受容,傾聴,共感 生を受け止める体験@広報担当ヘルパー日記

今日の多摩市は、朝からぽつりぽつりと雨が降っていました。

最近は、お天気がコロコロ変わって、忙しい春の陽気です。

特別養護老人ホームでの実習も2日目です。今日は、朝礼後、シーツ交換、昼食の準備と補助、入浴介助の補助(着脱のお手伝い・整髪等)を行いました。

今日は、週に1回来られているボランティアの方たちと一緒にシーツの交換をしていく。60代の男性が2人、女性が1人、70代の女性が1人と20代ぐらいの学生さんと私でシーツを替えていく。初めにコツを教えてもらい、2人組みになってどんどんシーツを替えていく。ボランティアの男性は、「自分たちがシーツの交換等をやることで、スタッフが少しでも空いた時間に、ご利用者さんとのコミュニケーションの時間にあててもらえると嬉しいんだよね」と。40床を1時間ぐらいでシーツ交換をする。2人で息を合わせて、ピシッとできた時は気持ちがいい。

ご利用者さんの中には、ぬいぐるみが置いてあるベットもあり、「元の場所にきちんと直してね」と。元にあったものを同じように戻すということは、当たり前のことであるが、改めて肝に銘じ、何がどこにあったのかをきちんと観察し、戻す。小さな空間ではあるが、ご利用者さんのお部屋であることを忘れずに。シーツの交換の後は、清拭(身体を拭く)用のタオルを一緒に畳む作業を手伝う。ちょっとしたことでも、サポートしてもらうことで、ずいぶん施設側も助かることだろう。またスタッフ意外の人が違う形で関われるということは、ご利用者さんにとっても外の風が入り、よいのではないだろうか。

今日は、男性の入浴の日で、準備や片づけ、簡単な補助をさせていただく。昨日は、整髪のみだったので、更衣室の外での作業だったが、今日は更衣室まで入らせてもらう。高齢者の身体を観察する機会はほとんどないので、改めて観察させていただく。いつか自分も年を取とること、自分の未来であることを心に…。

ほとんどの方が、身体の麻痺や拘縮が強く、自分で立ったり、座ったりができないため、機械を使った入浴。ご利用者さんはリフトに座り、リフトがゆっくりと動き、湯船に入っていく様子は、初めてみる光景。だいたい5分の目安で、湯船に入る。長湯が好きな方は、10分ほど入るそう。ご利用者さんから、私たちに話かけてくれる人はほとんどいないですが、お風呂に入って、顔がほんのりピンク色になり、表情も柔らかくなる様子をみると、お風呂の気持ち良さと効果を感じます。しかし、スタッフは浴室の温度と湿度が高い中での介助は、重労働です。補助的な仕事しかしていない私でさえ、汗をかきながら動いていました。

今日は、初めてショートステイの方で、70代ぐらいの男性の方が来られておりました。不穏(周囲への警戒心が強く、興奮したり、大きな声で叫んだり、暴力をふるったりしやすい状態)という状態で、誰と話されていても、怒鳴っている状態。病状がそうさせるのか、心の不安がそうさせるのか、私にはわかりませんでしたが、私が帰る時まで、怒鳴っては、「家に帰る!」と繰り返していました。

同じフロアにいてその暴言を聞いていた女性(90代)が、眉をひそめながらも、「人の心っていうのは、結局その人にしかわからないからねぇ。」と私に一言。

教科書には、介護に求められる倫理という項目に、「介護者が利用者のすべてを受け入れることによって、信頼関係の成立は可能となります。介護を必要とする利用者の悩み、苦しみ、不安などの心情をありのままに受け止め(受容)、発言や振る舞いの根底にある利用者の思いに耳を傾け(傾聴)、その思いを相手の立場になって考え、感じとり、理解する(共感)ことが、介護における良い関係をつくる第一歩です」と書かれている。

