風花舞う朝、いつもより早く食堂に入ると、まっさきに迎えてくれたのは
思い思いに咲いた色とりどりの花達。
居住者Uさんがいつものように素敵にアレンジされている真っ最中。
「ようこそ!この特別な日に。」そんな声が聞こえてきそうな明るい彩です。
そう、今日はゆいま~る那須のグランドオープン2周年をお祝いする特別な一日です。
こうした行事に欠かせない縁の下の力持ち的な存在が居住者の方々のお手伝いなのです。
男性陣の会場セッティング。そして女性陣の厨房サポート。
そのお手伝いの方々が忙しく、でも和気あいあいと立ち働く姿に加えて、
今日は地域で日本料理店を営む”那々川”さんもかけつけて下さいました。
出来ることを皆で支えあうゆいま~る那須の風景です。
パーティーには居住者の方々をはじめ、設計士さん、建築士さん、地域の方々も
多数お集まりいただき、およそ60名程の皆さんで祝杯をあげました。
「おめでとう!」
「もう2年経ったのね、最初のオープンからは3年よね。」
「その前は何もない山林だったのよ。」
「リスやタヌキがいたのよ。」
そんな会話があちらこちらで飛び交います。
一期オープンは3年半前に時を遡ります。
その後二期、グランドオープンと続きました。
その頃から応援して下さっている地域の方々からは当時を懐かしむ話や、
温かいメッセージをそれぞれに頂きました。
絵手紙教室の古山先生、郷土料理教室の井上さんに始まり、
生みたて卵を分けて下さる根本さんからは、ゆいま~る那須そのものを文化と捉える
「田舎に都会がやってきた」なんてフレーズが会場を沸かせました!
有機無農薬栽培野菜を分けて下さっている恩塚さんからは食べ物の質の話を。
恩塚さんは、添加物や農薬を体に入れない大切さを熱心に説かれ、皆も真剣に耳を傾けました。また、すぐお隣の福島県西郷村で幼稚園を経営される五十嵐さんからは
「うちの幼稚園に来て、子供達から元気パワーをもらって下さい。」と嬉しいお誘い。
非電化工房の藤原さんからはお庭拝見のお誘いも頂きました。
そして、ゆいま~る那須の居住者もお世話になっている
あい・デイサービスセンター
施設長の石井さん、設計士の瀬戸さん、近藤さん、今井さん、
八光建設の園部さんと続き、
それぞれに、この2周年への思いを語っていただきました。
所狭しと並んだ数々の手作りの料理の他にも、地域の方々からお赤飯やケーキ、お漬物まで届けられ、
温かく家庭的な雰囲気でテーブルを囲み賑やかに談笑し、第一部を終えました。
第二部では、ゆいま~る那須の歩みを「那須100年コミュニティ」と題し、
プラスニューオフィス設計士の、瀬戸さん、近藤さん。地域プロデューサーの宮本さん。
コミュニティネットワーク協会理事長の近山さんがパネルディスカッションを行ってくださいました。
この地が里山だった頃からの話をはじめとして、集まりすぎず散らばりすぎず「わ」になって
暮らすことをコンセプトに現在のスタイルになったこと。
設計士さん自身も住みたい家であること。
どんな住宅を作りたいかと意見を出し合った際に
”自分らしく暮らせる家”が多数意見となるも、”高齢者の家”とはどなたも仰らなかったと、当時のアンケートを読み返すと一同が大笑い。
設計図面が100通りにもおよび、居住希望の皆さんと選択された経緯。居住にこぎつけた矢先の3.11神戸への避難。戻りすぐの二期工事。生活の場のすぐ隣が建築工事現場という一期居住者の方のストレス経験も今では思い出となり、この場では「やりにくかったでしょう。」と労いの言葉が出るのも月日の経過があってこそ。
苦楽を共にした創り手と住み手が一緒になった住まいづくりは里山から始まり、その意識の繋がり、広がり。また関わってこられた先人の方々の思い、知恵、行動の上に今があること。
暮らし、生き方の中から新しいコミュニケーションが生まれ、
続いていく100年コミュニティ。
その襷を未来へつないでいきたいですね。