ゆいま~る神南ブログ

特別ゆいま~るセミナー 「人生100年時代、60・70・80・90代 これからの暮らしを考える」が行われました


2019年11月4日、特別ゆいま~るセミナー「人生100年時代、60・70・80・90代 これからの暮らしを考える」が都市センターにて開かれました。第1部は「ひとり力を鍛える終活」と題して、吉川美津子さん(社会福祉士/終活葬送ソーシャルワーカー)のお話、第2部は「ゆいま~る神南」入居者を交えたパネルディスカッション「元気なうちに住み替えた私たち」を行いました。
吉川さんの親しみのある語りと、入居者のお元気な暮らし方に、会場の皆さんは興味深く聞き入り、積極的な質問もあがって終始和気あいあいとした雰囲気に。入居者の率直かつ具体的なお話には笑いも起こり、参加者からは「終活に対して具体的に大切な話が聞け、大変参考になりました」(76歳女性)、「入居者のお話が聞けたことが良かった」(71歳女性)など、アンケートにはうれしいコメントもいただきました。セミナーの様子をご紹介します。

第1部「ひとり力」を鍛える終活 吉川美津子さんのお話

第1部では、講師の吉川さんが現在の終活事情や何から考え取り組むべきかについて、初心者にもわかりやすくお話ししてくださいました。

講師の吉川美津子さん(きっかわ・みつこさん 社会福祉士/終活葬送ソーシャルワーカー)

「生」と「死」にかかわりながら、2つをつなげたい

私は、もともと旅行会社にいたのですが、ひょんなことから葬儀会社にかかわったのがきっかけで、この業界におります。葬儀会社の後、仏壇、お墓関係の会社にもおりまして、専門学校で教えたりもしています。
2009年、『週刊朝日』で「現代終活事情」というテーマの連載が始まり、「終活」という言葉が広まり、私のところにも終活セミナーの依頼が来るようになりました。
そこで、もう少し勉強が必要だと思い、ファイナンシャルプランニング技能士、社会福祉士の資格を取りました。同時に、現場に入ることも必要だと考え、重度訪問介護の仕事や、特別養護老人ホームの介護ヘルパーの仕事をすることにしました。特養の仕事は、月に7日、今も続けています。そこには、現代の社会保障問題、人口問題、労働問題など、いろいろな課題が凝縮されています。今は生と死と両方に携わりながら、2つをつなげたいという思いで活動しています。

自分の思いを残す

「終活って、何をしたらいいですか」とよく聞かれます。
たとえば、エンディングノートもひとつの方法です。「いろいろなものが売られているけど、どれを買ったらいいの」と聞かれます。そのとき、「日記をつけていますか」「家計簿はつけていますか」と逆に聞くんですね。相手が「つけていません」と答えたら、「買わなくていいです。書けません」と言います(笑)。エンディングノートは、雑誌の付録やセミナーのお土産でもらえますから、それで十分です。実際に、エンディングノートの認知度は6割ですが、書いている人はわずか2パーセントというデータもあるくらいです(図1  平成24年4月 経済産業省「ライフエンディングステージ」普及啓発に関する研究会より)。

【図1】エンディングノートは書けない!!

こんな例があります。仏壇会社にいたとき、妻を亡くされた方からお位牌の注文があり、ご自宅に伺ったことがありました。すっかり気落ちして、ゴミが散乱していたので、「まずはお掃除しましょう」と片付けていたら、亡くなった奥様のメモ書きが出てきたんです。夫の日常の困りごとをたくさん残していました。それをまとめていくうちに、この方は「妻はこんなに自分のことを考えてくれていたんだ」という気持ちになり、心が満たされたのか、とても元気になりました。エンディングノートではないけれど、自分の思いや気持ちを残すことは、残された人の道しるべになるようなことは十分あると思います。

身辺整理は終活の第一歩

終活で一番実行しやすいのは身辺整理です。身辺整理は、高齢者の事故を防ぐためにも有効です。高齢者の事故は、道路でもなく、海や山でもなく、77パーセントが自宅で起こっています(図2  2017年 内閣府「高齢社会白書」)。ちょっとした事故で歩けなくなったケースも多いです。歩けなくなると、認知症のリスクも高くなります。まずは安全に暮らすというところから身辺整理をしてみたらどうでしょうか。「すべる」「つまづく」を無くす。整理整頓しやすい空間にする。それが終活の第一歩だと思います。
残された人にとっても、身辺整理は大切です。遺品整理の業者に依頼することもできますが、一度引き取って不用品と換金できるものに分ける、産業廃棄物として適正に処理するなど、手間暇がかかりますから料金はかなり高くなります。