介護の現場を見ていると、この「受容、傾聴、共感」ということが、並大抵のことではないことではないというのを感じています。人の心を100%理解できると思うことから、傲りが始まります。相手を「こうだ!」と決めつけることなく、客観的にゆったりと見守る目が必要です。「今日のあなたと明日のあなたは違うかもしれない、それもあなた」というような気持ちでいること、そんな姿勢が大切なのかもしれません。

 

特別養護老人ホーム実習。広報担当ヘルパー日記⑧

今日の多摩市は、雨上がりの青い空。

風がびゅーびゅーと強く、とても冷たい朝でした。

今日から4日間、ホームヘルパーの実習がスタートしました。今日と明日は、特別養護老人ホームでの実習です。特別養護老人ホームとは…、厚生労働省のホームページを参照すると以下のように書かれていています。

65歳以上の者であって、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においても常時の介護を受けることが困難な高齢者に対して、入所サービスを提供する施設です。要介護者(要介護1以上の方)が対象。

施設の中におられる方は、ほとんどが車椅子での移動されています。いつも私たちとは過ごしている世界とは、まったく違う世界。職員以外の動きはほとんどない、または、とてもゆっくりと動いている。自分たちの生きる世界が、いかにスピードの早い世界に生きているかを感じます。

今日は、朝礼後、入浴後の整髪(ドライヤー)、昼食の準備補助、コーラス、フラワーアレンジメントの講習に参加、排泄介助の見学等を行いました。

入浴後の整髪は、ご利用者さんの髪を乾かし、櫛で髪を整えます。また靴下、靴をはかさせていただきました。自分の意志で身体を動かせる人は少なく、「頭を上げてください」と伝えてもご自分の意志では無理で、どうしたらいいか戸惑う。10名ぐらいの方にどんどんとドライヤーをかける。お風呂が嫌で髪を乾かしている時まで泣いている方、「いいお湯でした?」と声をかけると「まぁまぁだね」とにっこりする方、反応はそれぞれ。櫛は共有で使うものでしたが、あるご利用者さんは「他人と同じ櫛は嫌!」とご自分の櫛をご用意される。心の中で「そうですよね、他人の櫛を使いたいと思わないですよね…」とつぶやく。

靴下も普通のタイプの靴下は比較的履かせやすいのですが、5本指靴下を履かせるということは非常に難しい。先輩のヘルパーさんにコツを教えてもらい行う。ドライヤーで髪を乾かす時に、「ちょっと指の間をドライヤーで乾かすと、水虫予防にもなるよ」と、アドバイスをいただく。日常の中での病気予防法、とても参考になりました。

昼食は、11時30分からスタート。食事の介助はできないので、スタッフが介助しているところを観察させてもらう。ペースト食(ご飯・おかず3種類)を一つのお皿に移して、つぶす作業を行う。初めて見るペースト食、これはどんな味がするのだろうか。どう見てもおいしそうには見えない。(そんなことを思ってはいけないだろうか)何をみても初めてで驚きの連続!ご利用者さんの状態に合わせて、刻み食、ペースト食、そして食事援助の方法が細かく分かれている。それぞれの方が、それぞれのペースで食事をしていきます。

90歳をすぎた女性の方が、食事をする前に手を合わせてお祈りをしてから、食事を召し上がられていた。それは、とても静かな光景でした。その後のコーラスの時間の時に、「私も見習います」とお声かけをしたら、「真似じゃなくて、本心からね。食事をいただけることに感謝しなければならないよ」と一言。その厳しく含蓄のある言葉が、心に響きます。

初めて施設に入った時は、身体が不自由で動けない人がほとんどなので、一見すると動きのない世界のように見えましたが、よくよく観察し、接してみると、たとえ話せなくても、歩けなくても、表情がないように見えても、目でしっかりと私を見て、心で感じているような気がしました。

