ゆいま~る中沢ブログ

ひとりでも家で死にたい、を支えたい@広報担当ヘルパー日記⑪


ふと、足元を見ると土筆が。春の風物詩ですね。

実習も今日で、最終日となりました。

今日は、訪問介護に同行をしました。訪問介護のご利用者さんは、在宅で生活している方々です。ご利用者さんの家庭を訪問し、利用者さんの現在生活しているところで、ケアプランに基づき、今の生活をこわすことなく、質の高い生活が送れるようにするために、援助をしていくことが目的です。

今回の実習の中で一番関心があったのは、この訪問介護の実習です。自宅で介護を受けて自分の生活を続けていくこと、介護度の高い方であれば、最期を迎えるための時をどう過ごされているかに関心がありました。

「どこで最期を迎えたいか?」と問われた時に、ほとんどの人が住み慣れた自分の家で過したいと思うのが自然な思いではないでしょうか。しかし、家で死ぬのは大変、家族に迷惑をかけたくない等、死ぬ場所は自宅ではないと考えている人が多いのが現実ではないでしょうか。

昨年の秋頃に、仕事で在宅医療の現場に同行させていただいたことがあります。現場を見させていただいた時に、「在宅で死ぬということは容易じゃないなぁ」というのが正直感想でした。しかし、今回ホームヘルパーの講習を受け、実際に訪問介護の現場を見た時に、在宅で最期を迎えるということは、医療、看護、介護が連携していけば十分可能かもしれない(実際に可能ではあるのですが)、そして在宅で過ごすことはやっぱり幸せなことなのではないか、と改めて実感として感じています。

今日は、要介護5の80代の女性のお宅に同行訪問しました。

要介護5は、「要介護4の状態よりさらに動作能力が低下しており、介護なしには日常生活を行うことがほぼ不可能な状態。生活全般にわたり、全面的な介助が必要。意志の伝達が困難。介護なしでは日常生活が不可能」と言われています。

今日は、排泄の介助、清拭、オムツ交換、食事介助等を見学させていただきました。要介護5というと、トイレに座ることもできないと思っていたのですが、ホームヘルパーは、ベットから移乗し、ポータブルトイレに座っていただき、20分ぐらい排泄の時間を設けていました。座っていただいた後は、影の方で見守りをしていました。その時間は、カチカチと時計の音が響き、とても静かな時間でした。今日はお腹のガスが出たぐらいでしたが、毎回トイレに座ってもらい、排泄を促すようにしているそうです。「割り当てられた時間の中で、援助する項目は全部やらなければならない。しかし他の仕事は急いでやっても、食事や、排泄にゆっくりと時間をかけるようにしてあげたい。」と話されていました。ヘルパーさんは、「ご利用者さんに元気になってもらうのが喜び。自分で出来ることはなるべくやってもらうようにしています。」と、折に触れ、ご利用者さんに声かけをし、自分ができることを積極的にやっていただいていました。

私が想像していた要介護5の状態と、実際のご利用者さんは全然違いました。介護認定されていても、それぞれのご利用者さんによって、できること、できないことに微妙な差があること。ヘルパー側がしっかりと観察して、残存機能をいかした援助をしていくことの大切さを感じました。

ご自宅に入ると、ご利用者さんや家族のそれぞれの方の生活の品がたくさん置いてあります。10年ぐらい前の朝の連ドラのビデオが転がっていたり、花瓶や写真、そして人形や生活用品、すべてが私に話しかけてくるような気がしました。部屋に入った時の、圧倒的な暮らしの匂いに、一瞬めまいがするほどの衝撃がありました。これは、施設の部屋では感じられないことです。どうしても施設は、暮らしという環境とはまた違ったものであるからです。

それぞれの暮らしの場というのは、一日一日の暮らしの積み重なったかけがえのない空間です。その住みなれた場所で、最期を安心して迎えたい、過ごしたい、これは自然な気持ちです。

在宅で過ごすということは、医療、看護、介護、そして地域の人や家族がみんなで役割分担をし、少しずつ関わっていくことで、叶うことです。在宅で生活し、死ぬことができる、この自然な願いが叶う地域にしていきたいです。

 

 

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