【図2】「安全に暮らす」という視点から、身辺整理をしてみましょう

最期をどう迎えるか

また、最後をどう迎えたいかについて、病名・余命はどう告知されたいか、献体や病理解剖、臓器提供は希望するのかなど、自分の意思表示をしておくことも大事です。注意しておきたいのは、自分と家族の希望が一致しているか、残された家族がどう思うかです。たとえば、本人は「献体してほしい」と言ったのでそうした場合、大学でいろいろ研究して、遺骨として戻ってくるのが早くて1年、だいたい3年くらいかかります。遺族は、本当にこれでよかったのか、戻ってこないんじゃないか、戻ってきた遺骨は本当に本人のものか…と思ってしまうこともあるそうです。献体の場合は、本人と家族の意思がよほど一致していないと難しいと思います。
医療では、アドバンス・ケア・プランニング(ACP) の概念が広がりつつあります。本人と家族、医療関係者、介護従事者等が話し合い、終末期を含めた医療を決めておくというものです。2018年11月30日、厚生労働省は、ACPを「人生会議」という愛称に決定しました(1130、「いいみとり」)。死をタブーととらえず前向きに考える時代になりました。

亡くなった後のことも考えておく

亡くなった後はどうしたいかも考えておく時代です。親戚縁者がご遺体の引き取りを拒否したり、入るお墓が決まっていなかったりということもあります。おひとりの場合は考えておかなければなりません。高齢者の一人暮らしが増えています。頼る人がいるかどうかですが、やはり男性の方が頼れる人は少ないですね(図3  内閣府)。男性は、プライバシーを確保しつつもゆるやかなコミュニティを築ける高齢者住宅が合っているかもしれません。

【図3】普段から頼れる相手、相談機関、地域の情報を把握しておくことが大切

家族がいる場合も、家の処分や財産問題などが遺族のストレスにならないよう、元気なうちに関係書類を仕分けておく必要があります。ある程度まとめてスッキリさせておくと遺族の労力が減ります。そういう死後委任契約の専門家もいます。
相続税の変更に伴い、お金持ちの方は、生前に高額なお墓や仏壇を準備することで相続税対策をしている人もいます。これらは祭祀財産といって、相続財産とは区別される性格をもつため、そこには相続税がかからないのです。ただし、美術品や骨董品等、投資の対象として所有している仏具については非課税とはなりませんのでご注意を。
葬儀についてですが、自分の葬儀は簡単でいいという人が多くなりました。ひと昔前までは縁起でもないと葬儀の話題は口に出すこともできなかったと思いますが、今はタブー視が薄れ、自分で葬儀社を選んでおく人もいます。宗派をきちんと押さえたうえで、2~3社比較検討することで、地域の実情や最近の葬儀事情も見えてくるでしょう。自分の遺影を撮っておくという人が増えていますが、自分らしい表情を写真に収めて、残された人の頭の中に刻んでほしいということの表われでしょう。
お墓は、散骨も注目されています。また、現在、無縁墓が増えており、遺骨の受け取りを火葬場で拒否するとか、わざと忘れていく、お寺の門前に置いておくとか、そういう出来事が増えています。そんな中、永代供養墓、合葬墓、樹木葬墓地といったお墓が注目を集めています。お墓をどうするのかも考えておかなければなりません。

ひとり力を鍛える終活ということで、実態を中心にお話してきましたが、なんとなく終活の全体像が分かっていただけたら幸いです。

第2部 パネルディスカッション「元気なうちに住み替えた私たち」

続けて、第1部にご登壇してくださった講師の吉川さんと「ゆいま~る神南」の入居者を交え、元気なうちに住み替える選択について、パネルディスカッションを行いました。

まずは、中根三恵子さん(84歳)。毎日6時にお散歩に出かけるのが日課で、30分ほど歩いて神社にお参りし、喫茶店で「モーニング」をするそうです。「自分で作るのは面倒なので」と率直にお話しされると、会場からは笑いと同意の声があがり和やかな雰囲気に。お気に入りのお店で日替わりサンドイッチをいただいたあと、道徳駅近くの公園まで行って、だいたい5000歩くらい歩かれるそうです。
住み替えを考えたのは、「年になっていつ倒れるかわからないし、息子たちの近くに来たほうがいいかなと思って」。前は尾張旭市にお住まいだったので、息子さんのところまで1時間かかったそうです。「住み替えたら、息子はよく来てくれるし、大きい買い物は車で運んでくれたりして、助かっています」。
引っ越して1年ですが、「スタッフの人は優しいし、安心して暮らしている」とのこと。
ラジオ体操にもかかさず参加。出かけるのが好きなので、シルバーパスを利用して水族館や動物園に行ったりと、健康的な暮らしを楽しんでいる中根さん。
親子近居を選択しましたが、息子さんとはよい距離感を保っているそう。「お嫁さんにはそのままの生活で、干渉しないようにと話しています。お互いに気が楽なので」と、近居のコツを話してくださいました。