午後のコーラスの時間では、みなさんと懐かしの童謡を歌いました。

靴が鳴る

お手つないで 野道を行けば

みんな可愛い 小鳥になって

歌をうたえば 靴が鳴る

晴れた空に 靴が鳴る

花をつんでは お頭(つむ)にさせば

みんな可愛い うさぎになって

はねて踊れば 靴が鳴る

 晴れたみ空に 靴が鳴る

2番の歌詞のところで、自分の頭にお花をさすしぐさをされている方もおられました。一緒に歌っていると、限りある今を一緒に楽しみ、そして私の経験したことがない利用者さんの人生の時を一緒に体験をしているような感覚になりました。

今日の一日は、ほんの一部の介護の姿、人間の姿を見たにすぎません。しかし、共に“今を生きること”の喜びを感じました。施設の窓の外には、満開の桜。桜が、今この時が限りある時であること、その尊い時をよりくっきりと見せてくれたような気がします。

 

多摩地元メディア「たまプレ!」に紹介されました

先日のゆいま〜る中沢オープン記念式典の模様が、地元の多摩メディア「たまプレ!」に掲載されました。

健康なときも、認知症になっても、多摩の町のなかで、市民同士がお互いに支え合っていきる。そんな町づくりに貢献できるよう「ゆいま〜る中沢」はがんばっていきたいと思います。

「たまプレ!」の記事はこちら↓をクリックしてご覧下さい。

「高齢者向け地域ケアの拠点、ゆいま〜る中沢でオープン記念式典」

 

阿部裕行多摩市長の祝辞 みんなが笑顔 いのちにぎわうまちへ

多摩は桜が満開です。バス停でバスを待っていると、隣にいた年配の女性から「ほんとに美しいですね。わざわざお花見に出かけなくても、町のあちこちで桜を楽しめます」と話しかけられました。今は1年で一番、美しい季節かもしれません。町中が桜色に染まり、生命力にあふれている感じがします。豊かな自然に囲まれたこの町への愛着が高まります。

3月21日の「ゆいま〜る中沢」のオープン記念式典には、阿部裕行多摩市長がご列席、祝辞をいただきました。この美しい町に住む市民のひとりとして、子どもも、若者も、障がい者も、高齢者も「みんなが笑顔 いのちにぎわうまち 多摩」となるよう努めていきたいと思います。

阿部裕行多摩市長のお話

 みなさん、こんにちは。ただいまご紹介いただきました多摩市長の阿部裕行です。このたびは、ゆいま~る中沢のオープンおめでとうございます。

この中沢の地は医療の拠点であり、これから高齢化が進むなかで、地域のためにグループホームや小規模多機能型も入る医療と福祉が連携した施設が誕生することを嬉しく思っています

多摩市の人口は約14万6,000人。一昨年、市制施行40周年を迎えました。多摩ニュータウンエリアは稲城市、八王子市、町田市、多摩市にまたがりますが、このうち多摩市のニュータウンエリアに住んでいる方は約10万人です。

多摩市のニュータウン地区における小規模多機能は聖ヶ丘にありますが、中沢地区がそれに続きます。医療の連携ということでは天翁会、新天本病院は在宅で老いを迎えるということについては、天本先生のお力が大きい。またお隣には東京都多摩南部地域病院もあり、医療の連携された拠点ということで地域のみなさんから中沢には期待が注がれています。

今、第5次多摩市総合計画を進めています。基本構想は、「みんなが笑顔 いのちにぎわうまち 多摩」がテーマです。そのなかで力を入れているのが、「最後まで幸せに生きられるまち」です。認知症になったとしても、がんで厳しい闘病をされていても、障がいを負われても、ご家族を含めてみなさんが最後まで幸せに生きられるまち、これを実現したい。

地域のなかでで、ゆいま〜る中沢が第一歩を踏み出してくれたことは非常に力強く思っています。14万6,000人の市民の皆さんにとっても地域の希望の光がここにあるのだと思っています。これから先、多摩市としては、第5次多摩市総合計画にある「みんなが笑顔 いのちにぎわうまち 多摩」を実現していくために。そして「最後まで幸せに生きられるまち」を推進していきます。

