて甘酒を作ったりして楽しんでいます。体にもいいですからね。

――ていねいに暮らしを楽しんでいる様子がうかがえます。理想的ですね。

井桁 体を動かしていることが多いので、夜は9時くらいには休んでしまいます。一度も起きずに、朝までぐっすり眠れますよ。

――うらやましいですね。不安に感じることや不自由に感じることはありませんか?

井桁 このあたりは、近くに病院がないのがちょっと不自由に感じるところです。かかりつけの病院までは徒歩20分はかかるので、病気になったらちょっと不安かな。でも、東京都シルバーパスがあるし、バス停が近くなので、今のところは大丈夫ですね。
最近は自然災害も多いですが、何かあればフロントがあるので安心しています。前向きな性格なので、どんなことがあっても生きていけると思います(笑)。

――高齢者向け住宅を検討している方にアドバイスがあればお願いします。

井桁 一人一人求めているものが違うと思うので、何とも言えないです。ただ、パンフレットだけではなく、実際に見学に行くのは大事だと思います。そこで、まわりの環境とか、全体の雰囲気とか、ここいいな、という「勘」が働くのではないかと思います。あまり迷わず決めるのがコツかもしれません。

お気に入りのアンティーク家具
ベランダにもすてきなアジアンイストの置物

笑顔が素敵な、明るく快活な井桁さん。合唱が趣味のせいか、マスク越しでも良く通る伸びやかな声をお持ちだと、素人の私でも感じました。コロナ禍を乗り越えて、聖ヶ丘での暮らしを自然体で続けていらっしゃる井桁さん。お手本にさせていただきたいです。

(2020/8/4 インタビュー)

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