今日の多摩市は、朝からぽつりぽつりと雨が降っていました。
最近は、お天気がコロコロ変わって、忙しい春の陽気です。
特別養護老人ホームでの実習も2日目です。今日は、朝礼後、シーツ交換、昼食の準備と補助、入浴介助の補助(着脱のお手伝い・整髪等)を行いました。
今日は、週に1回来られているボランティアの方たちと一緒にシーツの交換をしていく。60代の男性が2人、女性が1人、70代の女性が1人と20代ぐらいの学生さんと私でシーツを替えていく。初めにコツを教えてもらい、2人組みになってどんどんシーツを替えていく。ボランティアの男性は、「自分たちがシーツの交換等をやることで、スタッフが少しでも空いた時間に、ご利用者さんとのコミュニケーションの時間にあててもらえると嬉しいんだよね」と。40床を1時間ぐらいでシーツ交換をする。2人で息を合わせて、ピシッとできた時は気持ちがいい。
ご利用者さんの中には、ぬいぐるみが置いてあるベットもあり、「元の場所にきちんと直してね」と。元にあったものを同じように戻すということは、当たり前のことであるが、改めて肝に銘じ、何がどこにあったのかをきちんと観察し、戻す。小さな空間ではあるが、ご利用者さんのお部屋であることを忘れずに。シーツの交換の後は、清拭(身体を拭く)用のタオルを一緒に畳む作業を手伝う。ちょっとしたことでも、サポートしてもらうことで、ずいぶん施設側も助かることだろう。またスタッフ意外の人が違う形で関われるということは、ご利用者さんにとっても外の風が入り、よいのではないだろうか。
今日は、男性の入浴の日で、準備や片づけ、簡単な補助をさせていただく。昨日は、整髪のみだったので、更衣室の外での作業だったが、今日は更衣室まで入らせてもらう。高齢者の身体を観察する機会はほとんどないので、改めて観察させていただく。いつか自分も年を取とること、自分の未来であることを心に…。
ほとんどの方が、身体の麻痺や拘縮が強く、自分で立ったり、座ったりができないため、機械を使った入浴。ご利用者さんはリフトに座り、リフトがゆっくりと動き、湯船に入っていく様子は、初めてみる光景。だいたい5分の目安で、湯船に入る。長湯が好きな方は、10分ほど入るそう。ご利用者さんから、私たちに話かけてくれる人はほとんどいないですが、お風呂に入って、顔がほんのりピンク色になり、表情も柔らかくなる様子をみると、お風呂の気持ち良さと効果を感じます。しかし、スタッフは浴室の温度と湿度が高い中での介助は、重労働です。補助的な仕事しかしていない私でさえ、汗をかきながら動いていました。
今日は、初めてショートステイの方で、70代ぐらいの男性の方が来られておりました。不穏(周囲への警戒心が強く、興奮したり、大きな声で叫んだり、暴力をふるったりしやすい状態)という状態で、誰と話されていても、怒鳴っている状態。病状がそうさせるのか、心の不安がそうさせるのか、私にはわかりませんでしたが、私が帰る時まで、怒鳴っては、「家に帰る!」と繰り返していました。
同じフロアにいてその暴言を聞いていた女性(90代)が、眉をひそめながらも、「人の心っていうのは、結局その人にしかわからないからねぇ。」と私に一言。
教科書には、介護に求められる倫理という項目に、「介護者が利用者のすべてを受け入れることによって、信頼関係の成立は可能となります。介護を必要とする利用者の悩み、苦しみ、不安などの心情をありのままに受け止め(受容)、発言や振る舞いの根底にある利用者の思いに耳を傾け(傾聴)、その思いを相手の立場になって考え、感じとり、理解する(共感)ことが、介護における良い関係をつくる第一歩です」と書かれている。
介護の現場を見ていると、この「受容、傾聴、共感」ということが、並大抵のことではないことではないというのを感じています。人の心を100%理解できると思うことから、傲りが始まります。相手を「こうだ!」と決めつけることなく、客観的にゆったりと見守る目が必要です。「今日のあなたと明日のあなたは違うかもしれない、それもあなた」というような気持ちでいること、そんな姿勢が大切なのかもしれません。