健康な方には健康に過ごしていただきたい。一方で、認知症になってもこのまちのなかで、家のなかで、ときにはお世話になりながら、しっかり市民がお互いに支え合っていく。そんなまちができ、このまちで老いを迎えられることができたら最高です。ゆいま〜る中沢、天本院長はじめ新天本病院と連携しながら、しっかりしたまちづくりをしていきたいと思います。

多摩市の花はヤマザクラでございます。気象庁の桜の開花予測はソメイヨシノ。ソメイヨシノはぱっとさいて散る。ヤマザクラはぱっとさくわけではございません。ヤマザクラはそれぞれの木が、時期が来ると咲く。多摩のヤマザクラ、しばらく咲かせていきます。本日は誠におめでとうございます。

 

多摩市のご指導のもと、多摩のまちづくりのために着実に歩んでいきたいと思います。

阿部裕行多摩市長(右)と弊社社長の髙橋英與(ゆいま〜る中沢にて)

 


 

社名ロゴが新しくなりました!

3月25日(月)に本社を東銀座から有楽町に移転いたしました。

それに合わせ、株式会社コミュニティネットのロゴを新しくしました。

左にある丸は・・・

3本の線で多世代、様々な地域を意味し、そこにかかわっていく

コミュニティネット発信の多様な「すまい」を表しています。

これからもより一層、「地域」「住まい」とう観点を軸に

スタッフ一同、皆様とともに頑張ってまいりたいと思います。

株式会社コミュニティネット

新住所 〒100ー0006 東京都千代田区有楽町1−7ー1 有楽町電気ビル南館5階

TEL 03-6256-0574     FAX 03-6256-0575(電話番号が変わりました)

本日オープンです!天翁会・天本宏理事長のお話

高齢者福祉関連施設「ゆいま〜る中沢」は本日、オープンします。これも、多摩市をはじめたくさんの皆さまのご理解、ご支援のおかげと感謝しております。「ゆいま〜る中沢」のお隣は医療法人財団天翁会「新天本病院」です。同会と連携しながら、多摩市における医療・福祉ゾーンとして地域に貢献していきたいと考えています。

↑この写真は21日の「ゆいま〜る中沢」オープン記念式典での一コマ。阿部裕行多摩市長(左)、社団法人コミュニティネットワーク協会の袖井孝子副会長、そして医療法人財団天翁会の天本宏理事長(右)。天本先生と袖井先生は40年前からのお知り合いだそうです。ありがたいことに「つながる・ひろがる」式典でした。

天本宏理事長は「住みなれた地域の中で、高齢者とご家族の生活を支援したい」という強い信念のもと、1980年に多摩市中心部に「天本病院」をつくられました。2000年には患者・利用者がより安心できるサービス体制のため「あいセーフティネット」構想を掲げ、法人内や地域関係機関との連携を推進されています。多摩地域における高齢者医療・ケアのパイオニアでいらっしゃいます。天本宏理事長から、「ゆいま〜る中沢」オープン記念式典で以下の言葉を頂戴しました。

医療法人財団天翁会 天本宏理事長

「ゆいま〜る中沢」での医療介護連携の取組みに期待しています。夢をもってこれからの難題にとりくむ第一歩として、ひとつのモデルとして、居場所である住まい、健康、病気、いろいろなものを支援していきたいと考えています。大切なことは、町づくりだと思うのです。今までの施設、有料老人ホームは、箱のなかだけで完結しています。「ゆいま〜る中沢」がいかに地域に溶け込んで行くかが重要となります。いかに地域のなかに貢献をしていくか、一体化して行くか、という使命を我々とともに一緒に歩んでいける。それは大変、やりがいのある地域貢献だと思っております。

