花だより
ゆいま~る拝島にお住いのT様よりブログの原稿を頂きました!
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定年退職いたしましてから、その十日後、体の変調に気付き、
思いもよらぬ、癌の告知を受けたのでした。
ベッド待ちの日々を悶々と過ごし、生き地獄とはこのようなことと思いました。
落ち着かぬままに、散る桜を眺めながら、
来年はまた、桜の花を見ることができるだろうかと、案じたものでした。
早期の乳癌で、結果は良く、不安はありますものの元気で退院いたしました。
翌年、そしてまた しみじみと、桜を愛でることができました。
春光に爛漫と咲き匂う桜、音もなく降る雨のなかの桜、霞のように淡くたなびいて、
ことのほか艶えてさえ見える夜桜、花吹雪をあびながら
つい手にしたひとひらなど、時どきの桜を眺め、
何かに向かって大きな声でお礼を言いたい気分でした。
そして、もう20年前にもなりますが、生きがい大学にも入学させていただきました。
(生きがい大学在学中のT様。琵琶湖にて)
在学中、同じ班のかたが、肺癌で亡くなられました。
ぽつんと空いた席を見るにつけお気の毒でなりませんでした。
突然おそった癌という病気に、生活も考えも、変わりました。
「生へ、訣別しつつ、生を味わう」と、同じ病室の人が話しておりました。
(山梨県は恵林寺。生きがい大学時の旅行先)
これからも年齢を重ねながら、桜の花をずっと、見続けたいと願います。
どの年も、小さなことでよいのです、
喜びや感動を、桜を愛でながら一杯味わえたら、幸せと思います。
老いの中でしか見つけ出せないものを、探しながら、丁寧に生きていきたいと思います。
(ゆいま~る拝島から見渡せる玉川上水の桜並木)