光を感じる力は暗闇の中にある@広報担当ヘルパー日記⑤
我が家の近くのお宅では、小さな水仙の花が咲きはじめました。寒い中にも、静かに咲く水仙は、春の訪れを感じさせてくれます。
【スクーリング5日目】
今日は、「食事と介護」「更衣と身だしなみ」について学びました。
↑今日の授業の持ち物は、お弁当です。主菜と副菜に気をつけて、久しぶりにお弁当作り…。
2人1組になって、視覚障がい者の方に食事をとっていただくという設定で食事をする。アイマスクをして、なんのおかずがどこに並んでいるのかを、クロックポジション(食べ物の位置を、時計の文字盤を例にして説明をすること)で、相手に伝える。「ご飯は、9時の方向にありますよ。卵焼きは、3時の方向にありますよ。」等と。相手に場所を伝えながら、食事をとってもらう。目の見えない方にとって、献立を伝えることはとても大切なこと。
アイマスクをして真っ暗な中、食事をするのは人生で初めて! 自分が作ったお弁当なので、イメージがつきやすいが、ごはんもおかずも箸で取るのは一苦労。特にご飯は、どれくらいの量をつまんでいるのかが全くわからない。アイマスクをしながら食べていると、味が薄く感じたり、食事の量がどれくらい減っているのかもよくわからなかったり、時間も長く感じました。
その後、介助して食べさせてもらうと、なんだか味がいつも食べている味に戻ったような気がしました。見えない中で、箸を使うことで精一杯で食べることに集中できなかったのと、味はやはり視覚にも大きく影響をしているもののように思います。アイマスクを取って、お弁当に目を落とすと、お弁当はぐちゃぐちゃな状態でがっかり。
今まで当たり前のように食事をしていましたが、食事をするということの根底には、味や食感、匂いや好み、食事をする雰囲気、そして個人個人が持っている食文化等、さまざまな要素の上に成り立っていることを改めて感じました。そういう意味では、食べるということは栄養を摂取するという意味だけではない、五感を使い、精神の満足を得るための行為、「生きること」がまるごとつまったものと言えます。
食事ひとつとっても、介護の仕事というのは、ご利用者さんが望む暮らしを支える仕事だと感じています。私たちが“普通の暮らし”だと思っていることも、人間が持っている様々な感覚をフルに使って行っていることで、それは奇跡的なことなのかもしれません。普通の暮らしがどれだけ価値のあることなのか、もう一度胸に問いたいと思います。
一緒に授業を受けている女性から、介護に使うトロミ剤をいただきました。さっそく家に帰って、お茶に混ぜてとろみをつけました。お茶もトロリとします。味は、少し独特な風味がありました。
苺も、この真っ赤な色と香りがあるからこその美味しさですね。