お出かけが好きな中根三根子さん

中根さんへの質問は、「80代の引っ越しは大変だったか」(回答:荷物をまとめるのが大変だった)、「どう対処したのか」(回答:友だちに手伝ってもらった)などがありました。「友だち力があるんですね」という会場の声に、中根さんは「今でも前に住んでいた友だちによく電話しますよ」とにこやかに話されました。

吉川さんは、「高齢者の住まいというと、見張られている、プライバシーが無いと思っている方もいる。でも、尊重してくれるところもある。自分に合ったところを選べる時代。国は、サ高住で自立した生活を、という方針。80代になってからの引越しは不安かもしれないが、現実的に高齢者住宅を検討される方は80代に多い。80代になると急に足腰が弱ってきて考える。でも、『ゆいま~る』では若い人も多いようですね。お元気なうちに考えたいですね」とコメントされました。

続いて、ゆいま~る神南に5月に引っ越してきた三浦幸子さん(81歳)です。
住み替えのきっかけは、「主人が亡くなって一人になった。主人がいるときは引っ越すことは頭になかったが、一人になって、体の不安とか、孤独死とか、朝目が覚めないんじゃないかとか考えるようになったから」とおっしゃる三浦さん。「今でもそういうことがあります。だから、夜寝る前にきちんと整理整頓して寝ます」と話されると、会場からは感嘆の声。
なぜ「ゆいま~る」を選んだのか、という問いには、「ゆいま~るのチラシが新聞に入っていて、パッと目に止まりました。施設らしからぬ、自活した暮らしができる高齢者住宅ということで、自分の考えに合っている。こういうところがいいと、すぐに電話しました」。
前は南区の集合住宅に住んでいましたが、今も変わらない生活ができるのが何よりいい、とお話しする三浦さん。
朝6時に起きて、朝食を作ってしっかり食べ、ラジオ体操に参加する前に後片付け、洗濯、掃除を行っています。自転車で買い物に行ったり、図書館に行ったり。とてもアクティブな毎日を過ごされています。
「姪に死後を頼んでいます。住み替えを決めたとき、おばちゃんは思い切りがいいね、と言われました。整理整頓好きなので引っ越しは苦にならなかった。引越し業者が持ってきてくれた段ボール箱にこまごまとしたものは全部自分で入れて、布団とか大きいものだけ頼みました」。今でもきちんと暮らしていらっしゃる様子が伝わってきました。

整理整頓好きな三浦幸子さん

会場からの質問では、日々工夫されていることとして「クイズの本で頭の体操をしています。あと、ご飯を食べすぎないように、一回分のご飯を計って小さな容器に入れています」。

吉川さんは、「整理整頓は苦手なので、すごいと思いました。食事も、みんながいれば作るけど、一人だとおっくうになってなかなか作りませんが、三浦さんはえらいですね。身の回りのことが自分でできるのが”ひとり力”。今日のテーマと重なりますね」と感想を述べられました。

そして、「人生100年時代。なかなか死なせてくれません。そこまでどうやって自分で身の回りのことをやっていくか。それを考え実行していくことで、健康寿命が延びて、”ひとり力”が鍛えられるのではないでしょうか」とまとめてくださいました。

熱心に入居者の暮らしについて聞く参加者の皆さん

※アンケートに答えてくださった参加者の平均年齢は76歳、圧倒的に女性が多く男性はお2人でした。

「参考になった」という方が多く、「自分が動ける時に考える必要を感じた」(女性70歳)、「なんとなくバラバラに理解していた知識のまとまりを認識できました」(女性77歳)、「”ひとり力を鍛える”ことがいかに大切かよくわかりました」(女性76歳)、 「とても良かったので、次回のバスツアーに参加する予定です」(女性74歳)など、うれしい声をたくさんいただきました。

ゆいま~るシリーズは、好きなことを通して自分の力が育つこと、その力をキープしたり、成長していくお手伝いをする住まいを目指しています。それが、”ひとり力の鍛えられる住まい”と考え、皆さんの暮らしをサポートするハウスとして、これからも役立つイベントを行っていきたいと思います。

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