我々も医療だけでなく、看護、リハビリ、いろいろな社会的なことに関しても、挑戦をしていきたいと考え行動しています。大都市東京、多摩ニュータウン、多摩市……、これから超高齢化が急速に進んでまいります。過去にない経験であり、モデルはありません。我々が正しいと思うことをいろいろチャレンジするしかない。それは私たちの法人だけでは到底できません。新たな取組みをなさる事業者の方々と、多摩市の指導のもとにやっていきたいと思います。ここ(中沢)は医療福祉ゾーンです。そのおかげで、これからの国家戦略のひとつである地域包括ケアシステムというものを、日常生活圏であるこの地域のなかでほぼ完成していくことができます。地域密着事業であるグループホーム、小規模多機能、あいクリニック訪問看護ステーション、そういう事業とあわせて、ここの周辺の日常生活圏にお住まいの方々の安心と安全をいかに保障していくか。一歩一歩、みなさんとともに歩んでいきたいと思います。

いろいろな課題があると思いますが、トップ同士で目標を決めた限りは、市長さんも含めて、取り組んでいく所存でございます。ここに住まわれる高齢者の方、老いて行く私も含めて、みんなが参画していかなくてはいけません。おまかせではすまない時代がきます。自分はどうありたいのかということをはっきりいっていただければ、我々はそれに会わせていろいろなものを作っていきたい。これからもよろしくお願いします。一緒になってやっていけることを楽しみにしています。

式典終了後、記者発表会を開きました。地元の「多摩テレビ」はじめ、たくさんのメディアの方が来てくださいました。

↓多摩地域における先進的な医療・福祉ゾーンを目指して……。天本宏理事長と弊社社長の髙橋英與。

 


多摩市 トータルケアの拠点に オープン記念式典開催 

「ゆいま〜る中沢」のオープンに先立ち、記念式典を3月21日、開催いたしました。

式典には阿部裕行多摩市長がいらしてくださいました。式典前、多摩市長に居室や小規模多機能居宅施設の入る3階フロアをご見学いただきました。

↓「介護保険外ショートステイ」のリビングダイニングを見学される阿部裕行多摩市長。

↓続いて、住まい(サービス付き高齢者向け住宅)をご覧いただきました(右=弊社社長の髙橋英與)

高齢者福祉関連施設「ゆいま〜る中沢」は、クリニックや訪問看護はじめ、介護・医療の事業所に加え、サービス付き高齢者向け住宅56戸を含む「地域の拠点」として3月24日(日)にオープンいたします。また、多摩市の地域密着事業である小規模多機能、グループホームも、2014年度中に開設する予定です。これについては医療法人財団天翁会が2014年度中に開設する事業者として選定されています(2014年2月に開設予定)。

記念式典は、「ゆいま〜る中沢」ハウス長である久須美則子の司会のもとで、弊社代表取締役・髙橋英與の挨拶でスタートし、阿部裕行多摩市長、鈴木秀之健康福祉部長からの祝辞を賜りました。続いて、天翁会の天本宏理事長、NPO法人多摩草むらの会の風間美代子代表、社団法人コミュニティネットワーク協会の袖井孝子副会長並びに近山恵子理事長からもそれぞれ「ゆいま〜る中沢」への期待を込めたお言葉をいただきました。記念式典には、ゆいま〜る中沢への入居を予定されている方々や地域でご尽力されているたくさんの方にもご列席いただきました。心よりお礼申し上げます。記念式典の模様を数回に分けてお届けします。

ミュニティネット代表取締役社長・髙橋英與 ごあいさつ

本日はお忙しいなか、たくさんの方にこの記念式典にご参加いただき、ありがとうございます。今まで私どもは各地で「ゆいま〜るシリーズ」を作ってまいりましたが、多摩市における「ゆいま〜る中沢」はこれまでにない新しい取組みを内包しています。多摩市全体のトータルケアを実現するために貢献したいということが大きなテーマでございます。

