初めての「看取り」に想う①
ゆいま~る厚沢部では、9月のはじめハウスでは初めての看取りを行いました。
看取りについて、スタッフで考えたことを書いてもらいました。
原文のまま、掲載いたしますが
ぜひ皆様にもご一読いただければと思います。
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去る9月5日の真夜中、Oさんが静かに息を引き取られた。
それはゆいま~る厚沢部にとって初めての看取りであり、
ハウスで完成期を迎えることを希望されたOさんとご家族を、
試行錯誤しながらもサポートし続けたスタッフにとって、それはかけがえのない体験でした。
Oさんはとてもおしゃれな方で、さりげないアクセサリーやネイルを常に欠かさず、
お孫さんが来訪される度に塗り直してくださるネイルのために、
爪を長く整えることを希望されていました。
ご主人の形見の指輪は、浮腫みが始まっても外そうとはなさらず、
病院で外していただいた時の、寂しそうなお顔は見ていて切ないほどでしたが、
傍らで見守る娘さんの指に指輪がシッカリと収まるのを見届け、
満足そうな笑顔を浮かべられていたのが印象的でした。
大腸癌末期と宣告されてから3ヶ月。
ご家族にとっては苦渋の選択が続いた日々であり、
ゆいま~るで完成期を迎えると決めた後も、幾度となく迷い
自問自答なさっていたご家族の心労を少しでも軽減していただくにはどうすれば良いか。
また、ご本人やご家族の願いに応えるには何をすべきか。
スタッフ全員が必死に考えていたように思います。
「自分らしく過ごしていただく」ことを基本にゆいま~るの介護を実践し、
お元気だった時と変わらない日々を過ごしていただきたいと
食事・入浴・排泄等も可能な限りご自分のペースで行っていただいていました。
また、食事は他の居住者の方と一緒にリビングでとり、
レクリエーションに参加された時の様子は特に印象深いです。
完成期の1週間前のスイカ割り、「このスイカ割れないね~」と微笑んでいたOさん。
スタッフの声掛けに頷き参加してくださったのは、
Oさんの優しさだったのかも知れないと、今になって思います。
*完成期:死は人生の終わりではなく、完成させるときという意味。
次回に続きます。