ゆいま~る中沢ブログ

震える弱いアンテナ@広報担当ヘルパー日記⑥


雨上がりの空に、梅の花がポッ、ポッとかわいらしく咲いていました。

【スクーリング6日目】

今日は、「身体の清潔」について、学びました。主に、足浴やケリーパットを使った洗髪です。

今日のメインは、なんといってもケリーパットを使った洗髪です。ケリーパットとは、寝たままで洗髪をする際、頭を洗う時にかけたお湯がこぼれないように、お湯の流れ道をつくるための介助用具です。既製品もあるらしいのですが、今回は新聞紙、バスタオル、輪ゴム、洗濯ハサミ、セロテープで簡単にできる方法を教えてもらいました。

ベットの上で洗髪なんてどうやってするのだろう!とドキドキ。先生に教えてもらいながら、ケリーパットを作成。確かに慣れれば、パッとできそう。

実際に、ベットの上で洗髪の体験。今日は、2人の方に髪を洗ってもらいました。ベット上から、介助者を見上げていると、そんなに身体の大きい人でなくても、巨人に見られているように感じました。上からのぞかれていると、表情もわかりにくく、威圧感を感じます。介助者の立つ位置や、目線の高さがとても大切であることを痛感。安心してもらえるような声かけも必要です。

順番が後の方だったので時間が少なくなり、シャンプーを使用しないでお湯のみで洗髪をしてもらう。洋服もぬれることなく、快適に終了。洗ってもらった後は、とってもさっぱりとしました。魔法のような道具に、驚き!

このケリーパットの技術は、東日本大震災の際とても重宝されたと、先生がお話されていました。ホームヘルパーの仕事、特に在宅での介護の場合は、あるものをどう利用するのかということが大切で、臨機応変に対応する力が求められます。

洗髪後、さっぱりしたのもつかの間、身体が温まりリラックスしたせいなのか、他人に髪を洗われているという緊張感なのか、身体が非常にだるくなる。高齢者の方や体力が落ちている人であれば、洗髪や入浴も、体力がいることでしょう。

スクーリングも6日目。今まで体験したことのないことばかり。体験するということは、驚きの連続です。今まで見ていた世界は、一つの世界にすぎず、視点を変えただけでずいぶん違うものであることを感じています。

自分が体験し、驚いたり、嬉しかったり、気持ちよかったり、違和感を感じたりすることで、自分が介助する側に立った時に、「もっとこうしよう」という視点に立つことができます。【体験】+【想像する力】で、介護はずいぶんと違うのだと思います。「すぐにわかる・できること」が重要でなく、今の私に必要なのは、驚いたり、嬉しかったり、嫌だと思ったり、違和感を感じたりすることが、次の学びへとつなげてくれます。その感じる心を大切に持ちたいと思います。

そんなことを考えていたら、茨木のり子さんの詩を思い出しました。

汲む―Y・Yに―   茨木のり子

大人になるというのは
すれっからしになるということだと
思い込んでいた少女の頃
立居振舞の美しい
発音の正確な
素敵な女の人と会いました
そのひとは私の背のびを見すかしたように
なにげない話に言いました

初々しさが大切なの
人に対しても世の中に対しても
人を人とも思わなくなったとき
堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました

私はどきんとし
そして深く悟りました

大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
失語症 なめらかでないしぐさ
子どもの悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ難しい
あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと……
わたくしもかつてのあの人と同じぐらいの年になりました
たちかえり
今もときどきその意味を
ひっそり汲むことがあるのです

 

私はこの詩を読むたびに、勇気づけられます。いい仕事の核には、震える弱いアンテナが隠されていることを…

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