今日は、阿部裕行多摩市長、鈴木秀之健康福祉部長にもご列席いただき、ありがたく存じます。本来、ここ(ゆいま〜る中沢)は「医療ゾーン」ということで病院をつくる予定のところでした。その場所を医療に加え、看護•介護・福祉、そして高齢者の住宅を含めた「ゾーン」に広げることができましたのも、多摩市の行政の皆さま方のご理解があってはじめて完成することができました。

ゆいま〜る中沢の隣には天翁会・新天本病院があり、リハビリ施設、老人保健施設があります。救急医療やがん医療を重要医療とする多摩南部地域病院もあります。すべての医療機関が集約された場所に「ゆいま〜る中沢」はあります。元気なときからだんだんからだが弱くなって、最期の終末まで対応できる多摩市全体における「センター的機能」を目指したいと考えています。

また、2011年12月にオープンした「ゆいま〜る聖ヶ丘」はこのセンターと連携しながら、サテライトとして「住宅+ケアシステム」の役割を果たしています。このようなタイプを今後、多摩市のなかに何カ所か作っていきたいと考えています。

高齢者の方たちのニーズは「サービス付き高齢者向け住宅に入りたい」というニーズがある一方で、「できれば自宅で最後まで住み続けたい」というニーズも大変多いのです。幅広いニーズに応えるトータルなケアの仕組みをつくっていくなかで、「最後まで自宅で住み続けたい」方のために、新たに「ゆいま〜る倶楽部」という仕組みを用意しました。これは、「できるだけ自宅で住み続けましょう。万一、自宅にいられないときは介護室を用意してあります」という仕組みです。

医療連携という言葉をよく聞きますが、現実的にはとても大変です。天翁会の天本宏理事長とは「現場ではいろいろなことがあるけれど、研修だと思っていただき、トップ同士では連携していきましょう」と話し合ってきました。ゆいま〜る聖ヶ丘で連携した経験をもとに、中沢ではそれをもっと発展した形で対応していきます。

病院を退院した人たちが行く場がない、自宅にも戻れない、かといって他の病院に入院するもの大変、すぐ出なくてはいけない……、そのようなニーズにも対応したい。中間施設的な要素、つまり、ゆいま〜る中沢に住みながら、医療やリハビリを受けることができる機能も含み込んであります。ですから、今日ご列席していただいた行政の方、地元の皆さん方とともに、ここをひとつの拠点としてスタートさせ、多摩市全域のなかでいかにトータルなケアシステムをつくるかということを一緒に進めさせていただければ嬉しいと考えています。

同時に団地再生ということにも大きな意味をもちます。「ゆいま〜る中沢」をひとつの拠点として使っていただき、さまざまな仕組みを地元の皆さんと一緒に創っていくことができればと考えております。

障がい者の雇用に取り組んでこられた地元のNPO法人「多摩草むらの会」のみなさんは「ゆいま〜る聖ヶ丘」の食堂を担って下さっていますが、「ゆいま〜る中沢」の食堂も担って下さいます。私どもはコミュニティの拠点を創っていきながら、ケアや食は地元の方と連携していくという風に考えております。

「ゆいま〜る中沢」のオープンにあたりましては、株式会社URコムシステムの皆さま、大和ハウス工業株式会社の皆さまには多大なご協力をいただき、心より感謝申し上げます。また、多くの資金が必要な総合的な建物の建設は、民間の自主努力だけではうまくいきません。金融機関の皆さま含めて多大なご支援をいただき、それが「ゆいま〜る中沢」のエネルギーになっております。

高齢化社会は急激に進展します。ケアの対応が重要になります。年金も下がっていきます。少しでも安く、質のいいものをどうつくるか。それは連携しかありません。行政だけでも、民間だけでも、地元だけでもできません。総力戦しかないのです。今後は「ゆいま〜る中沢」を核にしながら、多摩市における地域包括ケアのモデルが成功すれば、それは他の地域でも参考になると思います。私どももがんばりますので、みなさんのご協力をいただきながら、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


「治療から予防へ」「健康をつくる」をテーマにセミナー開催

3月11日(月)ホールにて、栄養と健康に関する研究をされている西崎正一(にしざきまさかず)氏に、セミナー「治療から予防の時代へ 健康は守る時代から、つくる時代へ」という内容でご講演頂きました。

入居者のお知り合いより紹介いただきました。西崎氏は「これだけ医学が進歩しているなか、なぜ人は病気になるのか」という疑問を研究して全国各地で栄養と健康の関係をわかりやすく講演されています。

参加された入居者29名、メモを取ったりしながら熱心に聞き入っていました。

昭和22年の日本の平均寿命がは50歳でしたが、平成25年の今や、女性85.99歳、男性79.99歳。長寿国日本は平均寿命も世界一ですが、薬剤消費量(薬を飲んでいる量)も世界一という現状を新聞記事などから説明して下さいました。

病気を治すのは何よりも自らの持つ自然治癒力、そのためにも「栄養をとること、水分をとること、休養をとること」これが大事とお話。

そして「生きる目的を持つことも、もちろん大事」人生に目的を持つことで脳を働かせることになり、それが認知症予防にも繋がりますというお話しをされました。

セミナーの後半ではビタミンやタンパク質など、栄養素に関するお話しもされ、皆、頷いたり身を乗りだしたりしながら興味深く聞いていました。

セミナーの後は、講師が持ってこられた栄養素を測る機械(利用料315円/回)のお試し会も実施。「私は意識して食べているし、運動もしているから」と仰っていた方は本当に一番良い結果が出て「すごい!」と盛り上がりました。「ストレスが良くないって言われたわ」という方もいて「なるほど~」と言い合いました。

女性の入居者が多いこともあり、自炊率の高い伊川谷ですが、今日のセミナーで、栄養や食べるものに関する関心はとても高いことが分かりました。健康と栄養に関するようなイベント、今後は「ゆいま~る食堂」とも一緒になって、食の企画をしたいと夢が広がります。

子どもも若者も集う 世界一素敵な「老人ホーム」

はじめまして、こんにちは。「ゆいま~る厚沢部」の安藤です。

新しく厚沢部のメンバーとなり、厚沢部町に引っ越してきました。「ゆいま~る厚沢部」での暮らしや魅力と共に、地域のこともお伝えできるようになりたいと思います。

さっそく、「ゆいま~る厚沢部」を見に行きました。完成間近の館内を、一部ご紹介したいと思います。

玄関から一歩踏み入れると木のいい香りが広がります!建物には木がふんだんに使われていて、木に囲まれ、頭の奥まで香る木の香に包まれて、心も身体も癒されるようです。

玄関を入るとギャラリーが続き、その先に食堂があります。この食堂は、地域の方にも食べに来ていただけるところとなる予定です。大きな窓からはたくさんの光が入り、ゆったりと食事をしたり、コーヒーを飲んだりしたいなぁと思える、心地よいスペースとなっています。

またこの雪の時季の良さでしょうか、白い雪が部屋をさらに明るくしてくれていて、清い気持ちになります。

今はまだ何も入っていない、まっさらな空間ですが、ここに入居者やご家族の方、地域の方が集って、温かい場所となっていくといいなぁと思っています。

外に出て周りを歩いていると、食堂に面した厚沢部小学校の横道を、先生と子どもたちが列になって歩いてきました。「こんにちは!」と初めて出会った私にも元気にあいさつをしてくれました。食堂の内側からも、そんな子どもたちの姿が見えることを想像すると、なんだか嬉しい気持ちになり、色々な企画や想像も膨らみます。オープンしてからどんな交流が生まれるか、楽しみです。

ギャラリー、食堂から直接来ることのできる、「有料老人ホーム ゆいま~る厚沢部」の入口。木造りの温かい雰囲気がここから広がっています。次回は、居室やリビングのご紹介をしたいと思います。

完成間近となり、扉もつきました。